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虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~  作者: すなる
1章 第一部 新世界~リーザス編

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6話 異世界へ 初めての街へ

街の門の前に来たハルト達は入場を待つ列に並んでいた。


ルッツ達の話では、この世界ではどの街でも人の出入りは厳しく取り締まっているらしい。


暫く待つとハルト達の順番が回ってきた。

案の定、身分証を持ち合わせていないハルトとルナは入場を止められた。


「身分証を持たない方はあちらでお待ちください。冒険者の方は奥の方へ、その他の方は手前で待機を願います。後程検査を担当する者が伺います」


門兵はそう言って門の脇にある訓練場のような場所の方を指した。


「あんたらなら大丈夫さっ。キラーラビットの礼もあるし無事街に入れたら後で一杯奢らせてくれや!んじゃ」


口利きくらいしてくれても……とハルトは思ったが、ルッツ達は颯爽と街の中に入っていってしまった。

というか冒険者以外でもいいなら別に冒険者として検査を受けつ必要とかないんじゃ……。



仕方なく待機するように示された場所へと二人は向かった。

遠目では分からなかったが敵に見立てた木人や的などはかなり傷だらけで使い古されていた。

この世界では戦いを想定するのは普通なのか……。

先ほどのキラーラビットもそうだったが、この世界では戦闘はかなり身近な物なんだと実感してきた。

平和な世界でぬくぬくと生きてきた自分に戦いなど出来るのだろうか……とハルト少し不安になった。


「ご主人様……?大丈夫?」

そんなハルトの不安を察したのか、ルナが心配した様子で見つめていた。


「ああ、大丈夫だよ」

ルナの頭を軽くポンと叩きながらハルトは答えた。


「あなた達は冒険者なのかしら……?」

木陰に立っていた女性が声をかけてきた。

ハルト達の他にも検査を待つものが居たようだ。


ルッツが他の場所から来た者は冒険者のふりをした方がいいっていってたな……。

何より世情に疎いから商人の振りをするには無理があるしな……。


「ええ、そうです。俺はハルト、こちらはルナです。貴方は?」


「私は王都で薬師をしているレイラと申します」


薬師?薬師も冒険者としての試験を受けなきゃ街に入れないのか?

そう思っているとレイラは続けて語り始めた。


「ふふっ。薬師がなぜ身分証も持たずこんな試験を受けているのか?と思ってるような顔をしていますね」


顔に出てたか……。


「いえ、まぁ……」


「ここへ来る途中で魔物に襲われて荷物と一緒に身分証も無くしてしまいましてね。……それにしても希少な最強種キャトランと見慣れない服装……。あなた達はいったいどこから来られたのですか?」

ハルト達の身に着けている装備や衣服を見てレイラは目を細めていた。


この目つき。下手なことを言ったら怪しまれそうだ……。

ハルトが警戒して言葉を選んでいた時、門の方から甲冑を纏ったウルフェンの男が近づいてきた。


「よーし、んじゃ試験はじめるぞー。ん?これは珍しい……」

男はルナを見て驚いていた。


「キャトランか……。ここに住んでかなりになるが、この街でキャトランを見るのは初めてだな」

品定めをするような目にルナは怯えてハルトの後ろに隠れた。


「ははっ!悪い悪い。怖がらせるつもりはなかったんだ。俺はケビン。この街の冒険者ギルド専属の冒険者だ。時折依頼でこうして入場検査を担当してる」


「ハルトです。こちらはルナ。よろしくお願いします」


「おうよろしくな。そっちは……。確か、薬師の……?」


「ええ、レイラと申します」


「あんたなら別にこっちで検査を受けなくても良かったのに」


「まぁ。私は一応冒険者としても活動していますので」


ケビンはレイラのことを知っていたようだ。



「んじゃ検査と試験の内容を説明するぞー。っていってもまぁ毎度おなじみなんだがな……」

ケビンは右手で頭を掻きながらめんどくさそうに説明を始めた。


「鑑定で犯罪歴を確認し、問題なければ冒険者としての適正検査だ。魔法を使える者なら魔法を、魔法が使えない者は俺とこの木剣を使って模擬戦だ。もう少ししたら鑑定眼持ちの奴が来ると思うからそいつが来たら始めるぞー」


