第24章 殺されるならあん達に殺られたい
FBI本部のドアが開いた。威勢の良い声で「毎度あり!」うな重が届いた。飛鳥が立ち上がり店員から岡持ちを受け取ると応接室まで持って行き全員の目の前のテーブルに置いた。岡持ちを店員に返しお金を払った。飛鳥が自分の場所に座ると本部長が「お待ちどうさまさあ!食べましょう?キムさん。食べて、たべて!」と勧めた。キムは無言でうな重にかぶりついた。本部長も箸を持って無言で食べ始めた。マークも箸を持って無言で食べ始めた。茉央と飛鳥は合掌し「頂きます。」と言ってから箸を持って食べ始めた。「キムさん。美味しいですか?最期の食事になりますよ。味わって食べて下さい。」本部長は意地の悪い言い方でキムを見た。「うわぁ!美味しい!私、助かりませんかね。まだ、何もしていません。」と本部長の目にうったえながら言葉にならない声で言った。「駄目!ゆるしません。ほっといたら誰かが殺るでしょう。あなたは悪いけど見せしめよ。あなたの運命ね。そして、あなたを殺るのも私達の運命なのわかって?」本部長は今にも泣き出しそうはキムの目をじっと見つめて優しく微笑んだ。「私の選んだ職業だから仕方がない。この二人を見ていたら羨ましくなっちゃって私と同じくらいの歳なのに天と地ってこう言う事なのね。私も日本に生まれてくれば運命は変わったのに韓国じゃ地獄の日々だものなあ?わかりました。覚悟します。」キムは目を見開き本部長を見つめた。「良しわかった。流石韓国の殺し屋はそうじゃなくっちゃ?痛くないように1発で殺してやるから!」本部長はキムの目をじっと見つめて言った。「キムさん。肝吸いまで綺麗に飲んじゃて下さい。ウナギの内臓の汁です。」茉央がキムの顔を見たが微妙な表情をしていた。「私、これは要らない。」キムが言うとマークと本部長も「要らない」と言い始めた。「これを飲まないとウナギを食べた事になりませんよ。無理しても飲んで下さい。」茉央が三人の顔を見た。キムさんは無理やりのんだがマークと本部長は頑として口にしなかった。「茉央
飛鳥あげるわ?飲んで頂戴。」本部長が茉央と飛鳥に差し出した。茉央と飛鳥はケロっとした顔で綺麗に飲み干して「ご馳走様でした。」合掌した。茉央は給湯室に食べた器を持って行き全部綺麗に洗って水切り棚にのせた。「キムさん。日本で行きたい所ありますか?見て置きたい所ありますか?連れて行ってあげますよ、」本部長がニコリ微笑んでキムの顔を見た。迷わず考えると答えはすぐに出た。「富士山。」キムが笑顔で本部長を見た。「富士山ね。良いわよ。見せてかげる。マーク、茉央さん、飛鳥さん。キムさんと富士山五合目まで行って来なさい。」本部長は三人に命令した。マークに耳打ちした。「殺りなさい。」と「イエッサー!」マークが声にした。四人はマークの運転する車で高速道路を爆走した。車の中でキムの身の上話を聞いて茉央と飛鳥は愕然とした。小さな頃キムは両親から虐待され育ち家出をし気がついたらサムスンの役員に拾われ、酷い屈辱を受けてすべて日本が悪いと洗脳されて今に至ったと言うものだった。毎晩おもちゃのように身体をもてあそばれて逃げられず気付いたら25歳になっていたらしい。キムウジョンは、涙声で二人に話した。「気の毒でした。生まれる所間違えたね。ウギョンさん。綺麗な顔しているのに、日本は悪い所でしたか?」茉央が聞いた。「ううん。全然天国だよ。韓国人は皆だまされている。日本に来てわかった。真実がもっと早く日本に来てあなた達と友達になりたかったよ。失敗したな私の人生。」キムが二人の顔を見て優しく微笑んだ。「そうか!そんな事言ってくれるんだ?嬉しいよ。」茉央がキムの顔をニコニコしながら見た。でも別れの時は着々と近づいていた。綴れ織りの道を富士山五合目まで登った。四人は車降りて大きく息を吸い込んで背伸びをした。キムには手錠が付いていた。周りの人がチラチラ四人を見ていた。「キムさん。ここが一番日本で高い山だよ。3776メートルだよ。」飛鳥がキムの顔を見て言った。「そうなんだ。遠くから見ても綺麗だけど近くから見ても綺麗だよね。空気美味いしね。」キムは考え深く囁いた。「キムウギョン、最期まではコーヒーでも飲むか?」マークがキムに声をかけた。「はい。お願いします。」キムはマークの顔を見た。四人はレストランに入った。コーヒーを4つ頼んだ。すぐにコーヒーは出て来た。「私、最近レースを始めたんですよ。サーキットを走るだけなんだけど仲間とタイムを競い合いながらドライビングってゾクゾクするんですよ。230キロで走ると気持ちかわりますよ。近いうちビックタービンに交換しようと思っているんです。馬力が350馬力まで上がるらしいんでよ。