70話 ミケーネ商会 ルナの本心
ミケーネさんとの話し合いも終わり、食事も終えた一行は会食場を出て部屋に戻っていた。
そして部屋の前の廊下で部屋割りを決めていた。
ルシアとヴィアラは一緒の部屋がいいというのでそこで一部屋。
プルフラは一人で使うのは気が引けると遠慮していたが、サタナキアさんの部下として同行してくれてる身なのでたまには一人で俺たちに気を使わずに休んで欲しいということで一部屋。
ユキとリンはいつも一緒に居るので同じ部屋がいいというので一部屋。
そうなると当然ハルトはルナと同じ部屋ということになる。
「みんなおやすみー」
「お、おやすみなさい」
そういってルシアとヴィアラは早速部屋に入っていった。
「ハルト様、今日は色々とありがとうございました」
「いえいえ、ミケーネさんの信頼を得て話をまとめたのはプルフラさんが全てを話してくれたおかげなので、俺はなにもしてませんよ」
「ありがとうございます。それでは先に失礼します」
「ええ、おやすみなさい」
プルフラも部屋に入っていった。
ハルトはここでようやく残りの3人が隣にいないことに気が付き、周囲を確認すると廊下の突き当りで何やらこそこそと話している様子だった。
「どうしたんだ?」
「な、なんでもありません」
そう告げるルナの顔は何故か若干赤くなっていた。
「それではハルト様、ルナ様おやすみなさい」
「ハルト様、ルナ姉様おやすみなさいませ」
「うん、おやすみなさい」
「2人ともおやすみー」
最後に残ったルナと二人、いつもなら特に気にすることもないはずなのに若干の気まずさがある二人は少し動揺していた。
「じ、じゃあ俺らも部屋に入ろうか」
「……はい」
いつもならルナと二人で部屋に居てもこんなに緊張することはないはずなのに緊張してハルトは変な感覚だった。
ルナもそんなハルトの雰囲気を感じてか、いつもはべたべた引っ付いてくるのに、ほんの少し距離を置いてもじもじしていた。
「お、俺は先にシャワーを浴びてくるよ」
「わ、わかりました……♪」
シャワーを浴びながら先ほど口に出した自分の発言を反芻し、ハルトは後悔していた。
先にシャワーを浴びてくるってなんだよ!!
まるでカップルみたいじゃないか!
あれ?
いつもはどうしてたっけ?
アルレンセスにいた当初はルナと二人だけだったし、同じ家でずっと暮らしてたのに思い出せない……!
そんな事を考えていると、突然「ガラガラ」っと音を立ててバスルームの扉が開いた。
「あの……。お背中お流ししてもいいですか?」
「へっ!?あ、はい」
なんでルナが!?
温泉にも一緒に入ったこともあるけど。
なんでこんなに今日は緊張するんだ俺!?
ルナがハルトの背中をこすりながら声を掛けてきた。
「私実は……ご主人様に嘘をついてしまいしました」
ルナはハルトの背中をこする手を止て話し始めた。
「うん」
ハルトは静かに頷きルナの話を聞く。
「ご主人様が私たちを助けに来てくれたあの時……。私は何もされてません……大丈夫ですって……うぅ……」
「……うん」
「でもほんとは!全然大丈夫じゃなくて……!無理やり胸を触られたり、大事のところを触られそうになって……うぅ……。ほんとはとっても辛くて悲しくて……うぅぅ…………。でもご主人様を不安にさせたくなくて、嘘を……。ごめんなさい…………」
ハルトは振り返って涙を流すルナを優しく抱きしめた。
「俺も……ルナが辛い時に気付いてあげられなくてほんとにごめんね……」
「うぇぇぇぇん!怖かったです!私汚されちゃって!……ごめんなさい。嫌いにならないでください……」
「大丈夫……。ルナは綺麗だよ。俺の方こそルナたちは攫われから自暴自棄になってパニックになって助けに行くのが遅れてしまって、そのせいでルナにこんなつらい思いをさせてしまって、本当にごめん。二度とルナを辛い目に合わせないって約束する。何があろうと俺はずっとルナの事を好きな気持ちは分からないから安心してほしい。大好きだよルナ……」
「ご主人様……」
ルナはハルトを顔を見合わせて目を閉じた。
ハルトはそんなルナに優しく口づけを交わす。
「ふふ……♪ご主人様……。私も大好きです」
ルナはそういうと今度は自分からハルトに口づけを交わした。
「ふふふっ♪ご主人様と口づけすると幸せな気分になります♪」
「俺もだよ。あのときルナがこうしてくれたおかげで俺は闇に飲まれずに済んだんだ。本当にありがとう……」
二人は静かに体を寄せ合い暫く互いを抱きしめあった。
その後、二人はシャワーを済ませてベッドへ向かった。
そして二人はベッドに寝ころび体を横にして向かい合っていた。
「ご主人様……。あの男に触られた時の嫌な感触が忘れられません…………。ご主人様に上書きしてもらっても……いいですか……」
「わかった……」
ハルトはルナの胸に優しく触れる。
「んっ……。ふふっ♪ご主人様に触られるのは少しくすぐったいけど、とても心地いいです……。これで嫌な思い出も忘れられそうです……。ありがとう……ございます」
ルナは涙を流していた。
ハルトは優しくルナの頬に口づけした。
「ご主人様……。下の方も……その……少しだけでいいので……触ってもらってもいいですか……。嫌な思い出を全部忘れさせてください……」
「……わかった」
ルナはハルトの手を自身の太もも辺りに運び、ハルトもルナの願いに応じて優しく肌に触れた。
「んっ……。うぅ……」
ルナは再び涙を流した。
ルナが無理をしているのではないかと思い、心配してハルトは声を掛ける。
「ルナ、大丈夫?」
「はい……。ありがとうございます……。これで全部忘れられそうです……。ご主人様……。私いま、とっても幸せな気持ちで……いっぱいです」
「ルナ……」
二人は見つめ合い、軽く口づけを交わした。
口づけを終えるとルナは頬を赤らめたまま上目づかいでハルトに問いかける。
「今日は……、ぎゅってしたまま眠ってもいいですか……?」
普段はハルトの困らせまいとして、決してわがままを言わないルナがこうして自分に甘えている姿を見てハルトの心はルナを想う優しい気持ちにあふれていた。
「……うん、おいで」
ハルトは手を広げ、ルナを温かく迎える。
ルナはハルトの胸に顔をうずめ、背中に手を回しぎゅっと抱き着いた。
「ふふっ♪ご主人様の匂い……とっても落ち着き……ます……」
ルナは余程疲れていたのか、ハルトに包まれ安心したのかそのまま寝息を立て始めた。
そんなルナの頭を優しくなでながらハルトも目を閉じ。
二人は互いに体を抱きしめあったまま、幸せな気持ちのまま眠りについた。




