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「あなたウソつきね。何なのよ。」
ある日の閉店後、片桐さんに面と向かって言われた。
「別にウソはついてませんけど。」
「雄輔に手は出さないって言ったわよね、
それなのに、飲み会の時二人で消えたでしょ。」
「あれは・・・・」
「言い訳なんて聞きたくないわ。
ウソつきなんてサイテー!」
・・・・・・・・・・・・
「嘘なんかついてないですよ。
あの時は事情が合って助けてもらっただけです。
別に深い意味はないし、
お付き合いするつもりはありませんから。」
ああ、不毛な争いをしてる。
あたしはもう誰とも付き合わない。
「あらそう、じゃ、本人にそう言える?」
挑戦的に片桐さんは言った。
「もちろんです。っていうか、本人には言ってますけど。」
あたしの言葉を最後まで聞いてか聞かずか
片桐さんは雄輔さんを呼んできた。
「この子がお話があるって。」
何も知らない雄輔さんが、やってきて
「どした?」
と、ほほ笑んだ。
仕方ない、修羅場はゴメンなんだけど・・・
「ほら、言えるんでしょ。早く言いなさいよ。」
片桐さんが睨んでる。
「片桐さん、またバイトいじめてんの?
そういうのってやめた方がいいと思うけど。」
「いえ、そうじゃなくて、
あたしは雄輔さんとはお付き合いもなにも
していませんしするつもりもないということを
片桐さんが信じてくれなくて・・・
それでここではっきりさせようと。
すみませんの手間取らせて。
あたしはそんなつもりはありませんので。
片桐さん、これで満足ですか。」
多少イラッとしてあたしは一気にまくし立てた。
こんな茶番、さっさと終わらせて
仕事しないともう時間も遅い。
さて、明日は雑誌の発売日だから
荷物運びしなきゃ・・・・
と思ってたら、背中に冷気を感じた。
ゾクッとして振り向くと
「へぇ・・・・・じゃ、ウソついたんだ・・・・」
と、ひっじょーーに危険な眼つきの雄輔さんが
全身に冷気をまとって立っていた。
・・・・・・・・・・?・・・・・!
「あれは、あの場の成り行きで、すぐに訂正しましたよね。」
「オレは受け付けねーって言ったけど?」
・・・・・・・・・・・
「どういうこと?」
片桐さんの眼つきも険しい。
う・・・・・
何だかややこしいことに・・・・
「ちょっと付き合え、話がある。」
そう言って強制的に仕事を終わらせ、
あたしの手首をグイッと捕まえて
「お先に失礼します!」
と、事務所を後にした。
「ちょっと!どういうことよ!」
片桐さんの叫びには誰も答えることはなかった。




