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「砕けろ! 鈍くら糞神剣!!『奥義! 武器完全破壊!』」

「くそぅ、ちょこまかと!

 凍りつけ! 神敵がぁぁ!『フローズンワールド!!』」

 ダルジィさんの動きが速いし、時々透明化するので全く分かりませんが、どうやら決着を付けるようです。

開拓村の時の様に周りが真っ白になったので、二人も姿も見えなくなりました。


「ああ、心配です・・・ 私の仇討のために・・・ 私なんかの仇討のために。 愛する私の仇討のためにぃぃぃい!!!」

さり気なく魔王扱いから、悲劇の美少女ヒロインに勝手ジョブチェンジを行い、それっぽいセリフを言ってみました。


まぁ、横にいるフィリアさんと青髪女くらいしか聞こえないので、やりたいようにやらせていただきます。


 青髪女はうざそうにしてますが、私の境遇を冷静にあらゆる角度から分析したどころ、天魔の異能という呪いを受けた悲劇の美少女ヒロインです。


ですので、ヒロイン的なセリフを声を大にして叫ぶ資格はあります。


はぁぁ、すっきりです。


そして予想外ですが、ダルジィさんが勝ったようです。 ほんのちょっとだけ残念ですが、まぁ嬉しいです。

 武器破壊という微妙な感じの奥義ですが、神剣は折れるというレベルではなく、完璧に砕かれてます。

青髪聖女が入っている氷像もヒビが入って砕けていきます。


「ふっ、勝ったな・・・」

 ほんのちょっと残念という邪な感情が言わせたのでしょうか、立ててはいけないフラグを立てそうなセリフをわざと言ってしまいました。


 私のテンプレではこのセリフの後、敵は自爆、もしくは真の姿を見せるボスキャラへと続き、卓袱台返しと反撃が始まり、「バカな!○○」と言うセリフに続きます。


 邪な感情は仕事をした後、満足したように私の中から消えていき、やっちまったという後悔の感情が沸いてきますがどうしようもありません。


 気を取り直して、周りを見ると、さり気なくおかまさんが立ったまま氷像と化しています。

どうやら敵も味方も関係なしの様です。


 勇者さんご一行はマーティさんの後ろにかたまりながら後退しています。

マーティさんの大きな盾が真っ赤になって輝いています。


 氷属性に対する高位防御ですね。


「ああああぁ、私が負ける!? そんな馬鹿な! シャロン!! 私に力を貸すのです!」

 なぜか、凍り付いて氷像化していないシャロンさんが私の近くで細剣を構えて突っ立っています。


「馬鹿やろう! 離れろって言ってただろ!」

「で、で、でも! 神剣はこれからの戦いで人を守るために必要だって女神様が言ってたの!」

 ダルジィさんは慌てて、離れるように叫んでいますが、シャロンさんはおろおろして全く動こうとしません。


「あんなババァの言うことなんか信じるんじゃねぇ!」

 いい感じでダルジィさんは激おこです。

私も見ていて不快です。 このまま破局にならないでしょうか?


「謝って! エルシア! 謝ったらダルジィもいつかはあなたのこと受け入れてくれるから!」

 シャロンさんは細剣をかまえてなにやら叫んでいます。。

これからの戦いで必要とか、ダルジィさんが受け入れるとか、何のお話か分かりませんが、とりあえず、ダルジィさんと青髪女の仲は最悪ということは分かります。

そして、これからシャロンさんが思いっきりダルジィさんの足を引っ張りそうだという予感がします。


 細剣から神剣と同じ様な力を感じます。そしてシャロンさんの目から光が消えました・・・

どうやら、わかりやすく言うと青髪女に乗っ取られたようです。 


 こういう役立たずよりたちが悪い奴ってよく異世界本に出てきます。


 例えば強大な敵をやり過ごそうと気配を消して隠れているのに、わざわざ飛び出して大声で悲鳴をあげて泣き始める空気が読めない幼女。


 父親が戦地に向かうとき、危険だから故郷に残しておいた筈なのにこっそりついて行き、散々父親の足出まいといになった結果、父親を死に追いやり、敵ボスに恨みを抱き脅威のストーカーとなるバカ息子。


