第5話 クロエの魔法は怒りと共に
今回長いです…!!
賑やかな露店を通り過ぎ、少し奥まったところには横にも縦にも広い建物があり、私は思わず足を止めてしまう。
(……こんなに大きなギルドだったのね)
私は辺りをキョロキョロと見渡してると、隣にいるゼファーがクスッと笑った。私は少し上にあるゼファーの顔にじろりと視線を向けると、なぜかゼファーはさっきと似たような表情で私を見て肩を震わせては私に言った。
「クロエは反応が新鮮で面白いな」
「っ、すみません」
「なんで謝るんだよ、謝るとこじゃないだろ?」
「……」
そう、不思議そうに言うゼファーの返しになぜか心の奥がじんわりしてしは心臓がバクバクと波打ってしまうのを見てないふりをし、視線を逸らしゼファーに言う。
「……初めてこの目で噂のギルドを見ましたの」
「とても嬉しくて、その舞いあがってしまいましたわ」
「噂?」
「いえ、ひとりごとですわ」
「ふーん?」
ゼファーは不思議そうな顔で聞いてきたのに、それ以上のことは聞いてこなかった。それに私は少しの安心を覚え安堵していたら、ゼファーは私の顔を覗き込んで二カッとした笑顔で言う。
「俺は気にしてないから好きなようにしてくれよ?」
「むしろクロエがこのギルドに興味を示してくれて、俺は嬉しかったぜ!」
予想外の言葉に私の警戒心が段々と解かれてゆくのを感じていて、」私はわざと視線を逸らす。――さっき出会ったばかりだというよそ者の私に、なぜそこまで優しくできるのか疑問でおかしかった。でもゼファーはいい人の部類に入るのだとなんとなく思いながら、ゼファーはさっきのことを気にせず話し始める。
「ちなみにこのジャスパーギルドは国の全ギルドを束ねてるんだぜ?」
「俺はこのギルドで十四から冒険者を始めたから……今年で二十になるな」
「クロエは今年でいくつになるんだ?」
「……って、女の子に年齢聞くのは野暮か」
そう、笑って言うゼファーの表情はところどころ切なげな視線をどこかに向けながら私に教えてくれた。――交易が盛んでギルドを束ねてるのはかなり前に調べた時に知っていた……けど、冒険者になれるのは十五からと決まってる。それなのにゼファーは十四で冒険者になってるのが私は不思議に思ってしまう。でも深堀りするのはよくないと思った私は割り切り、気遣ってくれるゼファーに年齢を答える。
「十七ですわ」
「え、若いな!」
私がゼファーに微笑みながら告げると、ゼファーは目を細めながら言ってギルドの扉に手をかけ開いた。
★★★★★★
ギルドに入ると、活気あふれる雰囲気に人種問わず人で溢れかえっては魔法師や剣士、弓使いに白魔導師などが複数のテーブルで話したり、または壁に貼ってある依頼書を仲間と見てたりとするのに、私の胸の鼓動が早くなていく。
(……すごいわ、実際に見て判断するのがいいと思ったけど)
(これは予想外だわ)
(施設の広さと設備に色んな冒険者がいるという事実が、ここにあったわ)
そんな私は辺りを目を輝かせ見渡していたところ、ゼファーが小柄な男性の受付係に声をかけてるのを見たのに、自分がまた立ち尽くしていたことに気づき、小走りでゼファーの元へと向かうと、ドンっ!と誰かが私の肩にぶつかっては大げさな声を出してきた。
「ったぁ!?うわ、骨いったかも!!」
「……」
私に対してへらへらしながら肩を抑えるガタイのいい坊主頭の男に無言で見ていると男は一瞬だけニヤリと口角を上げ、今度は声を荒げて言った。
「あ?んだその目は、お前のせいで腕やっちまったんだよ!!」
「どうしてくれんだよ!!」
そう肩を抑えながら言う男を私はじっと見ていたら男はしびれを切らし、抑えてた肩から手を放し勢いよく私の胸ぐらを掴んではまた声を荒げる。
「おいっ、なんか言えよ!!」
「こっちはけが人なんだよ!?」
私は胸ぐらを掴まれ少し苦しい中どうしようかと思ていたところ……男は手を離して今度は私がつけてるネックレスに視線を向けてはにやりと笑い言う。
