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クローバー・デイズ  作者: 原ボディ男
8/10

アップテンションぷりーず

 小さい頃から私とナオヤとミチルはずっと一緒、大の仲良しで、それはずっと続くと思っていた。いつかは進路の違いとかで道が分かれることはあるだろう、それはわかっていた。でも大人になっても私たちはずっと親友、そう思っていた。

 

 別れの時はいきなりやって来た、


 三人で町をプラプラしていた時のことだ、お昼の時間だったからこれから何を食べに行くかで話し合っていた時のことだ


 「なあ、そこ竜巻出てない?」


 ミチルが何もない所を指さして言うけれどそこには竜巻など発生していない


 「はは、ミチル、お前お腹すきすぎて幻覚でも見てんじゃねえか?」


 「待って、不用意に近づかないで!」


 「何もねえから安心しろよ、早く飯食いに行こうぜ!」


 「ナオヤ!危ない!」ミチルは能力を使いナオヤと位置を入れ替えた、今思うとこの頃ミチルだけ一足先に能力を手に入れていたから他人の能力が見え、私とミチルは能力がまだ出てなくミチルだけ攻撃が見えていたのだろう


 竜巻に巻き込まれたミチルの体は七等分に裂かれた


 「ミチル?ミチル!おい!ミチル!おい!返事しろ!」


 どれだけ呼びかけてももう遅いのはナオヤが抱きかかえたミチルが胸の上しかないことから明確だった


 「アリサ、どうしよう、ミチルがこんな、どうしよう」


 「そんなこと言われても、私、わかんないよ!」


 「君たち、大丈夫!?」


 その時現れた人がモモ先輩だった、モモ先輩は私たち三人を見て状況を冷静に判断し、私とナオヤを引っ張って自分の能力の三角錐に入れた


 「私の『ローリング・トライアングル』は無敵だけど中は居心地悪いから気を付けて、少し動くよ」


 三角の中は真っ暗で寒くて気分も悪くなった


 「よし、出るよ」


 

 「君たち、聞きたくないなら聞かなくていいんだが、そこの子が竜巻に巻き込まれた理由、それを聞いてほしい」


 「知りたいです、何でミチルがこんな・・・こんな目にあったのか・・・」


 私は思い出したかのように泣き出した


 「私は、自分が手に入れた能力で人を殺して楽しむ快楽殺人犯を追っていたんだが、あと少しで追いつめられるというところで君たちに向かって竜巻を発射した。私が助けに今すぐいかなきゃ竜巻に気づかず殺されるという絶妙なタイミングでね」


 「じゃあ・・・」


 ナオヤが口を開いた、今までの会話の流れ的に何を言い出すかはわかっていた、それは言っちゃダメだ


 「じゃあミチルが死んだのは俺のせいだ・・・ミチルは竜巻が見えていて俺に注意してくれたのに俺が不用意に近づいたから」


 「ナオヤ・・・それは・・・」


 「違うよ!それは違う!全部相手が悪いの!やつらは一般人に見えないからって犯罪を繰り返す卑怯者なの!」


 「君たち、私はかたき討ちとかは是としないのだが、君たちがこれ以上彼のような能力者による被害者を減らしたい、と思うなら私の仲間にならないか?」


 

 あれから半年くらいたつのだろうか、いまだにミチルを殺した能力者は見つかっていない、あの時のことを思い出してベットの上で震える夜も枕を濡らす夜もたくさん過ごした、でも私は知っている、いつも強い言葉で虚勢を張っているけど自分よりもナオヤの方が心が弱くて傷ついている


 「おはよう!ナオヤ!」


 「おはよー」

 

 寝起きなのだろうか元気がない


 「UPテンションだよ、UPテンションぷりーず!」


 ナオヤのほほを引っ張り上げてスマイルを作る


 「お前は毎日そればっかだな、何がしたいんだ?」


 「クロハ先輩のところに行こっか」


 私がナオヤを支えてあげなくっちゃ


 


