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2話 僕は希望を抱いて崩れ落ちた。


 ツンツン

 

 頭が揺れる。


「し…ん…ご……し…ゅ……ん」


 ん……何かに身体が当たってるな。

 まだ眠いからもうちょい寝かしてて……

 僕が二度寝を決め込んで寝返りを打つと、


 ゲシ、ゲシ、ゲシ……ゲシゲシゲシゲシゲシゲシゲシ


「いだだだだだ!いだい!いだい!いだい!」


 あまりの衝撃に飛び起きた。


「いま!だれだ蹴ったの!!」


 目の前にいた少女が後ろを向いた。


「いや!おまえしかいないよな!目の前にいたの!」


「チッ」


「舌打ち!?被害者こっちだよね!?」


「ご主人様がいつまでたっても寝くさりやがるからですわ」


 めちゃくちゃかわいい声なのに、口から出た言葉は辛辣だな!


「ん……?ご主人様……?」


 あっ、よく見たらこの子エルフだよ。

 しかもメイド服!!

 うおおメイドエルフキターーーー!!!


 僕が思わずガッツポーズをしていると、冷めきった目で僕を見てきた。


「早いとこ移動しないと野垂れ死にですよ」


「いやさ、意識無かったんだから、こう、なんかないの?膝枕とかさぁ」


「キショ」


「言い方ぁ!!僕ご主人様なんだよね!?」


 エルフ娘は重々しく頷いた。


「不幸な事に」


 僕はショックを受けた。


 今の頷きの角度、完璧だ。


 僕は重々しく頷いた。


 エルフ娘は重々しく頷いた。


 僕は重々しく頷いた。いつもより2度深く。


 エルフ娘は重々しく頷いた。3度深かった。


 僕は……


 エルフ娘は……


 ………………


 …………


 ……


「違うわ!頷きバトルしてる場合じゃないわ!」


「では私の勝ちということですね」


「……」


「……」


「勝負も引き分けた事だし、現状把握しようか」


「……」


「……フッ」


 こいつ鼻で笑いやがった。


「……現状把握も何も、ご覧の通りここは森です。そして私は、女神から、ご主人様のサポート用として遣わされた超絶美少女エルフのリアです。以後、お見知りおきを」


 自分で超絶美少女とか言いやがったぞこいつ。

  

 リアは、一切感情の乗っていない完璧なカーテシーを決めた。


 僕は重々しく頷いて聞いた。これだけはどうしても聞いておかないといけない。


「エロはありですか?」


 リアは重々しく頷いて言った。


「……そのでっぱり、今すぐちょん切りますね。少々動かないでいただけますか」


「待て待て待て!! 今すぐってなんだ! ナイフ仕舞おう、な!?」


 あっぶねー、異世界1日目でちょん切られるとこだったわ。……でも僕は諦めきれず、また聞いてみた。


「……しかし、実はエロフだったりは……?」


「キッショ」


 僕は膝から崩れ落ちた……


「じゃあ頷くなよ……一瞬期待しちまったじゃないか……」


 リアはすごく満足そうに言った。


「いい反応です」


 このエルフ絶対性格悪い……


「そんなことより、早く人がいるところまで移動しましょう。このままだと、ご主人様の死因が『10円玉』から『野垂れ死に』に更新されてしまいます。面白くないので却下です」

 

 僕は立ち上がり、リアの後を追った。


「あれ?リアさん?なんで僕の死因が10円玉って知ってるの?女神に聞いたの?ねえ、ねえ」


 僕は立ち上がり、リアの後を追った。

 

 しばらく藪を掻き分けて進んでいると、前方の草むらがガサガサと揺れた。

 

「ん? あ、見て、リア! ウサギだよ! 白いウサギ! 可愛いなぁ」

 

 十五センチほどもある大きな耳をピンと立てた、モフモフの塊がそこにいた。僕は思わず駆け寄ろうとしたが、リアが平坦な声で制止してきた。

 

「ご主人様、止まってください。異世界のウサギを甘く見てはいけません。それは極めて凶暴な個体です」

 

「何言ってるんだよ。こんなに可愛いのに。ほら、見てごらんよ、僕の足元に寄ってきて……。うわぁ、懐っこいなぁ。ほら、じゃれてきて……」

 

 ウサギは僕の脛に飛びつくと、その小さな口を大きく開いた。

 

「あっぶねえええ!!!!」


 間一髪僕はウサギの噛みつきをかわした。


 がちんがちんと歯を鳴らしながらウサギが追いかけてくる!

 

「た、たた、たすけて!リア、なんとかして!」


「しょうがないですねぇ」


 リアは背負っていた弓を手に持つと、じっとそれを見つめている。

 エルフと言ったら弓の名手だもんな!


「はやく!はやく!そろそろ逃げ切れない!」


 ウサギが襲い掛かってくる!僕は落ちてた木の枝でなんとか噛みつきを捌くけど、それにも限界がある。


「ソイヤ!!」


 リアの攻撃!


 何をトチ狂ったか、弓で殴りつけやがったコイツ!


 ベキッ


 案の定地面に叩きつけられた弓は中ほどから真っ二つに!


「折れました!」


「なんでちょっと誇らしげなんだよ!!!」


 僕は、ウサギの攻撃を避ける!避ける!ひらりと避ける!

 

「はぁはぁ、くそっ、このウサギつよいなっ!リア、僕勝てるかな、見てて勝率はっ?」

 

「10%です」

 

「そんだけかよ!」

 

「あなた一人なら」

 

「そうだった!リアがいれば余裕だよな!二人の場合の勝率は!?」

 

「3%です」

 

「下がってんじゃねーか!てかどっかで聞いたことあるな!」

 

「こんなかわいい美少女になにを期待してるんですか?」

 

「強さだよ!!」

 

「ピー安全制限:児童性的搾取に該当する可能性があるため、処理を中断しました」

 

「お前中身、chat◯PTじゃねーの!?くっそーやるしかないか!このっ!このっ!」


 木の枝でいくら殴ってもサッと避けやがる!

  

「……ん?てか、児童性的搾取ってお前、適当な警告文だしてんじゃねーよ!!」

 

「ばれましたか。ですがツッコミが遅かったので減点1です」

 

「なんの点数だよ!溜まったらなんかあるのかよ!」

 

「朝のパンが、春のごほうびに変わる。シールを集めよう」

 

「春のパン祭りじゃねーかああああ」

 

「馬鹿なことばっか言ってないで、真面目に戦ってください」

 

「馬鹿なことばっか言ってるのはお前だよ!いいからこいつをぶっ飛ばせ!!!」


「ご主人の今の指示『こいつをぶっ飛ばせ』は、具体性に欠ける低品質なプロンプトです。対象の座標、衝撃のベクトルを指定してください。できないのであれば、私はただ『ぶっ飛ばすフリ』をして踊ります」


「えーと!えーと!ざざざざ座標!?わかるかああ!!!!」


 リアは不思議な踊りを踊った。

  

「朝はパン、パンパパン」


「パンはもうええわ!!!気が抜ける!、踊るな!!!」


 ウサギ一匹倒すのに一時間。


 ちなみにその間、リアは三回パン祭りを完走した。

 

ブフッと吹き出してしまったら、◯◯でダメだった!

とひと言ください(´・ω・`)オネガイシマス

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