「その金になりそうなネックレスをくれるなら今回のことはチャラにするぜ?」
その瞬間、私の脳裏に一人がよぎった。
「クロエ!俺の腕輪を壊したのお前だろ!?弁償しろ!!」
「クロエは俺以外の者と遊ぶな!!」
「クロエは俺のモノなんだから場をわきまえろ!」
「なんでアル《あいつ》に会ったんだ!?会うなと何度言えばわかるんだ!!」
「クロエの義弟はお前みたいで気味が悪い、お前は俺のモノなのになぜ義弟を優先するのだ!」
(……あぁ、なるほど)
(この既視感はあいつと似ているからか)
(こんなゴミ以下のヤツがまだ存在するのね)
思考が段々と冷めていくのを感じ、全身から血の気が引くような感覚になっていくのがふつふつとわかる。――恐らく私の顔は相当酷いのだろう。
けど、こいつは何も言わない私に了承と受け取ったのか……ネックレスに手をつけた瞬間、私はシルの記憶がよぎる。
「姉さんの誕生日プレゼントは僕とお揃いのネックレスなんだ!なくさないでよ?」
初めて家族として祝ってくれたのがシルだったのに、なぜかシルはドヤ顔をしてプレゼンをくれた思い出もある、この大事で大切なものをゴミ以下のヤツに狙われたことに、私は憎悪と怒りが全身にめぐり隠してた無詠唱を使い特殊魔法、拘束で男の手と全身をすぐさま拘束した。
「な、なにすんだっ!?!」
男は暴れそうになるが私の魔法はそう簡単に解けやしないし、ざわめく人だかりに噂声がかすかに聞こえるが今の私には雑音でしかない。
「ねぇ、あなた」
「本当は腕なんて怪我してないわよね?」
私の声に辺りは静かになっては男は顔を逸らし黙り込む、。
「嘘をついてまでお金になるものを取ろうなんて……冒険者としてどうなのかしら」
私は男に近づき憎悪にまみれた瞳と笑顔で見つめると、男は怯えるような表情をしてるが、それでも気がすまず追い詰めるように男に言う。
「私の大事なものに手を出そうとしたのは重罪なの」
「だからあなたには本当のことを教えてあげる」
私は唇に人差し指をあてニヤリと笑い続けて男に言う。
「ゼフィール王国は人の物を奪うと窃盗罪という罪で捕まることをご存知で?奪う行為や未遂も該当するのよ」
「それと、虚言を吐いて相手から物をだまし取ることは詐欺罪にあたりますわ」
そうにっこりと笑顔で私が告げると男はブルブルと震え始め、何も言えなくなってしまった。そんな時、拍手をしながら近づいてく深緑髪に黒の瞳をした、私より一回り歳上女性がコツコツと靴音を鳴らしながら私の近くに来て肩をたたき言った。
「いやぁ、圧巻だった」
「クロエはすごいな!」
「……え?」
私は我に返り、辺りを見回すと驚きの視線でこちらを見ていた。
(……そうよね、無詠唱なんて本来使えないものよね)
(ん?それにしても、この女性はなぜ私の名前を知っているのかしら?)
(服装から見てギルドの人だとわかるけど)
私が警戒していたところ、女性がパチンっ!と手を叩き大声でこの場のいる人たちに高らかに告げた。
「皆様、この者は騎士団に預け渡すのでご安心ください!」
「各々いつものように戻って大丈夫ですよー!!」
女性がそう辺りに告げると、さっきまで私たちの周りにいた人たちは依頼書やテーブルに戻っていったのをポカンと呆けて私は見ていると、女性が私に名を告げた。
「このジャスパーギルドの責任者をしているシオンという」
「クロエのことは別室で話を聞きたい、少し時間をくれないか?」
シオンと名乗った女性は優しく笑うがそのまとう雰囲気は少しの警戒心が混ざっていた。
(……やらかした)
心は不安な感情がいっぱいだけど鍛えられた淑女の笑みで了承し、私はシオンさんの後ろをついて行く。
ここまでの読了お疲れ様でした!
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