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第18話 絶望


 ステフとのデートの日から数日、今日の予定は昼頃に冒険者ギルドに行く用事があるだけなのでいつもより長くベッドで惰眠を貪っていた。

 すると何だか外が騒がしいことに気がついた。


「あー、なんだ? ゆっくり眠らせてくれよ…………」


 俺は重い瞼を手で擦りながら窓を開け、2階の部屋から騒がしい外の様子を確認した。

 宿屋の入り口の前にステフが立っていてそれを取り囲むように見慣れない鎧を身に着けた騎士とローブを羽織った魔法使いらしき人間達がいた。

 何だかただごとではないような雰囲気が漂っている。


「……この街で見かける騎士とは違うな、一体何なんだ?」


 その集団の代表らしき騎士が声を張り上げた。


「ステファニー・ヴィオネ、貴様を国家反逆罪の疑いで拘束する!!」


 こ、国家反逆罪だと!?

 俺はその声を聞いて急いで部屋を飛び出し、宿屋の外に出た。


「お、おいステフ!」


 俺は大声でステフに呼びかけた。


「何だお前は? 関係者か?」


 先ほど声を張り上げた代表らしき騎士が俺にそう聞いてきた。


「ああ、俺は――――――」


「カイ」


 俺はステフの弟子だ。

 そう言おうとしたところをステフの声に遮られた。


「何だ?」


「本日をもってあなたとの師弟契約を破棄します。今後ステファニー・ヴィオネの名前を使うことを一切禁じます」


 そう言うとステフはパチンと指を鳴らして俺に師弟紋が入った手の甲を見せた。

 そのステフの手の甲の師弟紋が薄くなって、そして消えた。


「え……?」


 俺はすぐに自分の右手の甲を確認した。

 しかし、既に紋章は消えており何もなかった。

 突然のことに全く頭が回らない。


「ステフ、何の冗談だよこれ……」


 ステフは俺の言葉には答えず胸元に手をやり、ブチッという音とともに何かを引きちぎり、それを俺に手渡した。

 手渡されたそれを見てみると、数日前に俺がステフにあげたペンダントだった。


「これも返すわ。これからもせいぜい頑張りなさい」


 そう言うとステフは俺に背中を向けた。


「そ、そんな……。ステフ! 国家反逆罪だとか嘘だよな? 師弟契約破棄も冗談だよな!? おいステフ、聞いてんのかステフ!!」


 ステフは背中を向けたまま何も答えない。


「ふむ、国家反逆罪の容疑者は確保した。ならばわざわざ無関係な人間に構う必要はあるまい。……これより拘束した容疑者を王都まで移送する!! 総員撤収ッ!!」


 その声に合わせて騎士、魔法使いがステフを連れて歩き出した。

 ステフは全くこちらを見ようともしない。






 目の前が真っ暗になった。




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