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第10話 子供の正体はまさかの──!?



次の日の朝───



昨日のことが脳裏によぎりなかなか寝付けないでいたが、ゼファーと街探索をした時に買った冒険者用の装備と服を思い出し、すぐさま着替えた。


私は水鏡ウォーミィを唱えると、渦を巻いた氷と水がカチ─と姿見の形状へと変わりそこには私が映っていた。水鏡ウォーミィは氷・水魔法を複合させた特殊魔法で私が独学で学んで、身につけた魔法の一つでもある。



鏡の中には貴族令嬢の姿はなく、冒険者の姿になっている私だった。…いつものポニーテール、首からはシルに貰ったネックレス、上は藍色のTシャツにあさぎ色で短めのカーディガン、薄茶の動きやすいズボン。そして斜めがけのカバンには無限収納ルーツボックスへと繋がる魔法を架けてある。




……そっか、私。やっと冒険者になれたのか




胸の奥からふつふつと嬉しさが込み上げてくるのがわかった私は、水鏡ウォーミィを解いたあとパチン─!と両頬を叩いた。



「もう、私はクロエ・スティードじゃないわ。冒険者のクロエなのだから!」




言葉に出した。心が軽い、楽しみで仕方がない。……そんな感情ばかりが込み上げるが、時間がないことに気づき私は急いでギルドへ向かった。






★★★★★★





ギルドに着くと既にゼファーがいて、心が少し安心するのがわかった。……この感情がなにかはわからないけど、今は依頼の方を勧めたい!私はゼファーの元に行くとゼファーも私に気づき、近くまで来てくれた。




「よっ!…急で悪いんだけど、シオンがギルド長室にクロエも連れて来いってうるさくてさ。依頼前に一緒に来てくれないか?」




不満げそうな顔をしながら言うゼファーになぜか笑みがこぼれる。だけど、なぜ私まで呼び出されるのかはわからない……。私はゼファーに笑顔で了承すると、ゼファーはリヒトさんに声をかけシオンさんがいる部屋まで同伴してくれた。




──リヒトさんがドアをノックすると中からシオンさんが出てきて笑顔で出迎えてくれた。




「クロエ!!わざわざありがとな」



元気な笑顔で言うシオンさんに私も笑顔で返すと中のソファへと座るように言われ、私とゼファーで座るとなぜかリヒトさんが部屋に防音魔法を唱えた。


私はただならぬ雰囲気だと思い真剣な瞳でお二人を見つめると、その意図にわかったシオンさんとリヒトさんは真剣な表情をしなぜか私とゼファーに頭を下げた。



「……昨日の人身売買の件。本当に助かった、あの子供は二ヶ月前に行方不明になったゼフィール王国の第二王子、ラヴィア様なんだ。…私たちギルドも内密に探していたが見つからないところ、クロエが見つけてくれたと聞き本当に助かった。感謝してもしきれない」



そう言って頭を上げた二人に私は胸が重く感じた。……そんな大事だと知らずに助けてしまった、だけど。あの子が私が言った言葉で光を戻したのは確かだった…、だから私は笑顔でお二人に言う。



「私は何もしていませんわ。私がしたくてしただけですので、褒美も何もいりませんよ」



そう告げたら、リヒトさんとシオンさんは目を見開いたがすぐさまいつもの笑顔になり私に言った。




「……ありがとう。もし何か困ったらいつでも言うといい、力になれる範囲で助けるからな!」

「僕もですよ、クロエさん」




その瞬間───



涙がこぼれそうになるのがわかり、必死に抑え笑顔で頷くと二人も笑顔になった。……誰かに頼っていいって言われるのいつぶりだったかしら、私は何もしてないのに。



そんな風に思っていたらゼファーがシオンさんたちに声をかけた。




「んじゃ俺ら依頼受けなきゃだからまたな」




そう言ったゼファーは私の背中を押しドアを開け、大広間へと一緒に向かった。その時、ゼファーが曇った顔をしながら私に問いかけた。



「今日の依頼は薬草調達だけど、クロエはわかるのか…?」



不思議そうに聞くゼファーに私は自信満々で答える。



「はい、薬草の知識は人並み以上あるのは自負してますので楽しみで仕方ないですわ!」



ゼファーに笑顔で伝えると、なぜか眉をひそめ苦い顔をしたあと、私に笑顔で言った。



「……そりゃよかった笑」



その表情がなにを表しているのか、私には分からなかった。さっきのことで胸が暖かくなり、今は薬草を探しに行けるのが楽しみで仕方なく、私はゼファーの横につきながら依頼用の薬草がある場所へと向かった。






★★★★★★






「着いたぞ」




ゼファーの声の方に視線を向けるとそこは、水平線のような大草原だった───





ここまでの読了お疲れ様でした!

読んでくださり本当にありがたいかぎりです。「こういうキャラ好き!」「この展開アツかった!」などなど……、どんな感想でも大歓迎ですのでもしよければ一言だけでも構いません。気軽に感想やコメントしていただけると作者兼読者としても飛び上がるほど嬉しいです!!


それと強制ではないのですがよかったらブックマークや下の評価、いいねなど押していただくと助かります!無理にとは言わないのでご安心を……閲覧してくださることに意味がありますので気ままに見てくださると嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いいたします。


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