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第17話 王族会議の公開査問

王族会議は、王宮白議場で公開査問の形をとって開かれた。


 病床の国王、重臣たち、大聖堂代表、各公爵家の当主。そこへ王太子レオポルトとエドガー、そして私とルーファスが並ぶ。傍聴席の奥には、修道院から保護下で来たエルザもいた。


 最初に口火を切ったのは、案の定エドガーだった。


「マルティナ・レーヴェは、私との婚約解消を逆恨みし、王太子殿下の継承に疑義をかけています」


 議場がざわつく。女が私怨で騒いでいる構図に持ち込むつもりだ。


「しかも彼女は近衛総長をたぶらかし、偽の婚約まで」


「その先は名誉毀損だ」


 ルーファスの声が低く響くが、私は一歩前へ出た。


「構いません。むしろ都合がいいです」


 私は一枚目の書類を掲げた。


「これは王太子殿下の継承証。こちらは当時の洗礼台帳規定です。まず出産時刻の記法が違います。王族洗礼簿に“第三刻”は使いません」


「細かな表記揺れだ」


 レオポルトが吐き捨てる。私は首を振った。


「ではこちらをご覧ください。旧式儀礼印の貸出簿です。継承証の封蝋と同じ亀裂を持つ印章は、先月、宮務官エドガー・ハルトマンの承認で持ち出されています」


 議場が動く。


「偽造です!」


 エドガーが叫ぶが、私は淡々と続けた。


「次に乳母名簿。夭折したはずの第一王女の乳母へ、七年間、王宮会計から支払いが続いていました」


 彼らの顔色が変わる。だがまだ足りない。決定打は次だ。


 私は視線を傍聴席へ向けた。


「証人、ヒルデブランド医師」


 杖をついた老医師が入場した瞬間、レオポルトの表情が初めて崩れた。



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