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深窓令嬢とハレンチ

レックスは、思い出しただけで吐き気がしてきた。

侍女に飲み物をオーダーすると、ゆっくり息を吐いた。


俺は悪くないと思うものの、積極的な女や金髪縦ロールの女が苦手になった。

少女もダメだ。必ず歳上で自分がリードできる恋愛をするようになった。

もちろん貴族なので肌を重ねることは一切ない。


俺は自由だ。マリエッタに縛られてなんかいない。

あの日以来、克服するように抗ってきたが結果逃げているようにも思う。


家族には言えなかったが、おそらくコール家から他の貴族にマリエッタの醜聞は広まった。


『バーリ家の長女は幼いながらとても奔放で男とみると見境なく誘う。この前も子爵令息を侯爵家の権限で無理やり貞操を奪っていた』


公爵である自分が見知らぬ子爵となった噂はあっという間に広がり、貴族の間では有名な話となった。


噂が十分に広がった頃にはレックスも自尊心を取り戻していたが、マリエッタの噂を否定することはしなかった。




侍女から説明を受けた侯爵は、マリエッタの件を説明するべきか悩んでいた。妻のリリーナは夫に寄り添うと手を握った。


「旦那様、お話しすべきです。マリーの罪は、真実を説明して償うべきですわ。小公爵様は、大変傷ついたと聞きました。何日も学園へ登校できないほどに。そのように塞ぎ込むほど傷ついたなら、それを癒す手伝いをすべきです。・・・それにわたくしたちは、子への可愛さからマリーへ罰を設けませんでした。本来ならば修道院行きです。もうマリーは貴族社会で傷物とされており結婚なんてできないのです。しかしそれをせず、他人(ハナエ)のしたことだからと静観したのは大きな罪ですわ。」


「リリーナ。そうだね。・・・小公爵様へ真実を話そう。」


リリーナは、さらに夫を見つめ話を続けた。


「それに、わたくしたちはカオルコ様へハナエ様のおこないを挽回させようとしております。さらには傷物とされるマリーの婚約者探しまでお願いするなんて・・・」


「もちろん・・・それもわかっているよ。」


シャルールは、下を向き辛い顔をしていたがリリーナへ弱く微笑むと応接室へ向かった。




一連の様子を見守っていた侍女は、侯爵からレックスとアルシャードを呼んでくるよう言われると廊下を出て・・・薫子の部屋へ向かった。




薫子の部屋をノックすると、リリーが答える。


「リリーさん、カオルコ様にお話があります。取り次ぎをお願いできるかしら?」


「わかったわ。」


侍女マーサの様子で只事ではないと悟りすぐに薫子へ声をかけた。


「カオルコ様、今からお時間をいただくことはできますか?アルシャード様付きの侍女からお話しがあるそうです。おそらく、レックス様の件ではないかと。」


「あら?すぐに通して。」


薫子は、凛として侍女を迎え入れた。


「私は、アルシャード様付きの侍女をしているマーサです。以後お見知り置きください。

さて急な来訪となり申し訳ありません。まずお断りしますが、これは私の独断であり侍女のおこないとしては許されないことだと認識しております。」


深く頭を下げて話すマーサに薫子は、


「大丈夫、わたくしが許すわ。」


と簡潔に承諾をした。


マーサは、深呼吸しながら「恐れ入ります。」とお礼を言った。


マーサは、レックスとのやりとり、侯爵夫妻のやりとりを薫子に伝えると、


「どうかカオルコ様、レックス様の元へ行きご説明いただけないでしょうか?」


と懇願した。マーサを見ると手と足が震えていた。

薫子は少しも悩まずに、


「行きます。・・・どうかマーサ、顔を上げて?」


と笑って返事をした。

マーサは、はっとして下げた頭を上げる。


(侯爵様も覚悟を決めているのでしょう。先程アルシャード様にお兄様と接してしまったけど、もう嘘だとバレてしまうわね。レックス様、アルシャード様ともにわたくしが行って説明してしまいましょう)


リリー、マーサを従え薫子は再びアルシャードの部屋へ向かった。




アルシャードは、侯爵ではなく薫子が来たことに驚いた。

薫子は、大事な話がありますと部屋へ入っていく。


レックスは、マリエッタを見つけると「!」と声にならない悲鳴をあげた。


薫子は、レックスと距離があったがアルシャードが止めようとするのにも構わず話をする。


「わたくしは、ここから一歩も近づかないと約束いたします。どうぞお話しをさせてください。」


薫子が話しだすと、場が静まり返った。


「わたくしは、2年間意識を乗っ取られていました。最近意識が戻り、2年間のことはまるで覚えていないのです。・・・わたくしが小公爵様へき・・・キスをしたとか。た、大変申し訳ございませんでした。お詫びのしようもありません。」


薫子は、レックスへ頭を下げた。

先程同様に恥ずかしさで顔は真っ赤だ。早くに婚約者がいたせいで薫子は奥手なのだ。



薫子の突然した話がやはり信じられずレックスは驚いて、


「お前はキス以上のことをしている!!!」


と明後日の回答をしてしまう。


薫子もレックスの回答に驚き「き、キス以上とは???」とワタワタしてしまう。


薫子の反応を見たレックスも動揺し止まらない。


「胸を押しつけて誘惑してきただろう!!!それに裸を見せつけ押し倒された!!」


はぁはぁとレックスが叫んだ。


アルシャード以外、その場にいた全員が知らない事実に場が凍りついた。


薫子は、「なんてことを・・・。」


薫子は言葉のかわりにすっとしゃがむと綺麗な()()()をした。

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