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私の話  作者: M
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退職と再就職 第二の職業へ

生活を考えこれから先どうしたら良いだろう…

オペ室専属は続けられない…

考えてもお金の事が頭から離れない。

職業安定所に向かってみた。

職種は絞らず金額のみで検索をした。

そうするとブラック企業で有名な大企業が営業事務の求人を出していた。

国家資格はもう持っている。

戻ろうと思えばいつでも医療系に戻れるか…

ブラックと言っても医療現場もじゅうぶんにブラックだ…

現在の医療系よりも営業事務で働けば給料が倍以上になる。

しかも立ち仕事が少ない事務員なら長く続けられるかもしれない。

面接を受けに行って、採用されたら辞める事を会社に伝えれば良いか…

そう思い、履歴書に在職中の旨を記載し郵送した。

後日、書類審査が通り面接を受ける事になった。

面接を受ける為に、新しい会社に向かった。

会社の雰囲気はブラック企業のオーラが出ていたし、支店長が難癖ありと思える人間だという印象を受けた。

後日採用通知が郵送と留守電に入っていたが、医療系以外の知識がない為、本当に務まるのか悩み返事を先延ばしにしていた。

頭によぎる父の声「お前なんか社会に出ても何の役にも立たない」「お前なんかに社会人が務まる訳ない」「役立たず」

悩みに悩みYに伝えた

私「腰を痛めたせいでオペ室から離れないといけなくなった。給料が一気に下がる。生活費を出してくれれば何も問題はないが、出してくれないならブラック企業で有名な会社に転職しないとやっていけない。お願いだから生活費を出して欲しい」

Y「転職したら給料上がるの?」

私「ブラック企業だから働いて実際に給料貰うまでわからないけど、オペ室にいる時と同じぐらい貰えると思う」

Y「転職すれば?」

私「何が何でも生活費は出したくないし、借金返済を押し付けるんだね」

Y「俺は払えないって何回も言わせるな」


私「うちの親には絶対に医療系を辞めた事、秘密に出来る?できないなら転職の話はなかった事になる」

Y「俺は隠し事が苦手だけどMが隠したいなら言わないよ」

私「私には何一つ大事な事言わないで隠すくせに」

Y「毎回結局バレてるんだから隠し事になってないだろ!!」

私「転職の件だけは本当に秘密にしてね。これバレたら本当に別れるから。Yがいなければ転職しないで医療系を続けられるんだから」

Y「わかったって言ってんだろ」

その日のうちに退職願いを作成した。


翌日、先輩達に伝えると「この場所にいると皆同じような理由で続けられなくなるんだよね。体壊さずに働くなんて無理だよね。新しい職場でも頑張ってね」と優しい言葉を頂いた。

再就職先にも連絡し採用を受ける旨を話した。

院長室に行き退職願いを出した。


院長はブチ切れた。

ファイルやシャープペンなどPC以外の机の上に置いてあった物を私に向かって投げつけて

「ここまで育ててやった恩を仇で返しやがって」

「誰が育ててやったと思ってんだ」

「転職活動をしても俺が全部、再就職先を潰してやるからな」

このような事を言い続け、物を投げ続け、制服から露出した肌からペンの先や物の角が刺さり流血していた。

暴力には慣れていたので無言で微動だにせず怒りが落ち着くのを待った。

怒りつかれた院長はようやく1か月後に退職して良いが、退職日まで働くようにと言ってきた。

私「月末からさかのぼって一度も使えていない有給がありますので有給消化にさせて頂きたいと考えております。最終日まで出勤になりますと有給買取をして頂けますか?」

院長は「誰に吹き込まれたか知らねぇが余計な知識ばかり入れやがって。そんな暇があるなら学会資料でも読んでろよ」と更に激高してきたが、最終的には有給消化で話が済んだ。

