私のホント
「おぉーーーーーーーい」
明らかにねむそうだと思う、間抜けな声。
どこか恨みを持つような、そんな感じで返す返事。
明らかに何でこうなってるのか、
向こうからは一目瞭然だろう。
社会科見学が終わってから、
奏と馨の事しか考えられなかった。
ずっと考えてて、
ご飯も落としてひっくり返しちゃうし、
お風呂で溺れそうになった。
もちろん寝れないのは当たり前のことで、
何度も泣きそうなった。
ほかのことを考えようとしても、
どうしても馨のあの顔が思い出されて、
何もする気にもなれない。
早速店内に入って、いつもの席に座り、いつもの恋バナ。
結構話して盛り上がってたら、
さりげなく昨日の事を混ぜてみる。
ねぇねぇ、昨日奏さ、寝てた時のこと覚えてる?
「ううん、どうかした?」
え、…覚えてないの?
「なんか、私やらかした?」
馨の肩に頭のせてたことも知らないの?
「ん?…え?ドユコトスカ…?」
そのままなんだけど
「えええええええええええええ
えええええええええええええええええ!!!
なんだそりゃ!きもっっっっっ!」
…え?知らなかったの?
…嘘だよ。絶対知ってる。知らないふりすんな。
だってうち知ってるもん。
奏が意図的にしたことを、分かってること。
ねぇ、分かりますか?
大切なものをとられたときの、悲しさ、苦しさを。
奏はさ、何でも手に入ってるから分かんないんだよ。
私の気持ち、分かったことある?
ごめんね、…とかで片づけられたら許さない。
取り返してみせる。
誰かに譲ってばっかりだと、何も手に入らない。
いつもは、譲ってばかりだけど、こればかりはできない。
だって六年間だよ?そう簡単に諦められるもんじゃない。
嘘…奏、知らなかったの?
行きも帰りも同じことしてたのに。
半分信じてるかのように、聞いてみる。
「え?もっと早く言ってよ!
酔ってると、ホントに分かんないわ!
馨、なーんも言ってくれなかったんだけど!
うわ、ないわ〜…
ごめんね、愛音、今度から気を付けるね!
ホンット申し訳ない!」
ふざけてんの?奏乃。
うちがあんたの言ってること、信じてるとでも思った?
あんたがしてる事も、
思ってることもすべて、私には分かる。
まだ足りてないよ、騙しきれてない。
いつだって、
なんでも自分のモノになるとは思わない方がいい、…。




