第93話 ロコの想い
すみません、昨日投稿し忘れたので今日投稿しました!
学園が夏休みに入ってすぐのことだった。
あたくし、ロコ・サティーニャは帰りたくもない実家に帰省していた頃、このだだっ広い自室にあたくしが好きでもない物が帰ってきてからまた増えていた。
(……ほんと、嫌がらせかしら?)
あたくしは帰ってからすぐ自室の片付けに取りかかるが、メイドたちに指示をするも誰一人あたくしの話を聞かずにいた。
(あんたら、金払ってんだから働けよ!)
ぐつぐつと煮えたぎり憎悪にあたくしは懲りないメイドらにいつも以上の高度な風魔法を唱え宙を覆う魔法を手のひらで浮かび上がらせメイドたちに告げる。
「あたくしの指示を聞かない……ということは、八つ裂きにされたいのかしら?」
「あたくしの自室はお兄様方の物置部屋ではないのを何回言えばわかるのです?」
「次はないと思いなさい」
いつも以上に声を低く憎悪を隠しきれない顔で伝えると、メイドたちは青ざめ……すぐに私の指示を聞き片付けをした。
(……ほんと、嫌い)
思わず中指を立てそうになるのを我慢していたところ、部屋の扉が開き父であるサティーニャ侯爵が入って来た。
「久々だね、ロコ」
「聞いたよ。ラヴィア様と仲がいいんだって?」
「さすがロコは我が家の血筋だね」
「息子たちとは違う、最強の魔法使いだ」
「戦績も成績もいいと聞いたよ」
「あのガードが固いラヴィア様を懐柔するなんて、なかなかやるじゃないか」
べらべらと上っ面の笑顔で言う侯爵に、あたくしは顔を顰めそうになるが必死に堪える。
(……ラヴィア様の何がわかるの?あんたみたいな肩書きや結果だけしか見ない貴族ら、ほんと死ねばいい)
そんなことを心で思っては話を聞き流していたら、侯爵はあたくしの様子に気づいたのか今度は説教が始まり、上の空であたくしは話を聞いた。
★★★★★★
説教が終わり、侯爵が自室を出てメイドも居なくなった時……リヴィア様から頂いた魔道具のイヤリングが光り言伝が聞こえた。
「ラヴィアが行方不明になった」
「この言伝を聞いてる者のみラヴィアの救助要請や証言を求めるため、王宮へただちに来てほしい」
(え……?)
そう、聞こえたあたくしは胸の奥が酷く冷えるのが感じた。でもそれどころではないため慌てて王宮へと向かった。
それからあたくしと一部の方々はリヴィア様の指示でラヴィア様の行方を捜索していた……でも、行方はわからないでいた。
★★★★★★
紅い月が照らす夜、リヴィア様からの言伝が新たに入った。
「ラヴィアが無事帰宅し、今は眠りについてる」
「事の詳細は明日伝えるため、これを聞いてる者は明日の夕刻に王宮へ来て欲しい」
その言伝を聞いた時、あたくしは身体の力がふいに抜け、安堵で涙が溢れて止まらなかった。
「よか、った……」
あたくしは声を殺しながら誰もいないこの部屋で泣きながら自分の胸を抱きしめた。
――ただ、この時のあたくしは知らなかった……ラヴィア様が昔のように人を怖くなってしまったこと、そしてあたくしに対しても怖がるようになってしまった事実を目の当たりすることになると。
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