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逃亡者Hの旅路Ⅰ

最近一話分の語数が1000文字程度の倍になっていますが気のせいです(笑)

今回はHさんのお話です。(多分、頭文字Hでだれかわかる人はおそらくいない…)

名前を聞いてもピンとこない人は10話を読むことをお勧め(?)します

前回のダイジェスト

小橋は何をしたいの?+次の行き先はベラに決定

私だ。読者の方々は覚えてくれているだろうか?10話のラストでちょっぴり現れたフウロである。


今、私はカンドラの街に来ている。王都ミフネンの北にあり、この国の内陸部である。街はミフネンやコールミーと比べると大きくはないが、内陸部の小さな農村で作られたものが集まっており、雰囲気では地方都市といった具合である。そのため、あちこちを旅する冒険者や商人が多いので酒場に行けば必要な情報は大体手に入れられる。そんなわけで今は酒場にいる。ここは、仲間とわいわい飲むようなところではなく、どちらかと言えば静かに酒をたしなむようなところである。この店にある最高級のワインを一人で静かに飲んでいた。そんな余裕があるのか?と思うかもしれないが、昼のうちに旅に必要な物はすでに買いそろえている。万が一金が必要になったら、ギルドで依頼を受ければいい。もちろん偽名で既に登録してある。

店主はワインを頼んだ時に、「金はあるのか?」と心配した。見知らぬ若い女の客が最高級のワインを頼んだからだろう。好都合である。私はミフネンのランクSの回復魔法使いの証明書を見せたら「失礼しました!」と謝った。別に気にしていないがさらに好都合な展開が来たのでありがたく使わせてもらうことにした。

店主の人にいろいろ聞いてみた。まず、王都ミフネンで不穏なことがなかったかと。店主はこれといって聞いてないと答えた。さすがに、まだ噂が広がってはないか…。それか情報を規制しているのだろう…。もう一つ、街道の状況について聞いた。どうやら、南のほうの街道で何かあったようで商人たちが来ないそうである。南には行く予定はないし、追手がそれで詰まってくれてりゃ、かえって好都合である。それ以外は平常運転だそう。

「そういえば、フウロさんはこれからどうされるのですか」

「私はとりあえず東のキュースに行く予定。街道に問題が無いようでよかった」


…嘘である。もちろん魔導士が雇っている追手がこんな罠に引っかかるほどの阿呆ではないが、錯乱させるには十分である。すでに行先は決めている。自然要塞都市ラパス、この国で2番目の大都市(人によっては1番だという)である。旅を続けて逃げるのもいいが、大都市に身を隠しながら生きるほうが自分にはあう。


他にもいろいろと質問をしたが、めぼしい情報はなかった。本当は居酒屋のようなところにいる冒険者どもに聞けばいろいろ知れたかもしれないがこればっかりは仕方がない。若い女一人があんな所に行くとろくなことにならないのは目に見える。女一人の旅はいろいろ過酷だなまったく…『同感』『そうじゃな』(メディカ&小橋)


…何かが聞こえた気がするが気のせいだろう。それはそうと、こんなことを考えてたら、とある結婚話を思い出した。私は得意苦手が激しく、苦手な魔法は一般人レベルだが、得意な魔法はそれこそ魔導士よりも優れている。私はシルヴァニア家の人間ではないので、次男のコリックとの結婚話が上がっていた。

両親もシルヴァニア家側も賛同していた。…私は死んでも嫌だったけどね。私は世襲が大がつくほど嫌いなのである。魔法に関してはほぼあの一家と属家の人間が斡旋していることに不服である。それこそ、私が突然才能が開花した成り上がりの人間であるからかもしれないが(両親には魔法の才能は全くなかった)、それ以上にあいつらが独占しているからこそ魔法学が停滞しているのじゃないかとも思う。現にここ数十年は驚くほど進歩していない。そんなわけでなるべくかかわりたくないと思っていたのに、この事件に巻き込まれた。ほんとに何もいいことがない…。

ただまあ、あの魔導士が慌てている様子を想像すると少しワインが進むな。自分では完璧と思っていたのに身内にまんまと裏切られているんだもの。自分では賢いと思っているんだろうけど少しはその考えが瓦解して考えを改めたかな?

いや、あのプライドの塊がそんなことするはずがないか…

フウロのことかと分かった人いるんですかね…

これから先も話の区切りにちょくちょく出で来ると思います

次回は普通にリートサイドの話です

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