表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
57/71

警察VS猿

 凶暴で利口な猿の登場に、山中湖周辺の住民は恐怖した。

 その猿の駆除の為に、地元の猟友会の人達が立ち上がり、捕獲用の箱罠を仕掛ける事にした。

 まずは、猿を何処で見掛けたかの情報を集めた。

 それらの情報を分析すると、彼ら猿達は、“花の都公園”周辺によく出没する事が確認された。

 そこで、花の都公園を中心に箱罠を設置していった。

 ところが設置した罠には野性の猪や、鹿が掛かるだけで、肝心の猿は見向きもしなかった。

 この間も被害は拡大し、その為観光客も激減した。

 子供達も安心して、外で遊ぶ事もできなくなった。

 遂に警察官が大動員され、漸く猿達を花の都公園の明神の滝周辺に追い詰めた。

 この日、花の都公園への一般人の立入りは禁止され、その代わりに捕獲用網を持った制服警官と、警察犬それに猟友会の人達で溢れていた。中には麻酔銃を持つ者もいる。

 また捕獲を最優先するように指示されていたが、どうしても手に負えない場合は射殺しても良しとされていた。

 まずは、明神の滝の背後に広がっている樹林の中に潜んでいるため、そこの捜索から始めた。

 もちろん滝壺へ逃れて来る猿を捕らえる為にそこにも警官が見張っている。

 3匹の捜索が始まって2時間が経過した傾、滝壺に何かが落ちたように感じた。

 突然警犬が騒ぎ出す。

 警察官も、必死になって何者が落ちたのかを確認するため、水面に意識を集中している。

 その時である警察犬が何者かを見つけたのだろう、警察官の手を振り切って、滝壺に飛び込んで行った。

 すると水面から、顔を出した者がいる。

 まさしく、その顔は猿だった。恐らく水中でも呼吸が出来るというミュー太であろう。

 犬が、もう少しで猿の所まで届くという時、再び猿は水中へ潜った。

 その直後、犬は溺れたようにバタツキはじめたのだ。

 ミュー太が水中から犬の足を引っ張っているようだ。

 それを見た警官が、犬を助けようと、滝壺へ飛び込んだ。その右手には警棒を握っている。

 警官は、犬の近くまで行くと、水中で動めく猿に向かって警棒で強く突っついた。

 すると、ミュー太の手が離れて犬は急に元気になって泳ぎ始める。

 警官は、更に警棒を使って執拗にミュー太を追い詰めて行く。

 警官は、水面に浮かび上がったミュー太の顔目がけて警棒を力強く振り降ろす。

 ところが、その警棒をミュー太は手で受け止めたのだ。

 警官は、何とか猿の手をふり払おうと、渾身の力を込めるのだが、ミュー太の力はそれ以上に強い。

 ついに警棒を奪い取られる。

 ミュー太は警棒を振り回し、その警官を逆に追い詰めて行く。

 危険を感じた警官は、犬とともにその場から逃げ出した。

 陸にいた数人の警官は、やむを得ずそのミュー太を殺害しようと拳銃を腰から取り出そうとする。

 だが拳銃が無い。

 驚いた警官達が周囲を見回すと、そこにチェスターコートにソフトハット姿の小男が数丁の拳銃を抱えていた。

 その姿はフー太であろう。

 そのフー太に向かって、警官が走り出す。

 すると突然そこに駐車してあったパトカーが動き出し、そこにいた、警官や猟友会の人達を追いかけ回し始めたのた。

 運転席には、やはりソフトハットを被った男が運転している。ポン太だ。

 一方、ミュー太は、逃げて行く警官に向かって警棒を投げつけた。

 物凄い勢いで警官に向かって飛んで行く。

 警棒が警官の後頭部をまさに直撃しようとした時、何処から現われたのか凄まじいエンジン音とともにバイクが宙を舞い、その前輪で、警棒をはね飛ばした。

 バイクは着地すると同時に、乗っていた男の右手から捕獲用の網が湖にいるミュー太に向かって飛んで行く。

 見事に、その網はミュー太を捕らえた。

 その男、デニムのシャツにジーンズ姿の背の高い男だ。士郎である。

 士郎は、すぐに湖に入り、その網を引き揚げようとする。

 だがそこへ、ポン太の運転するパトカーが突っ込んで来た。

 士郎はパトカーに向かって、クナイを放つ。

 クナイはパトカーのタイヤをパンクさせた。

 制御を失ったパトカーは、士郎の横を半回転しながら滝壺へ向かって進んで行く。そしてついにシブキを上げながら滝壺へ突っ込み、沈んで行く。

 沈み行くパトカーの窓を割ってポン太が飛び出した。

 士郎はニヤっと笑いながら、今度はポン太に向かって網を放とうとする。

 しかし、バサバサという羽音とともに空中から功撃を受けた。

 見ると、それは巨大な羽を広げたフー太であった。

 地面には、フー太の脱ぎ捨てたチェスターコートが落ちている。

 『なに、話しが違うぞ。フー太は飛べない筈だったが?』

 士郎も予想外の反撃に苦戦を強いられた。

 やがて、フー太は素早くポン太の所へ飛んで行き、ポン太を抱えて飛び立った。

 それを見た士郎は、バイクに飛び乗り、フー太を追った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