ねぇ、愛音、
「おぉーーーーーーーい」
明らかにねむそうだと思う、間抜けな声を上げて愛音を呼ぶ。
それに返事をした愛音の声と顔は、
どこか恨みを持つような、そんな感じ。
まぁ、理由はね、一つだよね、
女の恨みは怖いな、…
あ、やったのはあたしか(笑)
朝九時から呼び出されて、超絶眠い。
昨日は、流石にやばくて、
妄想タイムに入ってたらねるのが遅くなっちゃった。
早速店内に入って、いつもの席に座り、いつもの恋バナ。
結構話して盛り上がってたら、
さりげなく昨日の事を混ぜてきた。
「ねぇねぇ、昨日奏さ、寝てた時のこと覚えてる?」
ううん、どうかした?
「え、…覚えてないの?」
なんか、私やらかした?
「馨の肩に頭のせてたことも知らないの?」
ん?…え?ドユコトスカ…?
「そのままなんだけど」
えええええええええええええ
えええええええええええええええええ!!!
なんだそりゃ!きもっっっっっ!
「…え?知らなかったの?」
…嘘だよ。覚えてる。だってやったのうちだもん。
知ってるよ。
私が意図的にしたことを、知ってることも。
ねぇ、知ってる?
誰かを傷つけても手に入れたいものがあること。
それが今たまたまあんたなだけ。
ごめんね、でも、…譲れない。後戻りもできない。
誰かに譲ってばっかりだと、何も手に入らない。
それを私は知ってるから、私は私のために私がやる。
「嘘…奏、知らなかったの?
行きも帰りも同じことしてたのに。」
半信半疑で聞いてくる。
え?もっと早く言ってよ!
酔ってると、ホントに分かんないわ!
馨、なーんも言ってくれなかったんだけど!
うわ、ないわ〜…
ごめんね、愛音、今度から気を付けるね!
ホンット申し訳ない!
ねぇ、知ってる?愛音。
よっかかった事は、意図的。
でも、酔ってたことも、
馨が言ってくれなかったことも本当。
人を騙す時は、できるだけ真実を混ぜるのが必要なの。
ごめんね、
でもね、あんたが幸せになっちゃいけない。…




