第3話 家との決別
ドンッ!という音が部屋に鳴り響いては、父である公爵が私を怒鳴るように言い放った。
「婚約破棄とは何事だっ!?」
そう落ち着かない様子で言う公爵に私は状況を察してしまう。
(……私付きの監視がクソ親父に知らせたのか、ほんとゴミ)
(私はあんたの道具じゃない、1人の人間だ!)
心の奥から煮えたぎる憎悪と怒りが喉元までこみ上げるが、笑顔を貼り付けクソ親父に告げる。
「何事と何も……侍女から聞いたのでしょう?」
「それが全てですわ、起きたことは替えが効きませんの」
私はため息を吐きながらわざとらしく言うと、公爵は顔を赤らめては言う。
「お前は私が父親なのをわかっていっているのか?」
「絶対に逆らうことは許されない道具なのだから、口答えするなと何度も言っているだろ!」
そう言って、私に襲い掛かって来ようとする公爵に私は初めて物理で反抗する。
モノを持って襲いかかろうとする公爵の足元へと即座にかがみ、その勢いのまま足に忍び込ませたクナイを取り出しながら公爵の背後に回っては公爵の首にクナイを突き付けて憎悪にまみれた声で言う。
「私は一度も貴方のことを父親だなんて思ったことはありません」
「道具でしか私とシルを見てない貴方は公爵の名にふさわしくないですわ」
グッ!と憎悪を込めた瞳でクナイをさらに首へ近づけると、こいつは震えで黙り込んでしまうのに私は続けて言う。
「死にたくなければ……これから先の私に干渉しないでくださいます?」
「私は無能なので、この公爵家から出て行きますわ」
「もし、このことをどなたかに話したのであれば」
その瞬間、私は刃先が首にかかるくらいまで近づけ言う。
「命はないと思ってくださいね?」
その時、公爵はあまりの私の豹変ぶりに意識を失ってはその場に倒れ込んだ。私はそれを見てから口角が上がりそうになるの必死にを抑え部屋に鍵を閉め、近くに鍵を置き執務室から出た。
それから私はシルの部屋へと向かった。
シルの部屋に入ると昔と変わらない安心感がこみ上げ、ふいに笑みが零れるのを抱きながらシルの机に事前に用意していた手紙をシルにしか分からない魔法を唱え置く。
「隠蔽鍵」
その瞬間、小さな風と眩い光がふわりと手紙を隠しカチッと音を鳴らしては元いた机の位置へと戻った。
「スピルキー」は風、光、氷魔法を融合させた特殊魔法で私が生み出した魔法のひとつだけど、難点はシルにしか見えない魔法なこと。
私はその後シルの部屋を後にし、自室へと戻った私は窓辺からさす夜月に照らされながら自分で買った物を全て無限収納に入れながらつぶやく。
「んふ、やっとだわ」
やっと「冒険者」という自由な職業に一歩近づけると思うと頬が上がるのを感じる。
(……でも今は気にしない、なんせ私はこれから自由なのだから)
魔法と剣の鍛錬は幼い頃からしていたし、自分とシルを守るために頑張っていた。それでも上達したいと思っていた頃に「冒険者という職業」を見かけ、私はそれをきっかけにさらに努力を続けた。
「……よしっと、これで隣国へと行けるわ!」
私は持っていた荷物を全て無限収納に入れ終わり、自室の窓を開け魔法を唱える。
「飛行!」
風魔法の応用、浮遊魔法を唱えては窓から飛び降りると全身に魔法が纏われ空高く進んだ。私は今まで溜めて、我慢してきた想いを堪えないで済むとわかり、心が踊るのを感じては思いっきり叫んだ。
「これからは自由だわ!」
心から笑える笑顔で空を見上げると、さっきまで雲で隠れてた夜月が明るく照らしまるで私を応援してくれてるようだった。
(……これからが私の第二の人生の始まり!)
心でそう思いながら、ゼフィール王国の冒険者への道を自分の手で掴もうと拳を握りしめ、空を飛びながらゼフィール王国へと向かった。
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