第十一話 遅刻を作戦、吸收戰の前に
「遅刻を作戦に組み込む?」
空き教室が一つの疑問で埋まった今日4月9日火曜日の中間休み。
「そう、昨日ふと思いついたんだよ。相手と戦っているときにまた正門から遅れて援軍のように朧幽学園の生徒が追加で戦っていく構図を作っていく」
僕が説明をしていくとやがて雲鷺が口を開いた。
「でも、この作戦だと條項に反するんじゃないのか」
「その内容には全員で吸收戰に参加するとしか書かれてないだろう。つまりだ、途中参加もこの場合は可能ということになる」
「それは......屁理屈だな」
「屁理屈でなきゃ生き残れないからな」
そう言って話し合っていた僕と雲鷺をあとに住が「いいんじゃないの?面白そーじゃん」と口を出した。
「確かに條項には同時に参加することなんて書かれてい無いし、向こうの方はまさかそんな作戦を考えていると思ってもいなさそうだし」
「そうだろう。僕はそのことを見越して、遅刻をしようと言ってるのだ」
僕は胸を張ってそう言葉を発していたが、かすかに雲鷺の呆れた声が耳に聞こえたのだった。
「じゃあもう一度作戦を整理する」
先生も先程の話を説明した後、もう一度会議をした。
「最初は学園の特性を活かしながら防御をする。そして、しばらくしてから遅れて全校生徒の1/3(さんぶんのいち)を援軍として、正門から送り込む。この作戦で行く」
先生が説明し、全員に確認を取る。
「僕はこれでいいよ、これで学園が守れれば、何も被害が出なければ」
「.....それでいい」
「その作戦で行こー」
そうして三人の確認も取れたことで、会議は終了した。
今日の6時間目。
そこで、全生徒たちによる2日後に控えている本番に向けての全体練習が始まった。
戦い方を事前に説明したうえで、どの配置にするのかを話し合いを行った。
そこで僕は学園の二階の防衛の指揮にあたっていた。
「ここのバリケードもう少し多くしたほうがいいですか?」
そんな中で、他の生徒に声をかけられた。
「そうだね、もう少し増やそうか。一階にも置けるようにしないとね。ただでさえ、校舎に入ったら目の前に階段がある構造だからね」
「そうですね、一階の方にもバリケードの増築の相談をかけてみます」
こうしてみると、前までの状況がすっかり変わってしまったなと実感してしまった。
憑霊病がなければ、こんな吸收戰みたいな学校同士での戦いなんてなかったかもしれない。
もっと別の未来なんてあったかもしれない。
「今は...こんな事考えてる暇無いよな」
そう言って僕は少しため息を付いた。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
前回までの作戦に、何気ない一言で浮かんできた、新たな作戦。
次回はここでは書かれていなかった、全体練習中の雲鷺と住の様子に、相手校の様子も少し描いていけたらなって思います。
ぜひ楽しみにお待ちしていただけると嬉しいです。