院長室を出ると数名の先輩が心配そうに院長室のそばで待っていてくれた。

先輩「大丈夫?派手にやられたね。手当するから休憩室に行こう」

私「今まで退職を言った人みんな怪我をさせられているんですか?」

先輩「院長はこんな素晴らしい職場作れて自分凄いって思っているから、退職する人に怒鳴ったりすることで有名なんだよね」

私「結局、辞められたし先輩のアドバイス通りに言ったら有給消化で退職の流れになったので良かったです。ありがとうございます」

先輩「最終日まで働かされて残業もして、有給買取も、してもらえなくて泣き寝入りした人を沢山見てきたから、辞める人には絶対に伝える伝統みたいになってるだけだよ」

私「少なくても先輩のおかげで私は救われました。本当にありがとうございます」


病棟に戻ると、職員全員に私が辞める事は伝わっていた。

一人の雇われ医師が走って近づいてきた。

医師「退職願い提出しちゃった?」

私「はい。さっき提出してきました」

医師「まじかぁ~」と言いガックリと肩を落とした。

先輩「怪我の処置したいので休憩室に移動して貰って良いですか?」

3人で休憩室に移動した。

私「退職願い出したらダメでしたか?」

医師「辞める事を止めたかったんじゃなくて、職場環境改善の為にもMさんの為にも力を貸して欲しかったんだ」

私「今からでもできる事ありますか?辞めるし医療系からも退くので何でもやりますよ?」

医師「もう遅いんだよ」

私「どういう意味ですか?」

医師「院長の考え方とパワハラと恐喝の証拠を押さえたかったんだ」

私「何をするつもりだったんですか?」

医師「ボイスレコーダーと小型カメラを院長室に持ち込んで退職願いを提出して欲しかったんだ」

私「確かに物をぶつけられて、出血もしているし、暴言もあったのでパワハラと傷害は立証できると思いますが、恐喝はされませんでしたよ?欲しかった音声は取れなかったのでは?と思いますが」

医師「新しい就職先の事言われなかったか?」

私「確かに。再就職場所は潰すって言われました」

医師「それは実際に権力を持った院長が言えば恐喝になるんだよ」

私「なるほど…遅かったですね…次に辞める人に期待ですね」

医師「Mさんが協力者になってくれれば、Mさんもパワハラ・傷害・恐喝で訴えられたから、悪い話じゃなかったんだよ」

私「私には裁判とか難しい事はわからないし、弁護士さんを雇う金銭的余裕がなかったので、やっぱり私じゃなかったんですよ」

医師「次に辞める人見つけたら、院長に痛い目を見せてやるわ」

私「お願いします。職場環境が悪すぎます」


医師は肩を落とし業務に戻り、処置が終わった私と先輩も業務に戻った。

帰宅して、体についた無数の傷を見てもYは全く興味が無いようだった。


最終出勤日たくさんのエールと花束などを頂き退職となった。

職員の優しさに過酷な現場ではあったが、温かい人達に恵まれ体を壊さなければ続けたかったと思ってしまうぐらい職員に恵まれたなと思うと同時に私はまた、孤独になる事への不安があった。


転職先は全国に支店があり、海外支社もある大企業だった。

出勤初日~5日間は研修期間。

1日目は会社案内や企業についての勉強会。

2日目~5日目までは営業として先輩と共に営業先を回る事になっていた。

初めての営業、患者ではなく健康な人を相手にする。

優しい営業先もあれば、門前払いをする手厳しい営業先、全てが初めてだった。

私の研修担当に30代女性の営業Sがつく事になり、移動中の車内でたくさん話しをした。

営業は基本的にお客様に合わせる為、昼食時間がバラバラだった。

先輩Sは昼食をいつも外食にしていたらしいが、お金がなくお弁当を持参していた、私に合わせ車内でコンビニ弁当を一緒に食べてくれた。

先輩Sから支店長の性格の悪さ、常に営業部が人材不足で営業事務の求人で入社してきたと思うけど、強く言わないと営業部に配属されてしまう事、3カ月は試用期間だからブラックなのは承知で入社していると思うけど、辞め時は試用期間終了の時だから3カ月後どうするのか考えながら過ごした方が良い事など社内の事をとても丁寧に教えてくれた。

何よりも私の生き方に大きく影響を与えたのは、

人との接し方

を丁寧に教えてくれたことだ。

理不尽に怒っている人と接する時には「相手を否定しない事。まずは肯定し相手は何も間違っていないし共感すると言った内容を話し相手を落ち着かせた後に、こちらの譲れない部分を伝える」などトーク力がなく人とのコミュニケーションを上手くできない私には勉強になる事ばかりだった。

私の事を妹のようにとても可愛がってくれて、世間知らずな私を咎める事は決してせず、考え方や言動をとても丁寧に教えてくれた。

私はこの先輩Sが大好きだった。

研修期間が終わり、支店長から営業事務をやるには営業を知ってからじゃないとできない為、最初は営業部に入ってもらうと先輩が言っていた通りの展開になった。

私「期間はいつまでですか?」

支店長「3カ月は営業部にいて貰う」

私「わかりました」

そうして営業としての人生が始まった。


支店長は毎朝、何もしないのに一番乗りで出社し、全員の出勤時間を監視していた。

前職で新人は一番早く出勤し、業務開始前の職場環境を整えるのが当たり前だった癖が抜けず、私は2番目に出勤し、指示はされていないがお客様用の飲み物や、社員用のコーヒーを用意したりしていた。

