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破壊者_全ての敵を破壊せし復讐/デストロイヤー_ペネトレイト・ヴェンジェンス  作者: D-delta
第一章 世界の裏と奥底の真実に隠れた憎き仇敵、復讐すべし

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▽1・4 人類連合軍・悪魔の巣

 敵を警戒しながら目的地へ飛行。ほどなくして旧整備工場に到着する。


「アルファはこれより目的地の上空で待機。敵が出現次第、援護を開始する」

「了解しました。我々フォックス小隊は旧整備工場への侵入を開始します」


 アルファ小隊の計十機の『ベースドアーマー』が上空で待機。

 フォックス小隊は旧整備工場の屋上へと降りる。

 任務は予定通り進む。


「ユリ少尉、どこから侵入しますか?」


 ノアの試す質問。


「えっと……空中戦闘仕様の性能を活かすためにも屋上から侵入します。敵の出現時には上空への退避が簡単で、アルファ小隊の援護を受けられますから」


 小隊の指揮官としてユリは正解だと思うものをなんとか答える。


「じゃあ、それにしましょう」

「そ、その、軍曹から見て今のは正解ですか?」

「戦場に最適解はあっても正解はありません。自身と周囲の状況から最適と判断したものを選択してください。後は過程と結果が少尉の力になるはずです」

「は、はい! アドバイスありがとうございます」


 実戦経験も指揮官の経験もある、ノアのアドバイス。

 そのアドバイスを、ユリは勤勉に頭の中へ入れていく。


「ヨシノリ、少尉にアドバイスしたのを聞いていたな? お前もよく覚えておけよ。孤立した場合は自身で判断しなくちゃならないんだからな」

「はい!」

「よし、それでいい」


 ついでにヨシノリにもアドバイスを叩き込む。


「では少尉、命令を」

「分かりました。フォックス小隊全機、これよりブリーチングパイルを使用して屋上から内部へ侵入します。タキ一等兵、爆破を頼みます」

「はい。爆破は任せてください」


 ユリが出す最適解、命令。

 ヨシノリだけが持つブリーチングパイルを殺しではなく、本来の使い方で使用する。


「タキ一等兵、ここです。ここにやってください」

「ここですね、やりますよ?」


 ユリは指差しで場所を指定。そこにブリーチングパイルの先端を向ける。


「ブリーチングパイルを使用します。信管が作動した杭(くい)には近付かないでください」


 使用前の警告。

 周りが離れるのを確認してからブリーチングパイルの杭を屋上に刺し込んで、そのまま杭を分離。

 杭に仕込まれた信管が作動。

 爆破までのタイムラグを利用して、ヨシノリも離れる。


「爆破まで三、二、一――」


 爆破までのカウントダウン。

 ヨシノリがゼロを言う前に轟音を立てて、ブリーチングパイルが大爆発。その声をかき消して屋上が崩れ落ちる。

 まさにブリーチングパイル本来の使い方の見本である。


「爆破しましたね。このまま内部へ侵入します」


 爆煙が晴れていくと、屋上には『ベースドアーマー』が侵入出来る大穴が出来上がっていた。

 その大穴の向こう側、工場内部の様子は電気が消えていて真っ暗だ。


「ヨシノリ、先に行け。しっかり援護してやる」

「ノア軍曹、プランヴェル軍機を発見したら殺していいですね?」

「親の仇を取りたいんだろう? 遠慮せずに殺せ」

「ありがとうございます。先に行きます」


 そう言ってヨシノリは一番手に大穴から旧整備工場内部へと侵入。

 スラスターは使わずFデバイスのみで、ゆっくり降下。

 内部はまるで悪魔が潜む深淵(しんえん)のような暗さ。見通せない暗闇の中を降りていく。


「暗い。こういう時は……」


 夜間訓練を思い出す。

 暗闇の中で見えない。そういう時は『ベースドアーマー』の暗視装置を使う。

 記憶にある行動。覚えてきたことをやる。


「これで見える」


 暗視装置を起動。視界が暗緑色となって暗闇を見通し、床に着地。アウトライン処理で見やすくなった工場内部の光景を見る。

 誰かが荒らした後のような荒れ具合。窓も扉も全て閉じ切られており、放置された機械たちは時が止まったように動かない。

 ロボットアームも運搬ロボットも全て止まっている。


「ん? あれは……?」


 視界に入る放置されたと思しき、陸上戦闘仕様の『ベースドアーマー』が五機。

 暗視装置を使っている今では、その色がプランヴェル軍かどうか判別出来ない。


「タキ一等兵? 中はどうですか?」

「あ、ユリ少尉。工場内部で『ベースドアーマー』を――」


 状況報告の直後、待っていたかのように工場内部の電気が一斉に付き始めた。

 眩(まぶ)しい工場の照明が暗視装置を通して見える光景を真っ白にする。


「なんだ!?」


 暗視装置を解除。通常に戻し、再度視界を確保する。

 すると五機の『ベースドアーマー』の色が見えてくる。


「この機体、まさか……!」


 黒い機体色。プランヴェル軍機の色。


≪ようこそ、タキ・ヨシノリ一等兵。私の手の中へ≫

「声!? 誰だ!」


 これまで独り言だけだった人のものではない声が、初めてヨシノリに語りかける。

 それと同時にプランヴェル軍の黒い『ベースドアーマー』五機全てが起動。全ての赤い一つ目がヨシノリに向く。


≪私か? 私はヴァルバラン・プランヴェルだ。プランヴェル軍の頂点。貴様とは世界を違える存在。貴様にとって憎い存在だよ≫

「お前、プランヴェル軍の親玉か!」


 待ち伏せだ。

 しかも工場内部だけではない。


「うわぁぁぁ――」

「こちらアルファ! 隊長がやられた!」

「罠だ! 奴ら、地面の中で待ち伏せしていやがった!」


 旧整備工場の外、地面から走る実弾が上空待機中のアルファ小隊を襲い、地面の下から次々とプランヴェル軍の空中戦闘仕様の『ベースドアーマー』が出てくる。


≪フフフ……初めてのご挨拶だ。まずは貴様の仲間を消して、二人きりになりたいな≫

「そんなことはさせない!」


 味方が殺される前に敵を殺す。

 その心持ちでプランヴェル軍機が動き出す前に先制攻撃。

 推進力任せの急速回転をして40mmライフルと肩部固定式ガトリングガンを発射。

 一瞬の内に、それでいて的確な攻撃を敵の赤い一つ目に叩き込む。


≪なんだと?≫


 二秒にも満たない速攻。

 五機のプランヴェル軍機がヨシノリの攻撃に反応しようとした時には既に遅い。

 五機全ての赤い一つ目が撃ち抜かれ、一瞬の内に破壊されていた。


≪今の一瞬でやられたのか……≫

「今に見ていろ! こんな待ち伏せ、後悔に変えてやる!」


 工場内部の敵を全て破壊。

 残りは外にいる。

 ヨシノリは全てを殺し切る気で、残りの敵を破壊しに屋上へ飛んだ。

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