ムカつきます。 読んでいて死ねばいいのにと何度も発狂しそうになりました。


 そして今、目の前に愛しのダルジィさんが足でまといだから離れろ言うのに居座った結果、青髪女に乗っ取られてダルジィさんに牙を向こうとしている愚かな女がいます。


 本当に発狂しそうです。


「神敵は死ぬのです!!」

神剣に乗っ取られたシャロンさんが剣を一振りすると白い氷のトゲトゲが地面から地面から生えてダルジィさんを襲いますが、ダルジィさんはひらりとかわします。


「止めろ! シャロン!」

ダルジィさん叫びますが、シャロンさんは攻撃を続けます。

ダルジィさんはシャロンさんを殴る蹴る事は出来ないようで、防戦一方です。


勇者さん以外の御一行は広間の外の中庭まで下がっています。


「しょぼい攻撃ですね。神剣と言っても、使ってるのがあのヘタレ女だから大したことないですね」

「そうぉ? 温度が下がりすぎてるから、大気が固体化して舞ってるですけどぉ?

 もう、このお城の周りで生きているのは勇者さんとお仲間さんだけですけどねぇ」


「むぅ、でも平気な顔で動いてますし、勝てると思います。」


「そうね、普通ならひとたまりもないんだけど、主様の護符のおかげね」

 シャロンさんが剣を振るう度にダルジィさんの体の一部が凍り付きますが、直ぐに護符がペカーっと輝い後、解凍されます。


「あの女勇者を殺す事が出来るなら勝てるかもしれないわね。 あの子に殺すことが出来るならね」

 フィリアさんはダルジィさんに婚約者であるシャロンさんを殺すことが出来ないと言いたいようです。

悔しいですが私もそんな気がします。

 負けて死んでしまえば、私に甘々だという神様が私と一緒に転生させてくれるかもしれないから、それでもいいのですが・・・。


 ダルジィさんの襷に縫いつけている護符が淡く光っているのを見ると、ふと思いますした。

あれが私に甘々だという神様の護符の様です。

あれ? でも、よく考えるとこれは私を討伐にきた人に護符を与えたということですよね?


・・・

・・・

・・・


油断しました!

主さんが私に甘いというのはフィリアさんの嘘ですね。

私を油断させて存在しないという、地獄にでも連れて行くつもりだったのだと考察します。


「ダルジィ・・・ 殺して・・・」

シャロンさんが血色の涙を流しながら殺してくれと訴えています。

私なら本人の希望なので迷わずぶっ殺しますが、ダルジィさんは殺さないようです。


「貴様! 卑怯だぞ! 殺人鬼め!」

「はっ! いつまでもネチネチと根に持ちやがって! 

 戦争なのです! 村や街の10や20潰したくらいで文句言うんじゃねぇです!」

流石はパッドを付けていただけのことはあります。

貧乳の風上にも置けないような、とんでもない腐れ外道な発言です。


そして・・・

なるほど、青髪女は村や街を10や20つぶしたのですか・・・


「フィリアさん。 あの青髪女は本当に神剣で元聖女なのですか? 実は邪剣と闇の巫女のという設定ではないかと思います。」

 フィリアさんはにっこり笑いスルーしました。


ちゃんと質問に答えてほしいのですが?


「ところで、村を襲った召喚勇者さんって、実はあの邪剣に操られていただけじゃないのですか? 今のシャロンさんのように。 パパやママ、従業員と村のみんな。それにリリアちゃんを殺したのはあいつですよね?」

 フィリアさん・・・いや、この死神女は肝心なところをぼかして、召喚勇者さんに罪をなすりつけて説明しましたね。


まじで許せなくなりました。


「まぁ、まぁ、落ち着いて。 もうすぐマリアちゃんの願い通り、ダルジィくん負けるから。ほらほら、もう護符も効力も切れそうですよねぇ。 

効果が切れたら、一瞬で逝っちゃいますから!

そしたら一緒に主様の所に逝けるし、いい感じに転生させてくれるかもしれから! ね!? 」

 この死神女はマジで何もわかっていないようです。

確かに、不幸にも負けて死んでしまったら、一緒に転生したいという気持ちはあります。


でも、ダルジィさんに負けて死んで欲しいと願ったことはありせん!


そしてこいつはパパやママ、リリアちゃんと従業員のみんなの仇!


この仇は必ず取ります。


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