支店長はある日、私の出勤時間の速さを褒めた。

支店長「やる気がある人は朝早く来る。Mさんは毎日早く来て、自分で考えて行動をしているから好感度が良いよ」

私「ありがとうございます。出勤時間は決まっているので、遅刻していない以上他の社員もやる気が無い訳ではないと思います」

支店長「やる気は行動に出るから俺は間違った事は言わないんだよ」

私「そうなんですね」


支店長の嫌われ方は異常だった。

社員全員が人として終わっている。

早く転勤していなくなればいいのに。

そんな言葉が毎日何度も聞こえてきた。

支店長は偉そうな態度だけではなく、社員に対して人格否定をし、男女関係なく暴力をふるう人で、社員が上げた功績は自分の功績として本社に提出し、他人の力で支店長になり、不都合が起きると社員の名前を使って始末書を提出し、社員に押し付ける、そんな人だった。

もちろん統率力も下からの信頼もなく、お客様からも支店長何様なんだよ。生意気。社員は好きだが支店長が気に入らないとクレームが入る程だった。

社員の1人は明言を残した。

社員O「人に嫌われるのも才能」

自分に自信がなく否定されて育った私は、この言葉は私にも当てはまると思った。

私「私にもその才能あると思います。不快にさせてしまったらすぐに注意をしてください」

社員Oは大爆笑しながら「俺が言っているのは支店長の事だよ。Mさんは当てはまらないよ。言葉の意味は100人いたら100人に好かれるのは無理でしょ?でも支店長は100人いたら100人に嫌われる事が出来るって事。100%の数字を出せる人間は才能の持ち主って事だよ。実は俺、この会社に入ったの支店長に誘われたからなんだよ。前の職場の上司が今の支店長なの。前の職場でも役職が就くと傲慢な態度になって下の社員を見下して上の社員にはペコペコして、下からも上からも嫌われていたんだよ。結局嫌われすぎて、今の職場に転職して、営業が足りないって事で俺が呼ばれてきたんだよ」

私「なんでOさんは嫌っている人の下にまた就職しようと思ったんですか?」

O「俺は支店長のあしらい方をわかっているから、俺がいた方が他の人が楽になると思って来たんだよ。俺は支店長の言葉なんて聞き流せるし、何を言われても聞かないし、俺の性格も支店長はわかっているから俺には強く出れないしね」

私「Oさんって強い人ですね。尊敬します。私も負けないで頑張ります」


担当だった営業Sさんのおかげもあり、営業という仕事はとても楽しかった。

辛い事も多かったが、教えて貰った通りに営業し、笑顔で談笑する時間が増えていった。


ある時、会社に戻ると営業Sさんが店長に呼び出され奥の応接間で1時間以上詰められていた。

とても心配だった。

先輩Sさんには心を育てて貰った恩がある。

力になりたい。

だが、新人の私は父が言う通り役立たずだった。

泣きながら先輩Sが出てきて、時間がたち落ち着いた頃、先輩から愚痴聞いてと言って貰え、ひたすら何が起きたのか、なぜこうなったのかを聞いた。

私は聞くだけで、励ます言葉も力になれる事も出来なかった。

そんな自分がもっと嫌いになった。

先輩Sは話しを聞いてくれただけで、ありがたいよ。後輩に愚痴なんて言ってごめんねと言ってきた。

私は、私に言ってくれてありがとうございます。話しを聞く事しか出来ず申し訳ございません。と言った。


初めての給料日、度肝を抜かれた。

借金返済:10万以上

に変更しても20万以上貯金にまわせる金額だったのだ。


試用期間が2カ月過ぎ、後数週間で3カ月となった時、地元に戻りたいのを理由に本社から営業事務として女性社員OHが転勤してきたのだ。


朝礼で説明と挨拶があり、私は営業事務の人数を埋められてしまった事に絶望した。

営業も楽しいが、長距離運転もある。

現状の腰では長く続けられるかわからない。

精密検査をしていないが、心疾患を抱えていれば、運転は避けたい…

どうしよう…


3カ月で契約終了


が頭をよぎる。

だが、私は借金返済を押し付け、生活費を出さず自分勝手に生活をしている、お荷物を抱えている状況だ…

さらに、貧血・喘息・アレルギー・腰と不安を抱えている人間だ。

健康な人間ではない。

再就職が決まるかなんてわからない。

再就職できたとしても立ち仕事を除外したら、給料は下がる事は必然だ。

また父の言葉がよぎる「お前なんか誰からも必要とされない」


気持ちが沈んだまま業務が始まる。

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