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華池(かち)の誓い 〜満天の光〜 【第一章 碧蓮池の異変】
「ここが何処か、分かるかい?」
「ここはっ、私が居た池ですね?」
「そうだ、懐かしいだろ…。」
「はい!ほんとうに、懐かしい…。」
「でも、今は…貴方とっ…。」
「私の命のすべてを捧げて、旦那様をお慕いし続けます」
蓮華が陸雲の胸へそっと顔をうずめた、まさにその瞬間であった。
ゴゴゴ……と、足元の石畳が微かに揺れ始めた。
「……っ、陸雲様!?」
見えない目を大きく見開く蓮華を抱き寄せ、陸雲が目を見開くと――目の前の「碧蓮池」の様子が、一変していた。
穏やかだった水面が、まるで底から湧き上がる熱に煽られたかのように激しく波打ち始めたのだ。そして、池の底から溢れ出してきたのは、清らかな水の色ではなく……眩いばかりの、黄金色の光であった。
「な……なんだ、これは……!?」
水面が、夜空の月よりも強く輝き始める。
その光に導かれるように、池のあちこちから朱、金、銀、漆黒の斑紋を散らした無数の錦鯉たちが、次々と集まってきた。
一匹、また一匹。
かつて蓮華が泳いでいたその池の同胞たちが、水面を激しく跳ね、尻尾で水飛沫を散らしながら、一斉に鳴き交わすかのような羽音を響かせ始めたのだ。
不気味な騒ぎではない。それはまるで、祝福の神楽を舞うかのような、神聖で力強い躍動であった。




