表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/61

ここは逃げずにやっちゃいましょう

今週もよろしくお願いします。


「ここは逃げずにやっちゃいましょう!!」


 そう言ったのはロベールであった。


「どうするのだ?」

 質問したのはユーグ殿下であった。

 カツラと王冠を掴むと、正気を保てていないイル公爵令嬢を引っ張り移動してきて、必死で聞いてくる。


「まあ、見ていてい下さい。」


 ロベールがそう言った後、ロベールはミシェルに目をやる。

 2人は目を合わせると、ロベールはある人物の方に顎をクイっとする。


 顎の先に居たのは、ミシェルの母親であった。


ミシェルの母親が自分の鼻をツンツンしたのち、頭を撫で撫でして投げキッスというジェスチャーをした。

 それを見てミシェルは理解し、大きく頷いた。

「あっ!?分かった。サル公国ね!!」


「そうだ。よし、あとを頼んだ。僕も動く。」

 兄妹で意思疎通する。



 とある一家による意識のすり替え劇場がここに開幕する。


 タイトル:今日は国王にとって素晴らしい良き日。

 サブタイトル:王様のカツラが取れたと思ったら、息子の婚約者の実家であるサン侯爵家の実力を目の当たりにすることになった件。


 国王の目と鼻の先にきたミシェルは口を開いた。


「陛下!?陛下の頭は、薄毛だったのですね。」

 国王に向かって、ミシェルが堂々と大声で言い放ったのだ。


「「「「ヒィィィィイイイイー!!!!!!!?」」」」


 周囲にいた者は、国王に何言っちゃっているのかとドン引きである。


 この時の彼女(ミシェル)を王家侮辱罪とかで処刑されるだろうとまで考えた貴族も、多く居たと言うのだから、尋常ではない発言だということはお分かりだろう。


 だがしかし、亡命しようと試みた元トロワ家、現サン侯爵家の実力を見くびる勿れ。


 王妃様が国王陛下の横でさらにアワアワしているところに淑やかにさらに近づいていくミシェル。

 続いて話し掛けようと口を開こうとするミッシェルに、先程までの溺愛は何処へやらの王妃様、今度は何を陛下に言うのかと怒りに満ちた鬼の形相で、国王の後方から敵意をミシェルへ向けてくる。

 今すぐこの場からこの者を追い払いたいと強い敵対心を向けてくる。


 だが、両陛下に言葉を発せられる隙を与えずに、ミシェルは突き進んだ。

「陛下は御存じでしょうか?」

 可愛らしい声でそう尋ねる。


「なななななな何を…だ!?」

 ニコニコしながら、じりじりと近づくミシェルに何を言われるのかと、顔を硬直させて、後ずさりしてしまう国王。

 この答えを聞くのは恐怖でしかないといった怯える表情だ…。


「実は、私の母、サン侯爵夫人の母国であるサル公国では、薄毛の殿方はとーーーーても、とーーーーーてもモテるのですよ!陛下の御髪、すごく素敵ですぅ~!!きゅんきゅんしちゃいます♪」

 飛び切りの笑顔で少しバカっぽかったが言い放った。


 そんなミシェルも可愛いと、レオンは思っているだろう。


「「「「へっ!?」」」」

 皆がミシェルの突拍子の無い言葉に驚きの声をあげた。


「実は、サル公国では、薄毛の殿方は男性としてのアノ能力が素晴らしく優秀であり、さらにセクシーであるという認識を持たれています。我が愛しの婚約者のお父様がこんなにも魅力的であるならば、未来のレオンもきっと、セクシーに!!!うふふっ、嬉しゅうございます。」

 ミシェルは、陛下を大いに持ち上げた。


「そうよ。薄毛は優秀でセクシーな男のシンボル、サル公国へ留学した際にはよく耳にしたわ。つるつるの人がモテモテだったのをよく覚えている。」

 ジャンヌが援護をしてくれた。


 ユーグと婚約する話が広まり、聞かれることが嫌過ぎてサル公国へ留学した際の経験が、初めてここで役に立ったと、ドヤ顔を決めるジャンヌである。


「ええそうです。私の母国ではそれが当り前。サル公国公子たちなんて、それはそれはピカピカ揃いで、代々、素晴らしい薄毛よ~。そして、ものすっごくセクシ~なの。」

 得意げに周囲の貴族に語り出す母親。


 父がこれを聞いたら凹むだろう…父は薄くないからと、内心、父を心配するミシェル。


「私もそれ、知っておりますわ。」

「私も。」

 と言い、同調始める王家の耳とサン侯爵家の手の者たち。

 駆けずり回る兄の姿の残像が、薄っすら残る。


 あっと言う間に、薄毛はセクシーという認識が会場中に広まった。


 そして大団円を迎える。



 この出来事により、王はカツラを被るのをやめた。

 王の秘密は消え去った。


 この時から、薄毛はセクシーで優れた男の勲章、名誉なことであり誇らしいものという認識がルッツ国内で広まる。

 尋常ではないスピードでどんどん広まりを見せ、そして受けいられていく。


 ルッツ国内の薄毛たちの株が、この時を持ってドーンと爆上がりとなったのである。


 そして、この日はこれ以降、国によって決められた“解放記念日”と制定される。


 世間では薄毛ハッピーデーと囁かれる記念日が誕生し、毎年この日は、薄毛を称えるイベントが各地で開かれるのであった。




薄毛ハッピーデー爆誕。

この日は薄毛についてのイベントが盛り上がる一日。

例)薄毛男前ランキングやコンテスト、薄毛の旦那が嫁に愛を叫ぶなどのイベント。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