第24話 魔法を使わない理由
黒装束の奴らを無力化した。
重傷の奴には、奴らが持っていたポーションを飲ませて応急処置程度には回復させてやる。
奴らの持ち物の中に拘束用の縄などがあったのでそれで全員を縛り上げる。
他にも何か持っていないか持ち物を漁っていると、気になる腕輪が見つかった。
ぱっと見たところ魔道具のようだけど……なんだこれ?
俺は意識のある黒装束に、この腕輪について聞こうと思ったときレオンに声をかけられた。
「カイ、見てみろ」
俺と同じく黒装束の持ち物を物色していたレオンが俺に何かを見せてきた。
腕輪のことは後回しにしようと思い、それを服のポケットに入れた。
「これは……ギルドカード?」
レオンが見せてきたのは冒険者ギルドのギルドカードであった。
そのギルドカードの色は俺に馴染みのある銀色をしていた。
ギルドカードはランクによって色分けがされており、F、Eランクは銅色、D、Cランクは銀色、B、Aランクは金色、Sランクは黒色となっている。
「そうだ、コイツらは皆DランクCランクの冒険者のようだな」
そう言ってレオンは更に複数枚の銀色のギルドカードを俺に見せた。
なるほどな、この黒装束達は対人慣れをしてなかったように感じていたが、主に魔物相手に戦っている冒険者であったのなら納得だ。
「カイ、魔法を使ってもらってもいいか?」
「魔法? なんでだ?」
「少し離れたところにいるマクファーレン騎士にこれを知らせるための合図を送りたい」
「そういうことか、了解」
俺はレオンの指示通りに火属性の魔法を4回間隔を空けて空に向かって放った。
「助かった、これですぐにこの辺りを巡回している騎士がコイツらを連行するために来てくれるだろう」
俺達はマクファーレン騎士が来るまでしばらくここで待つことになった。
「カイ、今更なんだがひとつ聞いてもいいか?」
「なんだ改まって?」
「お前魔法使い……だよな?」
「あたりまえだろ、聞きたいことってのはまさかそれか?」
「いやな、そういえばお前が戦っているときに魔法を使っているところをあまり見たことが無いと思ってな。飯のために火を起こしたり水を出したりするときに見るのが1番多い」
実際はさっきみたいに魔力での身体強化や魔力を直接放つなどといったことはしているんだが、レオンが言いたいのはそういうことではないだろう。
「本当に今更だなぁ……。俺が魔法を使わないのは魔力が少ないからだよ。こんな相手に一々魔法を使ってちゃ魔力がすっからかんになる」
高火力の魔法を複数使ってもケロッとしているステフに憧れてはいるものの、魔力量で圧倒的に劣っている俺には絶対に真似できない。
ステフの無尽蔵の魔力を惜しみなく使う戦い方を羨んでいたが、すぐに無理だと悟り、俺は今のような剣を主体にして、魔力をなるべく節約する戦い方になった。
もちろん魔力量を増やす努力は怠ってはいないので、少しずつだけど俺の魔力は増えてはいる。
「そうだったのか、さっきは悪かったな魔法を使わせて」
「ん? あぁさっきの空に向かって放った魔法か。あれは問題ない。工夫をすれば少ない魔力でもそれなりに魔法が使えるんだけどな、時間がかかるし実戦じゃあ使いにくいってだけだ。あれくらいならすぐに回復するしな」
そんなやりとりをしていると、こちらに向かってくる4人ほどの甲冑の人達の姿が見えた。
あれがマクファーレン領騎士かな、これでやっと動けそうだ。
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