裏の悪
愛音視点で書いてます!
「奏って、好きな人いないの?」
今までに、何度同じことを聞いただろうか。
また来たか、と言いたげな顔をされる。
「いるわけないよ〜(笑)」
ふーん、じゃあ、できたら絶ーっ対愛音に言ってね!
また言葉を濁した。
何回聞いても奏はガードが堅くて駄目だ。
それ以上追求しないからか、逃れられたからか。
安心した顔をして、いつもの空気に戻る。
嘘、本当はいるんでしょ。
貴方は、馨が好きなんでしょ。
私は知ってるの。あなたが嘘ついてること。
…そんなの、奏には言える訳がないけど。
…小1の春、入学式があった。
そこで出会ったのが、馨。
一目惚れだった。
運動神経抜群で、優しく、背が高い。
なんといっても顔が整ってて、超モテる。
いつも言い合って喧嘩ばっかりだけど、
心はどんどんと惹かれていった。
そんな馨には、奏との両思いの噂がたってる。
自分から血の気が引いたのが分かった。
気にしない、訳がない。
奏は、スラッとしてて、運動神経が良くて、可愛い。
そしてモテてる。
認めたくないが、憧れる。
奏と馨は、噂になったって、
本当に両想いだって、ありえない話じゃない。
だが私は、馨を好きになって五年が経つ。
私の方が、ずっと前から馨を知ってた。好きだった。
私が貴方に、負けるわけがない。
そんな事を思ってても、話は途切れない。
最近どう?、君の運命の相手とは?…うん、さっき二時間目にね、馨と授業中に目があったの〜!まじ?!馨ってもしかして…。そんなわけないよ〜(笑)
笑顔の裏には、悪がある。
目が合ったくらいで、嬉しがってるとか、馬鹿みたい。
絶対そう思ってる。
いいじゃない、そんな些細なことで喜んだって。
だってそれくらいの事しかないんだもん。
私の話を真面目に聞いてるふりして、
裏では馬鹿にしてんでしょ。
どーせ貴方は、そういう事がしょっちゅうだから、
それぐらいの事じゃ喜ばない。
そんな人と、馨が両思いだなんて、
認めたくない、認めない。
君の不幸を願う、私です。
「キーンコーンカーンコーン…」
休み時間が終わった。