 戦いの後、主に口の中がぐちゃぐちゃになっていたので治せる能力者に見てもらった、ケガをした部分はこの間のチサさんに治してもらったが、無くなった歯や舌の一部、内ほほなどは別の人が作ってくれた、骨や内臓も作って治癒能力と合わせて使えば一瞬でなじむらしい、何でも作れる、僕の能力に少し似ているから僕の能力も応急措置とかに使えるのではないか?(射程距離、体積などいろいろな問題はあるが)自分にできることなら何でも試してみたい、それが治す方法ならなおさらだ。


 僕は早速コップの中に入れた少々のギブミーメタファーを血液に変えてみようと試みた、しかし血液というには結構違う物体がたくさんできた。

 

 ギブミーメタファーは確かにいろいろな形に変形させることができるが、やはり血液みたいに複雑な液体は難しいのかもしれない、しかし諦めてはいけない、とりあえずそれっぽい液体はいくつも作れているんだ、今日は血液について調べよう


 そんなこんなで図書館にやって来た、血液についてできるだけ詳しく書いてありそうな本を借りたいのでいろいろな種類の本を借りる


 「これ借ります」


 「貸出カードを出してください」


 「あ、持ってないです」


 「初めての方ですね、今作りますか?」


 「はい、作ります」


 必要事項を記入する紙を渡されたので記入する


 (名前 クロハ 年齢 16かな?多分 住所・・・)


 「すみません、住所わかんないので今日はやめておきます」


 「ああ、分からないならなくて大丈夫ですよ」


 (いいんだ・・・)


 そんなこんなで無事本を借りれたのでアジトに戻ろうとしたところ


 「クロハ先輩いたー!」


 アリサが現れた


 「ん?どうした?」


 「どうした?って私たちチームなんだから常に三人一緒にいなきゃダメなんですよ」


 そんなルールがあったのか、誰も教えてくれなかったぞ


 「じゃあとりあえずさっき借りてきた本アジトに置いてくるね」


 

 「クロハ携帯電話持ってないの?」


 ナオヤからの呼ばれ方がお前から名前に変わった、ナオヤのキャラ的にはお前、の方が似合っていたがまあこれは僕がナオヤからの信頼を受けられたという大きな進歩なのではないだろうか


 「携帯電話は持ってねえな」


 「なんで?高校生でしょ」


 確かに、普通の高校生ならば携帯電話を持っていないなど致命的であろう、これまでは僕がずっと自由に行動していたから必要性を感じなかったが、これからこの二人と行動を共にするなら携帯電話は必須だろう


 「買うか!携帯」


 しかし、僕たち子どもだけでは携帯は買えない、大人の人を呼ばないと、そうだ、アジトには「先生」がいるじゃあないか、「先生」の面を拝める、携帯も買える、完璧な作戦じゃあないか


 

 「ああごめん、先生は今いないんだ、携帯なら今度買っておいてあげるから今日はあきらめて」


 アマバに一瞬で返されてしまう、大人じゃないってやりずらいな、と思った


 「まあいいや、昨日と同じく悪い能力者でも探すか~」


 「そうだな」


 「そうしましょう」


 「そういえばさ、まだ二人の能力について詳しく聞いてないんだけど能力について説明してくれる?」


 これから三人で連携していくならお互いの能力のできること、できないこと、それをお互いに知っておくことが必要だと思った


 「俺の能力は『ハングリーウルフ』でっかい狼を自分の動きに合わせて動かせるんだ」


 シンプルな能力、でもそれがこいつにはちょうど良いだろう


 「私の能力は『チョー昇元気ショウ』です、自分のテンションに応じて大きさの変わる2~18個のペンライト(殺傷能力高め)を5メートル~25メートル動かせます」


 なるほど、自分のテンションに依存する形になるが十分に強い能力だ


 「ちなみに俺の能力は『ギブミーメタファー』この体積より大きくならなければどんな形にも変形させられる」


 「なるほど、便利な能力ですね」


 

 そんなこんなでしばらく歩いていると面白いものを見つけたので二人に話す


 「おー、お前ら見ろよ、竜巻だぜ」


 「!!!」


 「!!!!」


 だいぶ過敏に反応する


 「お前らそんなに驚かなくても・・・」


 二人は竜巻のある方向まで走って行ってしまう


 「アリサまで・・・おい待てよ!」



 次回 決戦


 つづく



 


 


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