第8話・過ぎた時に感謝を
「 そろそろ移動しないと、間に合わなくなるわよ? 」
綺凛が時計を見ながら言うと、恋斗と愛叶も焦りながら教科書を準備した。
「 行くか。愛叶の筆箱、小さいな。」
「 恋斗のが大きすぎなのよ。何が入ってるのよ。 」
「 ハサミとか色々入ってるんだよ。 」
筆箱を開きながら恋斗が言うと、
「 あんたは要らないものが多すぎなのよ。あたしの見てみな? 」
綺凛が筆箱を開くと、お菓子の袋が入ってあった。
「 おい綺凛。この袋なんなんだ?しかも家にあった俺のじゃないのか? 」
恋斗がジト目で言うと、冷や汗を出しながら、
「 こ、これはあたしが買ったのよ。けっしてあんたの机から取ったんじゃないからね・・・ 」
そう言うと、早足でその場を去っていった。
「 あのクソ野郎・・・帰ったら母さんに言ってやる・・・ 」
恋斗は悪い笑顔を浮かべると、愛叶と次の授業へ向かった。
その頃、花畑荘では良太が牡丹に土下座をしていた。
事の発端は、良太がやけによそよそしい態度で牡丹に接するので不審に思った牡丹が問いただした事から始まった。
「 それで・・・やっぱり浮気なの? 」
「 そんな訳ないだろ。牡丹より美しい人なんて居ないよ。 」
「 ふーん・・・じゃあ何でそんなにビクビクしてるん? 」
「 はぁ・・・牡丹、時計を見てみろよ。 」
良太がため息をついて、時計を指さした。
針は1時45分を指している。
「 1時45分がどうしたのよ?そうやって誤魔化して! 」
牡丹が涙目で叫ぶと、良太はリビングの隣にある綺凛と恋斗の部屋へ行った。
「 ちょっと良太! 」
「 座ってて。 」
短く言うと、部屋の隅に隠してあった花束を持って、牡丹の前に膝まづいた。
「 愛する牡丹。君と結婚して15年。最高に幸せでした。これからも俺を世界一幸せな男にしてくれよ。 」
「 りょうたぁ・・・ありがとう・・・グスッ・・・アタシも幸せです! 」
良太のよそよそしい態度は、隠し事が下手だった為だった。
今日は牡丹に連れられて婚姻届を出しに行った日だった。
「 今日は皆で外食だな。ファミレスだけどいいか? 」
「 どこでもええよ♡良太と行けるなら! 」
牡丹と良太は抱き合って、今日とゆう日をお互いに感謝した。
結婚記念日を祝えるっていい事ですよね。
お楽しみください┏●




