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『俺には無理。』 ― 最後の砦 ―  作者: Alma.


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episode4. 『証明』

人は一日では絶対変わらない。


いや、変わりたくても変えられない。


だから俺は、


毎日少しづつ、だが確実に変わることにした。



最初は腕立て伏せ一回。


腹筋一回。


スクワット一回。


これでも充分な変化だ。


何もしてこなかった日常に『変化』が


加わったのだから。


最初は笑えるくらい弱かった。


でも、


昨日の俺には勝った。



働き始めた。


仕事で失敗した。


先輩から怒られた。


職場で怒鳴られた。


落ち込みながら、腹を立たせながら


帰って寝る。


朝起きる。


そして鏡を見る。



「俺は無敵。」



誰も信じない。


でも、


俺だけは毎日言った。



一年。


二年。


三年……



周りは少しずつ変わる。


そして確実に


俺自身も変わる。



「最近変わったな。」


「前より顔つき違う。」


「なんか雰囲気あるな。」



でも、


俺はまだまだ弱かった。



だから走る。


ひたすら全力で走る。



もっと。


もっと。


もっと。



友達が遊んでる時。


俺は働く。


人が寝てる時。


ひたすら色々なことを考える。


人が諦める時。


俺は絶対に一歩進む。



誰も見ていない。


だからこそ、


意味があった。



ある日、


昔笑っていた奴とすれ違う。


向こうは俺に気付く。


驚いた顔をする。


何か言いたそうだった。



俺は止まらなかった。



振り返らない。


見返さない。


怒らない。



俺は結果だけで


全てを黙らせる。



その日、


初めて思った。



「『証明』って、


口でするもんちゃうな。」



生き方でするもんや。


行動で示すものや……


俺はそれを少しだけ理解したのだ。

episode.5『孤独』に続く……

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