第14話 実は俺は天才?
「そして、昨日までの1ヶ月の一番の目的をまだ説明してないわ!」
「それはね、瞑想よ! カイ、あなた四六時中ずっと瞑想してたわよね?」
「ん? あぁ、修行で身体もまともに動かないしやること無かったからな」
「そう! それよ!! まさか空いている時間をほぼ瞑想して過ごすとは思わなかったから私が想像していた以上ね」
何か『お前それ以外にやることねぇのか?笑』と言外に言われているような気もするが……。
「1ヶ月前のカイはこれだけで魔力切れを起こしてまともに動けないレベルの魔力だったから教えることはできなかったのよ」
ステフはそう言うと同時に人差し指を立ててその指先に1cmにも満たない小さな火が現れた。
「ちっさ」
マッチで起こした火とそんなに大差無いと言った感じだ。
でもこれだけでも使えればマッチの節約にもなるしいいのかもしれない。
「この小さい火種で魔力切れを起こしていたのが1ヶ月前のカイよ」
「じゃあ今は?」
「今のを数百回使っても全然問題ない魔力にはなったわ!」
「おお! マッチ数百本!!」
「……マッチ?」
おっと、心の声が出てしまった。
ステフが何言ってるんだといった目で俺を見ている。
「ま、まぁとにかく今日から俺は魔法を教えてもらえるってことでいいんだよな?」
「もちろんよ。じゃあまずは簡単なのを一通りやって見せるわね」
ステフは魔法の中でも扱いが簡単だという火、水、風、土属性の魔法をそれぞれ俺に見せてくれた。
火属性の魔法は、さっき見せてくれた火種みたいな魔法よりも大きい、拳大ほどの火の玉だ。
水属性の魔法は、拳大ほどの水の玉や、氷の矢を飛ばしていた。
風属性の魔法は目に見えなかったのでわかりにくかったが、離れたところにあった木の枝が切れた。風で刃を作ってそれで切るようなイメージだという。
土属性の魔法は地面から身体を覆うような土の壁が現れた。土の壁だというのに蹴っても殴っても、これが頑丈でうんともすんともいわなかった。
魔力で土の強度を上げているらしい。
「とりあえずはこの4つの属性ね。さぁ、やってみなさい」
やってみなさいって言われても……。
「どうすればいいんだ? やり方を何にも聞いてないぞ?」
「簡単よ。魔力を魔法に変換するだけ、属性魔法はそれだけよ。自分の魔力を火の玉に変えるようにイメージ、私のこれと同じのを出せるように頑張りなさい」
ステフはそう言うとさっき見せてくれた火の玉、水の玉、氷の矢、土の壁を瞬時に自身の周囲に出現させ、漂わせた。
ステフの髪や衣服がふわふわとなびいていることから風の魔法も使っているのがわかる。
よし、何だか漠然とした感じだけどとにかくやってみよう!
俺は魔力が切れ気味で身体がダルくなってしまったが、なんとその日のうちにステフが見せてくれた4属性の魔法を使うことができるようになった。
長期間かかることを覚悟していたから、想像以上にすんなりいったというかなんというか。
「もしかして……俺、天才か?」
ステフは才能が無いと言っていたが、これは思わぬところで才能が目覚めたとかそういったことなのでは?
「……これは才能とかじゃなくてカイの努力の結果よ。まだまだ魔法の発動時間だとか改善点は沢山あるから気を引き締めていきなさい」
うーん、世の中そんなうまい話はないか。ステフの言う通り、気を引き締めて明日からも頑張ろう!
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