49話 僕と最終兵器。
ズゥゥン!
『肉弾戦なら任せろ!! ぬううん!!!』
飛来する巨大な闇の魔法を力任せに弾き返しながら、邪神の顔面へ向かって怒涛の勢いで進んでいく巨大サイバー女神!!!
そのすぐ後ろを、光り輝く巨大ミントちゃんが毅然とした態度で続いていく!
「このー!!!」
「我の顔面に傷を負わせおって! やってくれたな!!」
ラフェちゃんと魔王も体制を立て直し、怒号を上げながら巨大な竜の姿で邪神へと躍りかかる!
「これ、流石に勝ったんじゃないの!?」
「……いや、全力を出しすぎだ。あの出力では早ければ3分で力尽きる」
「どこの光の巨人だよ!! じゃあどうすんだよ!!」
「やることは変わらない。これを使う」
ミントちゃんが自身の胸元から、例の『聖剣』をズズズ……と取り出した。え、なにそれ!? ルビーさんの胸元と繋がってんの!? あ、今ルビーさん自身が巨大ミントちゃんの核になってるから!?
「でもミントちゃん!」
「なんだ?」
「ミントちゃんの絶壁から剣が出てくるの、流石におかしくない?」
「……」
ゴッ!!!
「痛っ!? なぜ頭の上から巨大なタライが!?」
「天罰」
「どんな天罰だよ! でも僕、その聖剣重すぎて振るえないんだけど!!」
「問題ない。おい、そこの双子! 出番だ! お前たちのスキルを使え!!」
ミントちゃんが指し示した暗闇の物陰を見ると、レ・フィとラ・フィが狭い場所で抱き合ってイチャイチャしていた。
「うおい! どこまでもブレないな君たちは! なんでこの局面でイチャイチャできるんだよ!」
「ご主人様、私は重大な事実に気が付きましたわ」
「な、なに、リア……」
なんかリアが全身から凄まじく神々しい光を発していて、気後れするんだけど。
「ラフェ、に、ラ・フィ、そしてレ・フィ。この作者、名前考えるの適当すぎでありませんこと?」
「作者ってなんだよ! 名付けた親にあやまれ!!」
ああ……神の力を解放しても、やっぱりリアはリアだわ!
「私達のスキルを使わないとダメな状況……?」
「男に触れないといけないなんて……怖いわ……怖いわ……」
「ついに二人のスキルを使う時がきたんだね!」
暗闇の中から、シエルくんがメガネをクイッと光らせながら颯爽と解説に入ってきた。
いままでどこに潜んでたの!? ていうか、双子ってどんなスキル持ってるの!?
「あの二人のスキルは……『百合の間に挟まった男は死ぬ』!! 間に割り込んだ男性を概念レベルで強制的に死亡させる絶対攻撃!!」
「概念が歪みすぎてない!?」
ミントちゃんが冷徹な目で僕を見つめた。
「……お前たちで、ユーキを挟め」
「僕を死なせる気満々じゃねえか!! 殺しにかかるなよ!!!!」
「勘違いするな。『拒絶』の概念だけ聖剣に移す。それを邪神に撃ち込む。リア。やれ」
「了解しました。……失礼、ご主人」
「な、なに!?」
リアが僕の後頭部をガッと力任せに掴んだ瞬間、僕の右手の小指からジャキジャキと恐ろしい金属音が鳴り響き、どでかい砲身に組み上がっていく!
「ナニコレナニコレ!! 重い重い重い!!! サムソン助けて!!!」
「まかせろ!!」
サムソンがムキムキの腕で砲身を下から持ち上げ、強引に固定した。
「ここに聖剣をセット。よし」
ミントちゃんが無表情で聖剣を砲身の根元にセットした。
「よし、双子! 左右からユーキを挟め!」
ズズズズズ……!
頭上では前線組の戦闘が限界突破していた。
巨大サイバー女神が邪神の腕をパワーで強引にねじ上げ、巨大ミントちゃんが神聖波を叩き込む! そこに二匹の巨大黒竜──魔王とラフェちゃんが同時に炎のブレスを吐き散らし、空間ごと削り取っていく!
ドガァァァン!! と天井が激しく崩落し、大量の岩くずとパラパラとした土砂が僕たちの頭上に降り注いできた!
「うわっ!? 天井抜ける!! 早く!!早くう!!」
「嫌だわ、穢らわしい……触るだけで寿命が縮むわ……」「怖いわ、怖いわ……」
ウサ耳双子が心の底から嫌そうな顔をしながら、僕の両脇から嫌々胸を押し当てて挟み込んできた。
「そんなに嫌そうな顔で抱きつかないで!? 僕だって傷つくよ!?」
……ヴヴヴヴンヴンヴンヴン!!
二人に挟まれた瞬間、砲身の中の聖剣が恐ろしい速度で高速回転をはじめた。
「素晴らしい……凄まじい男への毒素と拒絶のエネルギーですわね。ご主人様の存在そのものが害悪扱いされている証拠ですわ。きしょ……」
「後ろでしれっと毒吐くのやめて!?」
「男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね男死ね」
「キモイキモイキモイキモイキモイキモイ」
双子の呪詛のような呟きがリフレインし、砲身の輝きが激しさを増していく!
「僕の精神(心)がもたないんだけどコレーーー!!」




