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あなたの慈愛とともに  作者: りんた
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黒木淳の転移15 悪夢と生きる

雪が降る中陽気な音楽とともにキラキラとした照明がアトラクションを照らす。辺りで嬉しそうな声が聞こえる。今日は理沙とデスニーに来たのだ。


理沙「ねえねえ。淳!可愛いくない?やばい!やばい!写真撮ろ写真」


風船を持った黒ネズミの着ぐるみに理沙は近づき、写真を撮るために話しかけた。


…黒いだけのネズミに何をそんなにワクワク出来るかは正直よく分からないところだ。


  淳「確かに滅茶苦茶可愛いね(理沙が)」


   「はいチーズ」


カシャカシャカシャ。持ってきたインスタントカメラで黒ネズミとポーズを取る理沙を撮る。


…可愛い。


  淳「よし!うまく出来た!」


トコトコと理沙が駆け寄ってきた。


 理沙「おおーすごい上手!次は一緒に撮ろうよ」


  淳「そうだね!…すいません。写真撮るのお願いしてもいいですか?」


そう話しかけてギョッとした。


普通の通りがかった家族連れに見えたが、全員が全員、目から血の流れたウサギの不気味なお面をつけている。


淳(明らかにやばい奴らに話しかけちゃった…!)


そんな淳の思いとは裏腹にその家族連れは写真を撮ることを快諾した。イケメンだねとかどうとか小声で話していた。


   「もちろんもちろん青春ですねえ!」


淳より一回り大きい男がそう答えた。


まあ別にいいや…


淳たちはすんなりと写真を撮ってもらった。


  淳「ありがとうございます」


ペコリと礼をする。


   「どういたしまして。ところで君たちは高校生?」


…正直話しかけて来ないでほしいのだが。


  「「そうです」」


   「青春してるねえ。それに美男美女カップルだ。お兄さんカッコイイね」


  理沙「でしょー自慢の彼氏でーす」


そう言って笑いながら淳に腕組みした。


   淳「はは。ありがとうございます」


容姿について褒められることは正直すごく多い。嬉しいことではあるのだが…。


  理沙「私はちゃんと評価してるよー」


   淳「…おお」


嬉しい。


  理沙「でも最近ひどいなって思ったことがあってさ」


一瞬で周りの景色が赤く染まり、人のざわめきや音楽が絶えた。そして周りを歩く人間の視線が全てこちらに集まる。


   淳「!?」


びっくりして固まった。


  理沙「なんで私を殺したくせにノウノウと別の世界で生きようと思えるのかなって」


そう言うと理沙の鼻から血が垂れ、歯がボロボロと地面に零れ落ちた。


   淳「理沙…!?大丈夫!?どうしてそんな怪我を…?あっああああ!」


凄惨な記憶が蘇る。


  「お前が浮気さえしなければ…!私は私の人生は…!!お前のせいで…!」


悪趣味なウサギのお面をかぶった全員がドロドロに溶けていく。そして集まって大きな顔になった。


   「うああ!真子…!」


  「そう。簡単に私の誘いにさえ乗らなければ私たちは平和に暮らすことが出来た。お前のせいで!」


お前のせいで…お前のせいで…お前のせいで…お前のせいで…その言葉が脳に反芻される。


  「ごめん…ごめん」


泣きながら謝るが…



ザクザクザクと雪を踏み鳴らしながら周りにいた客全員が無表情でこちらに歩いてくる。

  

 「うあああ!!ひいい!!」


意識が覚醒し起き上がる。


    「夢…!」


息が荒い。


  フェルム「あらおはよう、うなされてたわね」  


あのきれいな人の声だ。


     「あっ…。おはようございます」


辺りを見渡す…


ここはどこだ…?


薄暗く土のような臭いがする。


目の前には鉄格子…


 「申し訳ないけど…登録されていない人間はそこにいてもらう決まりなのよ、別に危害は加えないから安心してね」


「そんなことよりも。けがの具合はどう?」


フェルムは神秘的な虹色の眼をパチパチさせている。


      「えっ」


慌てて体を触ってみる、全く痛くないし元の体のままだ。喋れるし。


      「うん。良くなったわね」

 

  「あと随分うなされてたわね。怖い夢でも見たの?言ってごらんなさい。朝の業務も大体終わってるし聞いてあげるわよ」


そう言うとフェルムは笑った。ただし鉄格子ごしだったが。


  「別に話すほどのことでもないので…。って朝!?俺はどれくらい寝てたんですか?」



フェルムは指を折り数えた。


  「うーんとね…まる1日くらいかしら?」


えっ…


  「あの…助けていただきありがとうございました。そのうえ治療?までしてくれて。本当に感謝してもしきれないです」



礼をする。


フェルムは優しそうに笑った。


  「ふふっ。いいわよ別にそんな。私がけがを治したわけじゃないしね」


コンコンコンコン…


  「あっめちゃくちゃ丁度よく来たわ、どうぞ~」


ガチャリ…


  ???「こんにちはー」


きれいな女性が入って来た。金髪で眼鏡をかけていてフェルムと同じく金色の美しい髪と虹色の眼をしていた。ただ髪の長さは肩までくらいだ。どこかフェルムに似ている。白の装束を身に付けていた。


  「この人…ジーマがあなたのけがを治したの」



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