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第十二話 迫ってくる戦いと、その裏で考える相手校

「それでは、今から、正門から校舎にむけての間に敵の侵入を防ぐための作戦を立てる」

そう言葉を発した俺――雲鷺は、周りにいる20人ちょっとと集まっていた。

視線が一気に俺へと集中する。だけど、表情から読み取れるのは不安と緊張だった。

今年から、学校同士の戦いに巻き込まれる上、正門からの猛攻を防ぐ最前線にいるのだから、当然の心理だ。


「俺達が行う行動は、敵が校舎に侵入するまでの時間稼ぎをする。できそうであれば、あとから来る援軍が来るまで待って、挟み撃ちにする」

俺は、足元にあった枝を拾い、円形の庭の土に小さく、簡単な配置図を描いた。


「まず、ここの部隊は二陣編成とする。吸收戰が始まったとき、第一陣は安易に突撃をするな。あえて、敵をこの庭へ引き込む、全員引き込んだあとに、第二人が正門の左右を閉じて、挟み撃ちにする」

「.......でもさ、数で押し切られそうじゃないか?」

一人が不安そうな声を上げる。俺は静かに、落ち着きが持てるような声で返した。


「真っ向から勝負するとなると、そりゃあ押し切られる。だけど、今回は〘勝利するための戦い〙ではない。〘この学園を守る戦い〙だ。少しでも維真たちに体力を保っていけるように、粘り強く戦っていく必要がある」



「はーい!みんな集まって!これから通称『遅刻組』の作戦会議を始めまーす!」

校庭の真ん中に集まっている。そこにいる10人くらいと自分――住は手を叩きながら声をかけた。

ここの担当になった人はみんな戸惑いやおかしさが混ざっている。そりゃそうさ。

急に〘正門前で戦っている間、自分たちは隠れて待機〙なんて戦い方、まるで、ドッキリの仕掛け人みたいなんだから。


「住さん......本当にこれでいいのかな?雲鷺くんたち、正門で最悪の状態にならないのかな」

不安そうに眉をひそめる女子に、自分は笑って答えた。

「大丈夫だよ!雲鷺はああ見えてすごく頼りになるからね。維真だって、今だって二階で固めてくれてるからね。でも、自分たちの登場が遅れちゃったら、人数不利で、本当にピンチになっちゃう。だからね......」


自分は人差し指を口に当てながら、少しトーンを落とした。

「この作戦の命は『タイミングと派手さ』だよ!」


そう言葉を発した瞬間、みんなが息をのむ。


「相手が『絶対に勝ったな』って油断したときに、それまで学園周辺に隠れていた自分たちが一気に出てくる。『え?!まだ残ってたの!』って相手をパニックにさせるくらい、ノリノリで参戦するよ!」


明るい雰囲気にさっきまでの戸惑いなどは消し去られてみんなの肩が落ちたのか笑い声が聞こえるようになった。重かった空気が、一気に「絶対成功させるぞ」という前向きな熱気に変わっていく。


よし、いい感じ。


(......維真も、無茶な作戦思いつくよね―)


と心のなかで思いつつ、拳お握りしめた。

あの突拍子の屁理屈を、〘逆転劇〙に変えていくのが自分たちの役割。


「さっ、初めにみんなが隠れる場所を決める前にこれを」

自分はそう言って、一人一人に鉢巻はちまきを渡した。

「これってなんですか?」

そう問いかけると自分はまた笑ってこう答えた。


「これで自分たちは味方だよって知らせるんだ。これも自分たちの『大将』維真の発案だからね」

「学園の様子はどうでした?」

そう問いかけた私――若柊わからぎ 零雅れいがは、冷酷な笑みをしていた。


「はい、正門で足止め、その後グラウンドで戦闘を行う作戦のようでした。しかし、人数が少なかったため、本陣は校舎の中にあると思います。その中には校旗も含まれていると思われます」

「そうですか、では数ではこっちが勝っていますね」


学校の勝敗はもちろん質もそうですが、その前にまず数です。圧倒的な数で必ず勝ってみせましょう。


私はまた笑みをこぼした。

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