↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神にデスゲームで皆殺しにしろと迫られたので、誰も殺さないで生き延びることにした。  作者: 火烏陽太郎
生命のはじまり、火の襲来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/222

生命のはじまり、火の襲来 第6章ー9

 神奈の姿が小さくなるのを身ながら、皆葉は呟く。


「ありがとう、神奈」


 その時、皆葉は自分がどんなことを考えているのか理解できなかった。何に感謝したのか。だが、理由はどうでも良かった。自信を持って、最後の博打に出られた。


「集中、集中……!」


 イメージする。自分の脳を。


 律華に頼んで、特訓の一環として、皆葉は病院で様々な人間を見てきた。生命の訓練として、軽傷の患者から重篤患者まで。果てには死体まで。様々な人間を見てきた。


 今、その経験を基に、皆葉はイメージする。自分の脳を。1つとして認識できるくらい、神経を繋げていく。


 ――――脳の神経バイパスが増設されてきた。それにつれて、皆葉の視界にはうっすらとした影が見え始めている。緑色の髪をした、無機質な女の姿が。


 だが、実体があるわけではなく、あくまでも『神皆葉』にのみ見える、彼に宿った神霊だ。加速度的に彼女の像が明確に映し出されていくが、同時に、




『ようやく、気づいたか』




 もう1人の『神皆葉』が、皆葉の意識に介入を始めていた。


「……彩破」


『これで私(オレ)様は、この不自由な生活を終えられるというわけだ』


「お前は、自由がほしいのか?」


『愚問だな。主人格のお前が存在するために、私(オレ)はたまにしか身体を使えない。皮肉なもんだな。肉体の主導権はお前にあるというのに、神霊石の使用権は私(オレ)にあるなんてな。

 だが、それもこれで終わりだ。お前がこうしてくれたお陰で、これからは、私(オレ)様が正真正銘、この身体の主となる』


「……そうか」


 微笑を浮かべて呟く皆葉。癪に障ったのか、彩破は怒気を込めて問う。


『何がおかしい?』


「いや、羨ましいと思ってね。僕には、お前の様な明確な欲求がなかった。――違うな。自分で押し殺してきた。でも、今は違う」


 皆葉の脳裏に浮かぶのは、1人の少女。何かとつけて皆葉に構い、時には叱り、時には励ましてくれた、お節介な少女。




『待ってるから。帰ってくるって、信じてるから!』




 あの時微かに聞こえた彼女の声。彼女と再び会うため、皆葉は突き進む。先の見えない道を。“火”の神の道化だけではない、己が自身の存在を賭けた、非常に困難な、闘いの道を。


「神……霊、けっしょおおおおおおおお!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。