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続きそうで続かない短編倉庫  作者: あかね


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訳あり白い結婚、のあと。

 それはある早朝のこと。

 私はある人を見送っていた。過剰な見送りはいらないと固辞したが、そんな不義理はできないと代表として他にも数人立ち会っている。

 それぞれに別れの言葉を交わし、最後に私のところへやってきた。


「名残惜しいが、そろそろ出立することにする」


「3年のお付き合いありがとうございました」


「こちらこそ、助かった」


「いえ、これで弟がきちんと家を継げます。

 大変感謝しています」


「いや、」


 そう言って彼は小さく笑った。いつまでもお互いに頭を下げあっていることに気がついたのだろう。


「幸運を祈っている」


「おげんきで」


 これが、私と夫であった人との別れだった。



 事の起こりは、3年ほど前の流行病だった。王都で蔓延していた病を年に一度の夜会に参加してた両親が拾ってきてしまった。父、母と相次いで倒れ、あっという間に亡くなった。

 後継である弟はまだ12歳。継ぐにはまだ早く、私は女で継ぐ資格もない。例外的に結婚していれば、領主代行として子が生まれる、あるいは継ぐ者が現れるまでの場繋ぎが許された。


 私に婚約者はいたが、それは嫁ぐ前提であるため解消することになってしまった。婚約者本人は元気だったが、私の両親同様に彼の両親も病状が思わしくなく早急に継ぐ必要が出てしまったのだから仕方ないのだろう。

 相手も悪いと思ったのか代わりに弟を婿にという話もあったが、弟はうちの弟と同じ年では話は通らぬだろうとなかったことになった。


 従弟へ話も行ったのだが、貴族としての暮らしはしておらず、ついだ場合の教育予定を話した時点で断られた。脳筋野郎に無理言うなと真顔で。

 確かに親と喧嘩して冒険者やっているので無理筋だったのはわかる。

 他の血縁も今さらお貴族の暮らしできないと逃げ腰だ。


 いよいよ、私が結婚するしかない。従弟に結婚しない? と言ったが、俺にも選ぶ権利があると断られた。母ちゃんと同じ名前なのが悪いらしい。

 わからなくもない……。


 あてもない、としていたところに都合よく、ちょうどよく、行き倒れがいた。

 この際、誰でもいいと覚悟を決めた私は恩を押し売りし、ついでに私も押し売りした。私は買ってくれなかった。

 15も年下の娘は子ども過ぎる、と。


 切羽詰まっていた私は領地を弟が継げるまでと泣き落としし、仮初の結婚にこぎつけた。

 で、3年。

 ついに弟が領地を継げるようになった。

 その結果、契約満了につき離婚となった。


 …………本当に、あっさり、じゃあ、おしまい、と言われてしまった。

 楽しかった3年。

 距離が縮まったと思っていた3年。

 彼にとってはそんなことなくずーっと子ども扱いだったのである。ちょいと進化したとして妹だ。妻にクラスチェンジできなかった。


 血迷って買ったセクシー夜着を着て誘惑する度胸もなく、いい顔して、お別れを言ったのである。優しく追い返されたら致命傷で再起できる気がしなかったのである。


 彼を見送って、魂が抜けたような私を弟はこき使った。ひどい。再婚でもしたら、というのも更に酷い。

 王都で婚活婚活と送り出された夜会。どんよりとした表情のままにお酒を痛飲していた私の手を止める人がいた。


「飲みすぎはいけませんよ」


 そういったのは、元夫であった。

某所でイケオジコンテストがあるのか、イケオジなぁというところかは派生しました。

おっさんな俺じゃなくて、ちゃんと若い子と幸せになりなよというタイプのイケオジです。往生際はとても悪いです。周囲から四の五のうるせえ覚悟決めろやとどやされそうです。

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