第15話 ステフとデート その1
時は更に経ち、俺がステフの弟子となってちょうど1年になった。
俺はあれからも魔法の鍛練を重ね、剣のほうも魔法ほどでは無いが着実に力をつけてきているのを感じていた。
修行の休みを使って冒険者としての活動も行い、現在はDランクまで上がり、冒険者としては一人前だと言われているCランクまではもう少しだ。
今日は修行の日でも冒険者活動をする日でもない。
今日は、なんとステフとのデートの日だ。
弟子入りして1年だということで日頃の感謝を込め、ステフに何かを贈ろうとしたのだが何が欲しいのか全く検討がつかなかった。
サプライズの方が喜ばれると冒険者の友人に言われたので、さりげなく何か欲しい物はないかと聞いたのだが何も無いとのこと。
どうしようかとしばらく考えたものの、そもそも人に何かを贈った経験が無い俺に解決できる問題ではなかった。
もうサプライズとかやめだとステフに話したのだが、彼女は強情に何もいらないと譲らなかった。
俺とステフの『欲しい物を言え』『何もいらない』の押し問答がしばらく続いたが、最終的にはステフが折れてくれて『じゃあ1日デートをして私を大いに楽しませ、喜ばせなさい』となって今日に至る。
ステフを楽しませることができるのかなど不安はあったがそれ以上に楽しみの方が大きかった。
武器や防具を買いに行ったりなどでステフと街を出歩いたことはあったが、ただ楽しむために街を歩いたことはなかったからだ。
今俺はこの街、キーストリアの中心に位置する大きな噴水の前でステフを待っていた。
同じ宿屋にいるんだから一緒に行けばいいんじゃないかと思ったのだが、ステフがそれっぽいからと言うので噴水前での待ち合わせとなった。
「ごめんなさい、待たせたわね」
「いや、全然問だ……い……な……い……」
俺はステフの声がする方へと振り向いたのだが、彼女のいつもとは違う姿に思わず見惚れてしまった。
膝下ほどの丈のひらひらとした白いワンピースを身に纏い、そこからは細くてすらっとした手足が伸びている。
肌はいつも以上に白く透き通っていて魅力的だ。
腰まで伸ばした艶やかな金髪もいつも以上に手入れがされているように感じられ、その金髪に可愛らしいピンク色のリボンが飾り付けられていた。
「どうかしら? 何もしていなくとも容姿端麗で魅力的で可愛い私がオシャレに着飾ったの。すれ違う男みんなが私に見惚れていたわ! カイはどう? 私の魅力に声も出ないってところかしら?」
確かに俺はステフ言う通り、魅力的なその姿に見惚れて言葉も出なかったよ。
ステフは魅力的で可愛い女の子だ、ただし……。
「あーもう色々と台無しだよ、ちくしょう!」
ただし、語頭に『喋らなければ』がつくけどな。
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