深窓令嬢のお勉強
ディナーは和やかに進んだ。
薫子は、笑顔で家族と談笑しながら、手元は隙なく食べ進める。
家族は薫子の流れるような所作に驚きながらも、マリエッタの父親は嬉しそうに薫子を見る。
「マリー、明日から教養を学び始めると聞いたよ。」
「はいそうですわ、明日は歴史から始めようと考えております。」
薫子は早くこの世界観について知りたかったので歴史学から学ぶことを決めていた。
「そうか、王家と貴族の歴史を研鑽しマリーと殿下のデビュタントに備えて頑張っておくれ。」
薫子は微笑み返しながら、この世界は王政がしかれていることを知った。また殿下だと男女どちらかはわからないが王子か王女と近い歳であることもわかった。
(王族との婚姻をご希望なのかしら)
自室に戻るとメイドのリリーが待っていた。
「マリエッタお嬢様湯浴みのご用意ができました。お手伝いさせていただきます。」
「あら、わたくし一人できるわ。今日はあなたも疲れたでしょう。飲み物を用意したら下がってください。」
「マリエッタお嬢様、・・・ですが。」
(あら、この服一人で脱げないわ・・・昔の方はドレスで大変ですね。)
「うふふ、やっぱり湯浴み以外お手伝いお願いできるかしら?」
「////」
薫子の笑顔に赤くなったリリーは、ドレスを脱がし水差しとグラスを用意すると「何かあればおっしゃってくださいね、失礼いたします。」と退出した。
薫子の世界はもちろん一人で風呂に入る文化だ。裸を見せるのに気持ちが抵抗してしまう。
シャンプー、リンス、ボディソープ、洗顔も揃っており、薫子はリリーが準備したバスタブにつかる。
(うーん、1日長かった。疑問点がいくつもあって考えるのに時間がかかりそうですね。マリエッタ様の性格が変わったのはなぜ?この部屋にマリエッタ様の形跡がないのはなぜ?すぐにわたくしの性格を受け入れたのはなぜ?皆さんから嘘や悪意は感じないのですが、やはり1日ではわからないですね)
そして薫子は、悪いと思いながらマリエッタの全身を鏡で眺める。
(少し細身だけど発育は良いようね。胸が大きくてふっくらと形が綺麗。男性はお胸が大きい方が好ましいと聞いているから婚約者も見つかるといいけど)
薫子にはなかった胸を寄せたり下からすくい上げたり。人体の不思議に興味津々の薫子だった。
そしてふと我にかえり全身をチェックした。
(どうやらアザなどはないわ。虐待されていなくて良かった。最初虐待されて性格が変わったり、虐待されているからマリエッタ様の持ち物がないかと思ったけど・・・多分違う。皆さんからは割と好意的な感情が読み取れるもの)
お嬢様である薫子は、人の感情を読み取る訓練もしていた。
(好意的であれば結構。まずは明日からの勉学を頑張りましょう)
ナイトドレスを身につけるとベットへ直行する。
ベットに入るとすぐに薫子は意識を手放しぐっすりと眠った。
翌日は、リリーが来る前に目覚め軽く身支度を整え始めていた。今日から強い巻き髪はやめハーフアップに整えてもらう。
リリーはもう薫子の行動に驚かなくなっていた。
朝食は自室でとり、ハインツを待った。




