↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
17/21

【第17話】孤独スキルを極めて逆に進化

俺は、生きていた。

けれど、“存在”はしていなかった。


記憶儀式で精神をクラッシュし、しばらくの間、ログが読み込まれないような状態になっていた俺──志無野 睦夫(49)。


気づいたときには、“情緒遺棄区域”という場所にいた。


そこは、共感力の著しく低い者たちが隔離される、人知れぬ空白地帯。

誰も喋らず、誰も近づかず、誰も目を合わせない。

感情のインフラが切断された場所──情緒の無風地帯だ。


仲間と呼べる存在はいない。

そこにいたのは、俺と同じ“情緒不適合者”たちだった。


・愛を論理記号で語る自己愛魔導師

・悲しみを解釈できず、石像化した吟遊詩人

・感情交換を禁じられた禁呪研究者


ここで、俺は静かに“孤独”を極めていった。


最初のうちは、まだ誰かとすれ違った。

目も合ったし、空気の振動も感じられた。


だが、次第に周囲が、俺のことを認識しなくなっていく。


孤独スキルがレベルアップしていくのが、ログで確認できた。


孤独Lv1:話しかけられない


孤独Lv5:話しかけられても気づかない


孤独Lv10:存在そのものが“他者の認知”から外れる


ある日、集落の広場に立っていた俺の横を、誰かが素通りした。

彼のステータスログに、俺は表示されていなかった。


“すれ違った”のではない。

“通り抜けられた”のだ。


俺の情報が、感情ネットワークから切断されつつある。


そして──孤独スキルLvMAX到達。


【孤独スキル効果:存在視認不可】【記憶残留:ゼロ】


その瞬間、風が吹いた。


どこからともなく、耳元で声がした。


「お前はもう、存在していない」


ログインステータスに新たな異常が発生。


【状態:ゴーストプロトコル】【種別:未登録ログ】【排他ID:発生】


俺の名前は、街のID記録から削除され、

住民台帳からも“空白”で上書きされていた。


まるで、生まれてこなかったかのように。


最後に手元の魔導水晶に通知が届いた。


【新称号を獲得しました:孤独の完成体】

【称号効果:世界から必要とされない】


第17話、終了──俺、“孤独”を極めすぎて、人間カテゴリから除外される。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。