↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
20/21

【第20話】共感力0のまま国家機密に指定される

ある日、俺の元に、一通の“通知書”が届いた。


差出人:カレルディア王国 情緒衛生管理局

件名:【感情バランスに関する緊急対応通知】


いや、嫌な予感しかしない。


開封した瞬間、ステータス画面に自動で追記された文面が表示された。


【あなたの存在が、国家の感情バランスに深刻な干渉を与えている可能性があります】

【分類:観測困難感情体】

【対応:国家機密として非公開保管処理を実行します】


──おい。


俺、ついに“危険人物”扱いを通り越して、国家機密になった。


スパイ? 暗殺者?

違う。“感情が存在しないサンプル”として、サイレントに処理される枠だ。


もはや、殺されもしない。

保護されもしない。


ただ“誰にも見つからないように保管”されるだけ。


即日、俺は王都から離れた立入制限エリアへ強制転送された。


そこは、魔法の防壁に囲まれた“未分類者収容区画”。

薄暗い地形、通信遮断。Wi-Fiも感情も通じない。


周囲にいたのは、俺と同じく情緒障害のレジェンドたち。


・共感力−7.2で過去に4都市を精神崩壊させた“笑顔の死神”

・「感謝されるとストレスを感じる」呪いを持つ禁断系ヒーラー

・他人の幸せログを見るだけで、魔力が腐る男


──隔離施設に、俺、ジャストフィット。


会話はない。

感情もない。

誰も互いを干渉しない。


それなのに、なぜか、妙な連帯感だけはあった。

俺たちは静かに、ただ各自の推しグッズを黙々と磨いていた。


外の世界にいた頃より、少しだけ居心地がよかった。


でも──


それでも、虚しかった。


“誰にも嫌われない”代わりに、“誰からも必要とされない”。


魔導水晶に表示された新たなログが、追い討ちをかける。


【状態:感情非対応保管体】

【権限:共感スキャン無効】【アクセス制限:全世界】

【あなたは、国家の感情衛生のために存在を非公開とされました】


もはや俺の名前は、行政記録にも載っていない。

ただ一つ、“サンプルA99・ゼロ感情体”としてデータベースに保存されている。


最終的に、俺のIDはこう改名された。


【分類名:志無野 睦夫 → 情報単位 Z-Log0】


──俺、“名前”すら国家に返納した。


第20話、終了──俺、感情を持たぬという理由で国家機密とされ、世界からログアウトに近い処理を受ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。