↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子の婚約者だったクロエ、第二の物語は冒険者です  作者: もち
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/102

第9話 事件の匂いと心配

今回少し長いです…!


 ――人身売買。それは、幼い子供を攫い貴族などに売り飛ばし、酷ければ奴隷という扱いも受けてしまう極悪非道の行為のことだ。人身売買は全王国が厳禁している。捕まれば無期懲役にまで上がるというのを本などの知識で知っていた。


 でも、私はあの光景が人身売買と確証したのは……あの女の目の動き、行動、仕草、全ての行為が警戒や危険を隠そうとする時に出る行動、なにより手首を縛られ瞳に光がない子供は、まるで昔の私のようだった。


 私は気づけば体が勝手に動き、女と子供が入った路地裏へと向かっていた。ゼファーの声が聞こえないほどに……。





★★★★★★





 路地裏の壁越しから息を殺し、そっと覗くと体格のいい男が一人、さっきの女が一人、子供が一人……辺りを見回すも誰もいない。確認で探知《フレイ》を使うが誰もいなかった。



(……どうするのが正解なの?)

(本当は今すぐにでも動きたい、でも)



 そんなふうに思っていた時――、背後から人の気配がし、即座に振り向くとゼファーが隣にいた。私は驚きで目を見開くもすぐさま冷静になりゼファーに伝える。



「今、人身売買の現場を目撃してここがそれが行われてる場所なの」



 私が真剣な目で小声で伝えるも、ゼファーは顔はしかめていたが、気にせずゼファーに伝える。



「私は大丈夫です。ゼファーは騎士の人を連れてきて?」



 そう伝えたが、ゼファーは目を見開き私の肩をガッ!と掴んで小声で言った。



「バカなのか!?クロエ一人で行かせるなんて…!!」



 そんなことをゼファーが言ってくれたが、今は後処理をする人が欲しい。私はゼファーになぜそうするのかを伝えると、納得したようなしてないような顔をするゼファーに最後に伝える。



「大丈夫、下手な真似はしないわ」



 私はゼファーの背中を押し早く行けと伝えると意図がわかったゼファーは顔をしかめながらもすぐにこの場から離れたその時だった――、ドガッ!何かを蹴る音が路地裏に響き渡り慌てて覗けば攫われた子供が女と男に蹴られていた。



(………あー、もう。我慢の限界)




 私はその後、飛行《フィリア》を唱え三人から見えない空へと飛び、狙える位置から拘束魔法の応用……拘束銃《ギィート》を無詠唱で順に放つと見事命中した。

 そして身動きが取れなくなった二人の元に向かうと、青ざめた顔をしては顔を逸らす様子に心の奥から憎悪が煮えたぎってくる。

 私は飛行《フィリア》を解き、地に足をつけ表情がない顔で拘束された男たちに告げた。



「……人身売買、しましたよね?」



 その瞬間――、男と女の目が泳いだ。カマをかけて見たが、その仕草に私は確信した……この外道らは人身売買をしていた。



(……不愉快極まりない行動に胸が焼けるようで気持ち悪い)

(こいつらを一発殴り返したい……!)



 そう思うがグッと堪え、笑顔で終わりを告げる。



「この魔法は簡単には解けませんの」

「自白しない限りは、ね?」



 そう告げた瞬間、ゼファーが騎士の人を連れて来たのを見つけ、私はそいつらを受け渡す際に騎士の方へ笑顔で事情説明と魔法の解く方法を告げた。



「なにからなにまでありがとうございます!!」



 騎士の方は敬礼をし、子供とその場を去る際に私は幼い子供の手を握り、屈んで言う。



「大丈夫よ。君の未来は明るい」

「今が辛くてもきっと信じられる人があらわれるわ」

「これから先、楽しい未来が待ってる」

「頑張ってね」



 優しく、警戒を解くように……そう笑顔でその子に伝えると涙を浮かべながら笑い、頷いた。

 その後、騎士の方がその子を連れていき、この場には私とゼファーだけか残った。




「……ゼファー。ありがとう」



 私は去っていく馬車を眺めながらゼファーに伝えるが返事は無い。視線を馬車からズラすと、ゼファーは泣きそうな瞳を私に向けていた。




「……強いからって大丈夫とか言うなよ」

「どれだけ、どれだけ俺が心配したと思ったんだよ!!」



 ゼファーは心から叫ぶように私をじっ……とみながらそう言った。



(……考えたことがなかった、誰かに心配されることなんて)

(私は強くならなきゃ自分やシルも守れなかった)



 私は誰かが心配してくれることに胸がじんわりと熱くなると同時に、罪悪感が増してきてゼファーに謝る。



「ごめんなさい」




涙をこらえるのに必死で、俯きながら言うとゼファーは優しい声色で私に伝えた。



「……ほんと、無茶だけはしないでくれよ」

「心臓止まるかと思ったわ」

「……でもよく頑張ったな」

「明日から冒険者の初依頼だろ?」

「今日は宿でゆっくり休め」



 そう言ったゼファーはその後、何も言わず宿まで一緒に来てくれて、笑顔でこの場を去った。



(……頑張ったのか、私は)



 なぜかゼファーの声が心に反復するように住み着き離れないのに少しだけ心地がいい。



(今日はもう休もう、明日に備えて)



 ――クロエの感情はまだモヤで隠れてるが、いずれ知るようになるのをこの時のクロエはまだ知らない。




★★★★★★




 ――時はさかのぼり。クロエが人身売買を見つけ問いただしていたところ、ローブを纏いながら屋根の上に座り、その光景を見ていた者がいた。



「うわぁ、せっかく練った計画台無しじゃん」

「……ん?待てよ」

「あの容姿って、たしか……!」



 そう、嬉々とした声色から一変し今度はダルそうにその者はつぶやく。



「うげ、めんどくさ……」

「主《あるじ》が探してた人と同じじゃん」

「……あそこに行くのめんどよぉ」



 気だるげそうに行ったその者は座っていた姿から指をパチン!と鳴らし気づけばその場からいなくなっていた。




ここまでの読了お疲れ様でした!

読んでくださり本当にありがたいかぎりです。「こういうキャラ好き!」「この展開アツかった!」などなど……、どんな感想でも大歓迎ですのでもしよければ一言だけでも構いません。気軽に感想やコメントしていただけると作者兼読者としても飛び上がるほど嬉しいです!!


それと強制ではないのですがよかったらブックマークや下の評価、いいねなど押していただくと助かります!無理にとは言わないのでご安心を……閲覧してくださることに意味がありますので気ままに見てくださると嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 もちさん、こんにちは。 「「王子の"元"婚約者だった私。追放された先で楽しく冒険者をします! 第9話 事件の匂いと心配」拝読致しました。  こんな街中で人身売買。子供、もっと助けてと騒げばいいので…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。