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王子の婚約者だったクロエ、第二の物語は冒険者です  作者: もち
第1章

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第6話 ギルドのあたたかさ


 かすかに手が震えるなか、私はシオンさんについていくと「ギルド長室」と名札のある扉に手を掛け、ガチャリと開けたシオンさんは笑って私に言う。



「少しだけソファに座って待っててくれ、すぐ戻るから」

「……わかりました」



 私が頷くとシオンさんは扉を閉め、静かな部屋のソファに腰を掛ける。



(私は気付かぬうちになにかしてしまったのかしら?)

(なぜ、私はこの部屋にいるのかわからない……)

 


 不安と焦りで思考が上手くまとまらず、段々と呼吸が乱れていくのがわかった私は深く息を吸って吐くのを繰り返す。



「大丈夫」

「私なら、大丈夫だから……」



 自分に言い聞かせるように目を閉じ拳を握りしめながら深く呼吸を整わせると数分が経っていた。



「……よし、もう平気だわ」



 そう呟いた頃、扉がガチャリと開きそちらに視線を向けるとゼファーと話してた小柄なシオンさん似の男性とシオンさん、そしてゼファーがそこにはいた。私は不安な態度は出さず、鍛えられた淑女の笑みでソファから立ち上がり目の前にいる三人へと頭を下げた。



「申し訳ありません、私情が絡んでしまい勝手な真似をしてしまいました」



 私は深々と頭を下げると、なぜか笑い声が上から聞こえ少しだけ頭を上げるとシオンさんとゼファーは大笑いしてはおかしそうに言った。



「クロエ、お前……そんな事で謝るなよ!」

「悪いのはアイツなんだからさ?」

「クロエが謝る必要は無いのは明確だ」

「むしろあのクソ野郎……最近あーゆう手口で金品を盗ろうとしてたらしく証拠がなく調べてたとこだったから、クロエが捕えてくれて助かったのだからな!」



 シオンさんの堅苦しい雰囲気や警戒心は無く、けらけらと笑いながら言う様子に私はポカンとした表情で顔を上げた時、その隣にいる男性が二人に視線を向けてはため息を吐き、眉間にシワを寄せながら私に名を告げ話し出す。



「僕の姉がすみません、不安にさせてしまったでしょう」

「僕の名前はリヒトと言います、このギルドの受付係をやっておりゼファーや姉とは幼馴染なんです」

「クロエさんの名前はゼファーから聞いたので知ってるだけですよ」



 苦笑混じりな笑顔で私に告げたリヒトさん、その様子に少し驚くが私はすぐにさっきまでの変な緊張は解け、笑みを零しながらリヒトさんに伝える。



「そうでしたのね、ありがとうございます」



 私は安堵で胸を撫で下ろすと、さっきまで大笑いしていたゼファーとシオンさんはいつの間にかソファに座っていたのに私は慌ててソファに座ると、シオンさんは私の瞳を見ながら話し出した。



「クロエ、きみはかなり聡明なゆえ魔法の才も人よりずば抜けているね?」

「……それに、無詠唱魔法を使えるなんてこの国では十人も満たない」

「その意味、クロエはわかるかい?」



 ゴクリと唾を飲み込みながら真剣な瞳をするシオンさんを私は見つめながら告げる。



「えぇ」

「分かるとされると危険にさらされる……ですよね?」

「その通りだ」

「この国は基本平和だが変な輩もいるのも事実、無詠唱とわかればまともなヤツらは近づかないのだが……さっきみたいなバカなヤツらは近づいてくる」

「人によっては命の危機に晒されることもある……」

「それでだクロエ」



 真剣な瞳から笑顔に変わったシオンさんは私の手を握りながらとんでもないことを言った。



「同じく無詠唱で魔法を駆使し、剣も使えるゼファーとパーティーを組むのはどうだ?」

「女一人だと例え魔法があっても不便なこともあるだろうし、なにより危機に晒されにくくなる」



 さらっと凄いことを告げたシオンさんに私は隣にいるゼファーを見ると困った表情をしたゼファーは私に言う。



「俺とのパーティーは……その、いやか?」



 その時……さっき見た切なげな表情で私をゼファーは見ていた。



(……ほんとは会ったばかりの人なんて信用できない)

(でも、なんでか私は彼を知りたいと思ってしまう)

(なぜ十四で冒険者になって、シオンさんやリヒトさんとも仲が良いのか)


 私は初めての感情に戸惑うが、もう少しだけいたいと思い笑顔で了承するとほっとした笑顔をゼファーはしてた。その様子を見ていたシオンさんは笑って私たちに言う。



「それじゃあ決まりだな!」

「リヒト、クロエのギルド登録とゼファーが言ってたパーティー名で登録してくれ」



 シオンさんがリヒトさんに振り向いて言うと、リヒトさんは頷き部屋から出て行った。



(……パーティー名って本当に存在するのね)

(恐らく強いと思うゼファーと一緒に冒険者をできるなんて)



 さっきまでの震えは消え不安は残るが、なぜか安心してしまう自分がいた。



「んじゃ、できるまで時間かかるから」

「ゼファー、ギルド内を案内してくれよ?」



 ニカッと笑って言うシオンさんに、警戒心が強い私は何故か心が溶かされるのを感じていた。



(……恐らくこのギルドはいい人が多いのだろうけど、変なの人がいることはどこの国にも変わらないのね)



 そんなことを思いながらそ私はゼファーと部屋出てからギルド内を案内された。





ここまでの読了お疲れ様でした!

読んでくださり本当にありがたいかぎりです。「こういうキャラ好き!」「この展開アツかった!」などなど……、どんな感想でも大歓迎ですのでもしよければ一言だけでも構いません。気軽に感想やコメントしていただけると作者兼読者としても飛び上がるほど嬉しいです!!


それと強制ではないのですがよかったらブックマークや下の評価、いいねなど押していただくと助かります!無理にとは言わないのでご安心を……閲覧してくださることに意味がありますので気ままに見てくださると嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いいたします。


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 もちさん、こんにちは。 「「王子の"元"婚約者だった私。追放された先で楽しく冒険者をします! 第6話 ギルドのあたたかさ」拝読致しました。  何で呼び出されたんだろう?  なんで私の名前を知ってい…
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