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わたしたち、結婚しました

お読みくださり、ありがとうございます。


 この一件により、会場は騒然となっていたが、すぐさま貴族たちは冷静になる。


 そして、王族の失態に空気を読み、貴族たちは元の舞踏会の雰囲気を取り戻していく。

 流石、高位貴族。

 通常通りを取り戻していた舞踏会は、日が昇る前にはお開きとなった。


 サン侯爵家はあの事件後に、そそくさと会場を後にしていた。

 帰って家族会議を開き、策を練る為である。

 よって、ミシェルの即日結婚の話はすっかり流れていた。


 翌日からサン侯爵一家は尽力した。

 そして、国中へ流す噂と記念日をドドドンと作り上げることに成功する。


 その間、毎日のように、レオンはミシェルの元へ通っていた。

 婚約者と公表したし、これまで会えなかった分もあり、レオンは遠慮なくやって来る。

 もちろん、お仕事を父親(国王)に押し付けて。


 だが、そう長くは続かなかった。

 全てが落ち着いた頃には、ミシェルは領地へ戻ることとなっていたから。


 領地へと旅立つ日、ミシェルはお菓子と手紙をレオンから手渡された。

 手紙はもちろん、例の熱い熱いレオンの想いがふんだんに詰まった力作だ。


 だが、今回はさらにパワーアップしていたようで、ミシェルは再び馬車内の両親の前でひとり悶絶したのであった。


 ***


 領地に戻って七日目の早朝。

 サン侯爵邸に、早馬がやって来た。


「サン侯爵令嬢にレオン殿下より託けがございます。王城へ住まわれますようにとのことです。今すぐ準備をお願いします。」

早朝から騎士がハッキリとそう言い切った。


 眠そうなミシェルが目を擦りながら、問う。

「え??王城に住むのですか?私が?今すぐって、いつから?」

 頭が働かず、質問しか出来ない。


「ですから、今すぐとは、今です。すぐに王城へ出向く準備をお願いします。」

 夜通し馬を走らせてきたのか、テンションの上がってしまっている騎士がミシェルの問いにハキハキと答えてくる。

温度差が激しい、異様な風景。


 ミシェルの後ろに立って話を聞いていた母も、思わぬ伝令に唖然としている。


 その時、開かれていた扉の向こうから馬の鳴き声が響き渡り、邸宅の門の前に一台の馬車が停まる。

 馬車の側面には、王家の紋様が見える。


「あっ、レオン殿下が到着したようです。ミシェル様もあちらの馬車で殿下と共に王都へお戻りになるようにとのことです。」

 またさらに感情のボルテージを上げ、騎士が暑苦しい顔でハキハキと話す。


 その時、馬車から人が降り立ったのを、玄関ホールの扉から覗き確認した。

 降り立ったのはレオンだった。

 しかし、地へ愛を付けたレオンはふらついていた。


 そして、ミシェルの所までゆっくりとやっていて、ミシェルの顔に手をやり、じっと見つめる。

「シェリー…やっと…会えた…」

 と言い残すと崩れ落ち、気絶した。


 騎士の話では、ミシェルが領地に帰ってから、レオン殿下は不眠症に陥ったのだそうだ。

 何度もミシェルに逃げられたり、離れている間に疑われて関係が拗れた事によるトラウマで不安が募り、そうなってしまったとの見解を医師団から告げられたとのこと。


 そのような状態から抜け出すには、ミシェルに王城へ来てもらうより方法はないとし、迎えに来たのだという。

 現在、不眠症で体が限界に達し、ミシェルを確認出来たことで安心して眠りについたようなので、このまま起こさず、よく寝かせておくようにとサン侯爵お抱えの医者が困り顔で伝えた。


翌日、昼過ぎ頃にすっきりした顔で起きてきたレオンと共に、ミシェルは王都へ向かう事となる。


 王城では王妃が待ち構えていた。


 あの日、ミシェルに敵意を向けてしまった事をかなり気にして謝罪を述べてきた。

 だが、王妃様には自身のお立場があるので仕方のない事であったと分かっていると、ミシェルは謝罪を受け取らなかった。

 逆にミシェルも公然の場で陛下に無礼を申し上げたと謝ると、そのことは無礼ではなく、とても感謝している出来事だと感謝の言葉を述べてきた。

 水に流そうで片が付く。


 ミシェルとレオンの結婚は、サン侯爵との話し合いで、レオンの騎士学校卒業後と話はついていると言う。

 それまでは王城に住み、王子妃教育を受けるようにと言い渡された。


 レオンはミシェル攻略の為に以前いた王城から通える騎士学校からロベールと同じ寄宿学校に転校していたのだが、また出戻り騎士学校へ通うこととなった。

 不眠症に悩むことなく、happyな毎日を過ごすレオンの様子が騎士学校の生徒により報告されている。



 あの宮廷舞踏会から半年後、理想の王子様像がガラガラと崩れた第二王子とその理想を夢見ていた婚約者の間には微妙な空気が流れていた。


 その後も些細なことで小競り合いが増えていたのだが、多くの者達の助言があり、お互いの理想を受け止め、なんとか歩み寄るようになっていく。


 そして一年後、遂にユーグ殿下とイル公爵令嬢は王都を馬車で盛大にパレードし、国内外の多くの客人を招いた素晴らしい結婚披露を行うこととなる。

 世間に2人の結婚を知らしめたのであった。


 さらに、5年後の春。

 レオンの独り立ちが認められ、ミシェルとレオンも結婚をした。

 こちらは兄夫婦よりは規模が小さかったが、終始ラブラブの良いご結婚披露宴であったと貴族間で噂されるものであったそうな。

 

 2人は夫婦となったのである。



次回から五年後。

最終章。

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