50話 僕が最終兵器。
「男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね」
「キモイキモイキモイキモイキモイキモイ」
シエルくんがメガネをクイッ。
「エネルギー充電40%! 発射まであと60秒!」
「シエルくん、いちいちそのメガネクイッ挟む必要あるかな!?」
「男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね」
「キモイキモイキモイキモイキモイキモイ」
「胃が……胃がやられる……」
しかも、少しでも気を紛らわそうと双子の胸の感触に意識を逸らそうとすると、後頭部を掴むリアの手にギリギリと力がこもっていくんだけど! どこにも逃げ場がねえ!!
邪神の腕から発射された激しい氷塊を、サイバー女神が力任せにはじき飛ばし、それが天井へと吹き飛んでいく。
そこから、少し大きな岩の塊が僕たちの直撃コースへと落ちてきた!
ヤマトくんが鋭く飛び上がり、刀一閃で粉々に切り飛ばす!
「ヤマトくん!! 頼りになりすぎるーー!!」
「このくらいなら、いくらでも任せるでござる!」
だがその直後、今度は部屋全体を押し潰しそうなレベルの超巨大な岩塊が、まっすぐ僕たちを狙うように落ちてきた!
期待を込めてヤマトくんを見る。
「あ、あれは無理でござる」
「ですよねー!! どうしよう、今僕まったく動けないんだけど!?」
「わしの出番じゃな!!!!」
「校長! いままでどこ行ってたの!?」
「ぬううん!!」
校長の身体がみるみる巨大化していく!! まじかよドワーフ!!
「ちぇすとーーー!!」
巨大化した校長が、上空から迫る岩塊をガゴンッと下から殴り飛ばした! すげえ! これなら助かる!
「セヤー!!」
砕けた岩の欠片が雨のように降り注ぐが、飛び上がったヤマトくんが大きな破片をサクサク弾いて守ってくれる。
え!? 校長、しゅるしゅると元の大きさに戻ったんだけど!?校長は小さく戻ると、その場にどっかと座り込んだ。
「わし、げんかい」
「一瞬だけなのかよ! いや、助かったけども!」
「あと30秒だよ!」
シエルくんのカウントダウンがなにげにありがたい。
シエルくんもさっきの岩の落下がカスったらしく、制服の上着が派手に破れている。破れた服の隙間から、可愛い下着が顔を覗かせていた……え、それって……
シエルくんが僕の視線に気がついて、あわてて手で服を隠した。
「シエルくん、君、女の子だったのーーー!? いや要らない! その情報今要らない!! どんなタイミングでだよ!」
「作者が忘れてた伏線を回収しようとやっきになってるみたいですわね」
「作者ってなんだよ!! いねーよそんな存在!!」
「男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね」
「キモイキモイキモイキモイキモイキモイキモイ」
「なんか呪詛がさらに強まったんだけど!!」
「自業自得ですわご主人様。この絶体絶命の局面で他人の下着に目移りするジャガイモは、そのまま呪い殺されるのがお似合いですわ」
「無慈悲に追い打ちかけるなよ!!!」
顔を赤くしたシエルくん…シエルちゃん?が、カウントダウンを続ける。
「あと15秒!」
「ミントちゃん!射線空けて!!!」
「やってる!が、腕の動きが読めん!!」
あ、やばい!このままだと、巨大サイバー女神か巨大ミントちゃんに先に当たる!!
「男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね」
「キモイキモイキモイキモイキモイキモイキモイ」
シエルくんちゃんが無慈悲にカウントダウンを進める。
「10」
「9」
「8」
「7」
「6」
「5」
どうすんのこれー!!!




