水の咆哮 第2章-6
視点が変わるので、分割しました。
黒衣を纏う男は、高層ビルの屋上で眺めていた――燃えさかる少女を。
「なるほどな」
続いて男は、スナイパーライフルで神皆葉を狙うNINJAたちに目を向ける。
『リーダーどうしますか!?』
『タンクローリーを撃て!』
『ですが仲間が!?』
『人質がいなくては効果が見込めません!』
『ならば奴を撃て!』
『目標Sの姿が見えません!』
『何だと!?』
困惑するNINJAたち。2カ所から狙撃しようとしていた彼らは、無線から混乱の声を垂れ流していた。そこに、
『ッ!?』
『何だ!?』
リーダーは無線から流れてくる苦悶の声に反応する。そして、
「――――」
神皆葉はリーダーの前に現れた。
鹵獲したアサルトライフルで部下の四肢を打ち抜き無力化し、リーダーに銃口を突きつける。
「――――」
引き金が引かれる。リーダーの右足に穴が空き、膝を着く。
「――――」
引き金が引かれる。リーダーの左腕に穴が空き、仰向けに倒れる。
「――――」
引き金が引かれる。リーダーの右腕に穴が空く。続けてもう一射、もう一射、もう一射……殺さないように配慮しながら、撃ち続ける。
やがて弾倉が空になると、神皆葉はアサルトライフルを投げ捨て、リーダーの頭部を掴む。
「――――」
神皆葉の手から緑色の輝きが流れていく。そして、無線機を男の口元に当てる。
『――作戦成功。対象S及び同伴者1名に重傷を負わせた』
リーダーがそう告げるや否や、用は済んだとばかりに、リーダーは地面に叩き付けられた。
* *
「なるほどなるほど」
黒衣の男は事の顛末を眺めながら、感想を漏らす。
「無線の電波を拾うことで場所を特定したか」
男は、神皆葉の動向をも眺めていた。
神皆葉は円麗を撃つと、即座に飛翔。意表を突くことで動揺を誘い、その隙に姿を消す。
そして、無線のやりとりを促すことで電波の発生源を探知し、速やかに1カ所を狙撃して叩いた。
続けて、もう1カ所に赴いてリーダーを確保し、虚偽の情報を流させた。
「無線の探知方法は、おそらく魔術による可視領域の変化。最初に”火”の神霊結晶を使ったことから”火”の神の道化かと思ったが、本来の力は”生命”か」
可視領域の変化は、”生命”の力によるもの。繊細な魔力操作が要求されるため、男は神皆葉を”生命”の神の道化と推測する。
「中々面白い奴だな。一度闘ってみたいとは思うが、もう少し観察するか」
男は観察する――未だ燃え続けている少女に駆け寄る、神皆葉を。
前哨戦は、ここまでです。
この後は皆葉対メイを予定していますが、その前に少しお話を挟みます。




