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なんでも屋稼業その2 謎の男

 ナミルが、倉庫から出ると、“コロコロ”という音を響かせながら、直径10センチ程の球が転がってきた。その球は青白い光を帯びているが、地球でいうならば、ちょうど赤道部分の所がオレンジ色に光っている。

 ナミルは危険を感じ、その球から遠ざかろうとして、俊足を使って走り出した。更に工場棟の屋根に飛び乗るが、その球もまた宙を舞いながら追いかけてくる。

 仕方なく屋根から飛び降り、工場棟の窓を割って中へ飛び込んだ。

 それでも、球は執拗に追いかけてくる。

 その球がナミルの目の高さまで浮かび上がり、しゃべりだした。

 「お前はナミル。国際犯罪者リストに載っている殺し屋だな! もう逃げられんぞ、観念しろ」

 「なんだと!」、逆上したナミルは腰の剣を抜き取り、この球に切りつけた。

 だが、何の手ごたえもない。

 それどころか、その球は2つに分裂した。

 それを見て、さらに切りかかる。

 球は4つに分裂し、ナミルの周りをくるくると回転し始めた。

 すると、それぞれの球から光線が発せられる。

 ナミルの動きが次第にのろくなる。

 やがて硬直した。

 それを見計らって、光線が止むと、ナミルはその場に崩れ落ちた。

 そこへ、靴音を響かせながらやってきた男がいる。

 「ナミル、国際警察へ引き渡してやるからな!」

 男は右腕の袖を少したくし上げ、更に右手を肩の高さまで上げた。するとナミルを倒した4つの球が1つとなり、次に円筒形の筒に変形すると、その男の右腕にすっぽりとはまった。

 「士郎には気の毒な事をした。それより今はナノマシーンを取り戻されなければならない」

 男は腕時計を見た。そして、腕時計の側面にある黄色いボタンを押す。すると腕時計のディスプレイ画面が切り替わり、レーダーのような画面となる。

 「なるほど、西の方角だな。ドクターめ必ず捕まえてやるからな!」

 男は工場の物陰に置いてあった全長5メートル程の楕円形の乗り物まで来て、捕縛したナミルを放り込んだ。そして男は操縦席に乗り込み起動スイッチを押す。するとこの楕円形の乗り物は、全体が青白く光ると同時に、20センチほどふわりと浮き上がった。

 かすかに、“シュー”という音を響かせながら進みだした。ホバークラフトのようだ。側面にはPとVの文字が綺麗にデザインされている。


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