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王妃殿下

お読みいただきありがとうございます


「陛下、ここは私に任せてください。レオン、落ちついて。そんなに怖い顔をしていては、いけませんよ。あなたの大切な人が怖がるわ。さあ、あなたの後ろにいる可愛らしい婚約者を私達に紹介しておくれ。」


 柔らかい雰囲気を作り、王妃がレオンに話し掛ける。

 レオンも怒りを抑える。


 レオンはミシェルを自身の横にピタリと寄せ、名前のみ紹介すると、またすぐに後ろへと隠した。


 なぜきちんと紹介してくれないのだろうかと不満を抱く。

 レオンの婚約者になったのに顔も良く見せないで、このままでは失礼なのではないかと、ミシェルは一歩前へ出て自己紹介をした。

 一歩前へ出た時に、レオンが慌てていたが、無視である。


「初めまして、ミシェル・ド・サンと申します。レオン殿下の婚約者でありながら、ご挨拶が遅れたことに悔恨しております。これから精一杯、レオン殿下の婚約者として努力してまいります。よろしくお願いします。」

 ミシェルは緊張しながら、この国の王妃様であり、未来の姑様に挨拶する。


 緊張したまま沈黙が終わるのを待っていると、興奮気味の歓喜の声がした。

「まあ、まあまあ~可愛らしい。これは…レオン、でかしたわ。何処で見つけてきたの!?」

 目をキラキラさせて、王妃がミシェルの周囲を回転してまじまじと観察しだす。


「はあぁぁぁぁ、これだから母上にはシェリーを会わせたくなかったのだ。」

 衝撃的なレオンの一言に、ミシェルは驚く。

「え!?会わせたくなかった?」


 会わせたくないとは…どういうこと!?

 私、王妃様に何かしでかしたことあったのかな?

 会わせたくないほど、私は酷い女?

 それとも今の挨拶が酷かった??

 悶々と考えていると、


「あ、いや、違うからね。悪い意味での会わせたくないではなくて、その…ユーグ兄上とジャンヌの好みがもの凄く似ていると言う事は知っているだろう?それと同じように、私と母上の好みも、とても似ている。だから…」

 レオンが必死で弁明する。


「カワヨ!?ホンマにカワエエわぁ!レオン、あなた、すぐにミシェル嬢と結婚なさい。今日しなさい。舞踏会後にすぐに!!ヘぇ~かぁ~、司祭様と結婚証明書をすぐに礼拝堂に用意させて~。それからサン侯爵を呼んできて、今すぐに承認を得なければ。即日結婚に同意してもらうわ。フフフ、今日からあなたは私の娘。一緒に暮らしましょう。ミシェルちゃ~ん、何か欲しいものはある?何でも買ってあげるわよ。好きなものは何かな?お母様に教えて~。」

 ニコニコ話掛けながら、ミシェルの頬をコネコネしてくる。


「母上、止めてください。シェリーが困っているでしょう!!それにシェリーは私のです。ようやく二人で居られるのだから邪魔しないでください。彼女の欲しいものは私が買いますから。」

 間に割って入り、母親からミシェルを引き離す。


「今なんて?今、何て言いましたか?私の!?私のって言いました?レオン!!女性をモノ扱いするなんて…母様はいつも、女性はガラス細工を扱うように優しく丁寧に接するようにと言っているはずです。まさか、ガラス細工という例えがよくなかったの!?そうなのね、その所為で物扱いに!?私はそのような思考の息子に育てた覚えはありませんよ!矯正せねば!?矯正せねばなりません!!お尻を出しなさい。」

 思い込みの激しい王妃が鬼の形相で迫りくる。


「ももも、物じゃないです!ここでお尻は勘弁を。シェリーは人です。私のと言ったのは、私が彼女を独占したいという意味で使いました。親の前で自分の感情を事細かに説明させないで下さいよ。恥ずかしい。」

 レオンは耳まで真っ赤になっている。


 2人のやり取りに、ミシェルが辱めを受けている。

 その後も2人のミシェル奪い合いの攻防は続く。

 王妃様とレオンは一見優雅風であるが言葉は争っている。

 流石は王族、素晴らしいテクニックだ。


 その2人を背にして、陛下は一歩後ろへ下がり、側近の方に体を向けて別の話をし始める。

 王様もこの小競り合いには巻き込まれたくないようだ。


 ミシェルだけその場で置いてきぼりにされていたが、巻き込まれたくないので、そっと一歩、二歩と後ろへと下がる。

 そこへ、ジャンヌが近づき声を掛けてきたのだ。


「ねえ、ミシェル。ロベール様を見なかった?」

「え、兄さん?おそらく、サン侯爵家の顔を覚えてもらうために両親と挨拶周りをしていると思うのだけれど。」


 それは嘘だ。

 兄は、おそらく新しい上層階級層の情報を集めにアチコチ会場を動き廻って関係を築いている最中だろう。


 これまでの子爵家とは交流の無かった高貴な貴族ばかりなので、現状を把握し、種をまきちらしているはずだ。

 こういう最上級な場では、いつもならば私も父から指令が出され、情報収集などに駆り出されているところであるが、レオンに捉まっているので動けないでいる。


「ああ!お前、よく私の前に顔を出せたな。」

 ジャンヌは、大層不機嫌なレオンに見つかった。



=人物Memo=

ロベール:ミシェルの兄

ジャンヌ:王弟の娘、公爵令嬢


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