楽しみです。」飛鳥は趣味について語ってニコリ微笑んだ。「飛鳥さんは羨ましいよ。好きな事出来るし、お金もたんまり貰っているんでしょうから?私もレースやってみたいわ?それももう出来なくなっちゃた?」キムはコーヒーをのみなが富士山の頂上を見上げた。「飛鳥さん。さっきのうな重代金領収書貰ったか?後で経費で落とすから。有り難うな。」マークは急に思い出したかのように言って来た。「はい。貰ってます。癖ですから。」飛鳥はマークの顔を見てニヤリと笑った。全員コーヒーを飲み終わると席を立った。マークが会計した。「じゃあ!行くか?」マークが言って四人は車に乗った。キムは運転席の真後ろに座った。こちらのドアは特殊な仕組みで中からは開かないようになっている。警察車両もすべてそうだ。交通違反で捕まりパトカーに乗せられるのはすべてこの席だ。キムの隣に茉央が座りその隣に飛鳥が座った。車は綴れ織りの道を下り樹海の入口まで来た。マークが車を停めた。「ここだ!降りろ!」マークが三人に言った。四人は車を降りてしばらく歩いて広い広場に来た。「キムウギョンそこに立て!俺が処分する。目を閉じろ!」マークがガンをキムに向けた。「嫌!あんたじゃ駄目だ!茉央と飛鳥に殺らせろ!頼む。最期の願いだ!」キムはそう言って泣き崩れた。飛鳥が近づいてキムを立たせると耳元で「何処を撃たれたい?茉央がウギョンの心臓を先に撃つ。続いて私が頭を撃ち抜く。それでいいな?今度会う時は別の世界だな?私はたぶん地獄に落ちるがな?ウギョンも地獄かな?分からないな?」飛鳥はそう言ってキムウギョンから離れて処刑を見守った。茉央は胸の中からグロックG19を出して身体を半身にし、照準を心臓に合わせガンを構え無言でトリガーを引いた。「パァーン」と乾いた音がするとともにウギョンの身体は真後ろへ仰向けに倒れた。飛鳥がウギョンに近寄り鼻の上に手を当てて息を確認すると息はしていなかった。目が開いていたので手で優しく閉じた。飛鳥は胸の中からグロックG19を出してウギョンの額に銃口を向けてトリガーを引くと「パァーン」と乾いた音がした。「これにて終了!任務完了。」と叫んだ。マークは警察に電話をして死人が出たと報告するとパトカーが5分もしないうちに来て警察官が「また、あんたか?」一言言って現場検証を始めた。若い警察官が遺体を調べて「部長、死亡を確認いたしました。」若い警察官が死亡報告をすると部長は「その二人の女は誰だ?」部長はマークの額を見て聞いた。「うちの新人捜査官です。」マークが言うと茉央と飛鳥はサッとバッチを見せた。「今回もリンドバーグさんが殺ったのかな?」部長はマークの顔を見た。今回は、池田と中西が殺りました。研修の為です。」マークは前島部長の顔を見た。「仏さんは何をした?」前島部長がマークの顔を見つめた。「実害はありません。あの二人をつけ狙ってまして、私度もが先回りして始末しました。仏は韓国の殺し屋です。私共と韓国の間に因縁がありましてこう言う事になりました。」マークは前島部長の顔を見つめた。「この仏もいつものようにしておくぞ!山南警視総監から穏便に済ませと言われているんでな?任せとけ。」前島部長がそこまで言いかけてマークは口を出した「今回は、私どもでたびにかけます。手厚く葬りたいと考えております。山南警視総監によろしくお伝え下さい。検視が終わったら連絡ください。遺体を引き取りに伺います。」マークが前島部長の顔を見つめた。「そうか?わかった。珍しい事もあるんだな?書類はこっちで書いておくから。こちらの女性捜査官の名前がわかるものあるか?名刺とかあれば助かるんだが?」前島部長が茉央と飛鳥の顔を見つめた。茉央と飛鳥は名刺をすっと出した。前もって作っていた。「池田茉央さんがどっちを撃った?頭か心臓か?」前島部長が茉央の顔を見て優しく微笑んだ。「私は先に心臓です。飛鳥がとどめに頭を射ちました。」茉央が詳しく説明した。「君達は日本人か?ご苦労さまです。なんで警察に入らなかった?」前島部長が二人に尋ねると「アメリカの方が面白そうなので!失礼致します。私達、東大出身で警察には優秀な先輩が沢山いるので英語が出来るし別に良いかなと思いまして!選択しなかったんです。」飛鳥が前島部長の目を見つめニヤリと笑った。「そうだったのか?警察も面白いぞ!ただ、女性がトップに立つ事はないかなあ?総理大臣は女性になったがな?」前島部長が飛鳥の目を見てニコリ笑った。「リンドバーグさん今、検視官呼んだから君達も立ち会うか?どちらでもいいぞ?」前島部長がマークの顔を見た。「いえ、結構です。よろしくお願いします。失礼します。」マークはそう言って断わって三人は車に乗って東京新宿へ戻った。




