37話 僕と魔王。9
風邪引いてました。ごめんなさい!
あと題名戻します!
「いやお前が僧侶なんかい!!!!!!!」
「えへへー」
「ルビーは元々、魔族の血が入っていたらしくてな。我の魔力に当てられて覚醒したのだ」
「えへへー」
「あの時の勇者パーティときたら、我と相対した瞬間、全員腰がほぼ抜けておったわ! なぜあのへっぴり腰の状態で我に挑みに来れたのだ! 我を舐めすぎだろ!」
(へっぴり腰の勇者パーティ……。それは確かに最悪だな!)
「えへへー、そんなに褒めないでくださいよぉ」
「褒めてないわ! ルビー、お前、職業はまだ僧侶なんだろ? レベル、いくつになった?」
ルビーさんは、自分のステータスプレートをのぞき込んでニコリと微笑んだ。
「僧侶レベル91ですねぇ。さっき魔王様ぬっころした経験値美味しかったですぅ」
魔王が、目元を指で摘みながら深いため息をついた。
「あー……。まあそれは今はいい。高レベルの僧侶が使うスキルに、あれ、あるだろ。神託の一個上のやつ。神と短時間だけ直接話せるスキル、生えてないか? ちょっと神に手助けを頼め」
「あー生えてますね! 使います!」
ルビーさんがスッと目を閉じ、集中し始めると、部屋の中にあまりに神聖な気配が満ち溢れていった。
魔族の頂点である魔王は、なんとも居心地の悪そうな顔で身を縮めている。
──とぅるるるる、とぅるるるる。
ガラステーブルの上に浮かぶステータスプレートから、まさかの『電話の呼び出し音』が響き渡った。全員が固唾をのんでプレートに注目する。
(え、神との会話、まさかのスピーカーモードになってるの!? こういうのって普通、僧侶の頭の中だけでやり取りするんじゃないの!?)
ガチャ。
『……神だ。……なんだ? ……用件を言え』
(ずいぶんぶっきらぼうな神だな! 女の声だな、女神か? ていうか、なんかめちゃくちゃ眠そうな声なんだけど!)
「えーとぉ。邪神?の討伐をーてつだってくださいー。加護とかーくださいー。あーでも出来ればー神罰とかで倒しちゃってくださいー。あ、あとその場合の経験値は全部私にくださいー」
(おー! ずいぶん図々しいお願いを一気にしたなこの元僧侶!)
『……勇者を探せ。勇者以外に加護をやっても大した意味はない。私が地上で直接力を振るうことは出来ない。ルビーよ、勇者を探すのだ……。……勇者を探すのだ……』
(あ、声のトーンを落としていい感じにフェードアウトしようとしてる!)
「待ってミントちゃん! 勇者ここにいるから! 僕が勇者だから! 勇者(笑)だから!」
(あ、間違えて『ミントちゃん』とか言っちゃった! なんか声の感じとだるそうなノリが学園のミントちゃんに激似だったから、つい間違えた!)
『ミミミミミミント違う! 私はミントとかいう学園生じゃないから!』
必死すぎる形相で否定する神の悲鳴が、スピーカーからダダ漏れになっていた。
「その否定の仕方、完全に本人なんだけど……」
「神はミントさんでしたか」
『あーもう! はやく学園に帰ってこい! こっちで直接話す! この神聖通話、こっち持ちだから高いんだ! プッ……ツーツーツー』
一方的に切れた通話音。
部屋には、あまりの事態に呆然とする魔王と、何も分かっていなさそうな笑顔のルビーさんが残された。
「……どういうことだ?」
「あ、神様、僕の知り合いでした。とりあえず一回、学園に帰ります」
「通話料金を気にする最高神とか、いやな世界ですね」