鑑定眼ってなに?と思ったが、ケビンの様子を見るとこの検査は一般的らしいので下手に質問をすると怪しまれる可能性があると思いハルトは口に出さなかった。



数分するとローブを纏った小柄な人が近づいていた。


「おう!遅いぞマーレ!」


「あなたが早すぎるだけ。私は普通に歩いてきた。時間通り」


「こいつが鑑定眼持ちの試験官だ。まぁ見たところ悪人面でもないしお前達は問題なさそうだけどな。一応これが形式でな。んじゃマーレ、始めてくれ」


「ん。わかった」


マーレは目に力を集中した。

するとマーレの目の模様が変わりぼんやりと光を帯びて見えた。


マーレはその目でレイラを見つめた。


「まず素行は……問題無し。先天属性持ち。属性は火」


どうやら鑑定眼というのはその人の経歴や能力を見ることができるスキルのようだ。

来たばかりなので俺らは大したことはないだろう。とハルトは思っていた。


マーレは続けてルナを見た。


「すごい。こんな高い能力見たことない。さすがキャトラン。素行は問題無し。だけどほとんどスキルも情報も見れない?こんなのはじめて」


まずい。なんとかごまかさないと!


「問題ないなら次は俺ですね!お願いします!」


「……わかった」


マーレはルナの鑑定結果に疑問を感じながらもハルトを見はじめた。


「え……」


マーレはハルトを見ると黙ってしまった。


「ん?どうしたマーレ?」


ケビンがマーレの反応を見て不審に思い確認する。


マーレは深刻そうな顔をして冷や汗を流した。


「……あなた。……何者?」


マーレは冷や汗を流しながら震えた様子でハルトにそう質問を投げかけた。

その反応を見てケビンが険しい顔をして腰にさしていた剣をに手を添え構えた。


「え!?俺何も悪いことなんてしてませんよ!?」


ハルトは慌てて手を振って無実を訴える。


「ケビン、大丈夫。素行に問題はない……これほどスキルを持った人間を見たのは初めてで驚いただけ……それも見たことも無いユニークスキルばかり……」


「なっ!ユニークスキルばかりだと!?」


「へぇ……?」


ケビンは驚いて声を上げ、レイラは目を細め口元には笑みを浮かべていた。


「一体どんなスキルを……」


「鑑定眼で見た他者のスキルの口外は御法度。私の口からは言えない」


……この人ほとんどの耐性を持っている。

しかも魔法適正が分からない……

適正が無いのではなく、あるのかないのかわからない。

こんなの初めて。

それに、このスキルは……一体……。

マーレは《異世界の扉》と《創造神の加護》のスキルを見て驚いていた。


「こいつがそれほど驚くってことは兄ちゃんとんでもなく強そうだな?ほれっ」


そういうとケビンは木剣を投げてハルトに渡した。


「兄ちゃん。ハルトだっけ?魔法は使えるのか?」


「いえ、魔法は……」


使えるかどうかすらもわかりません!とは言えんよなぁ。


「そうか。んじゃかかってきな。へへっ」


ケビンはハルトを未知の強者と見込んで剣を交えるのを楽しみにしている。


こうなったらやるしかないか……。

剣を扱ったことなんてないから木剣なんてうまく振れるかもわかんないけど……。

こうなりゃやけだ!!


ハルトは手招きするケビンに向かって一足飛びで一気に近づき上段から木剣を振り下した。

その動きと速さにケビンら三人は驚いた。


「はぁっ!?」

次の瞬間ケビンが寸でのところで木剣を横にして両手で支えガードしハルトの木剣を受け止めていた。


防がれた!

なら次は……。


ハルトが次の攻撃を仕掛けようとしたとき、ケビンが両手を上げて待ったをかけた。


「待て!止まれ!もういい!十分だ」


それを聞いてハルトは剣を納め息をついた。

あれ?

これだけでいいの?

まだ1撃受け止められただけなのに。

疑問に思いつつハルトは結果を確認する。


「俺の試験結果は……?」


「あんな素早い動き見たことねぇ、剣を押す力も俺と同等以上。冒険者としての実力は疑う余地はない」


この距離を一瞬で近づいて、更に俺が両手でやっと止められるほどの威力の攻撃を片手で……。

こいつは一体何者なんだ?


ケビンはハルトが元居た場所を見ていた。

地面にくっきりとハルトの靴跡が付いていた。

そこからケビンの元までは5m以上は離れていた。


剣の振りを見るに、剣術は素人。

体さばきはてんで素人のそれだった。

身体能力だけであのポテンシャルってことか……。

俺が受け止めるのがやっととは……こいつほんとに何者だ?

王都の上位冒険者か?



「次は私?」


ルナが自身を指さしながら確認する。


「あー、そうだな……キャトランとやれるなんて楽しみだな」


ケビンはニヤリと笑った。



―――だが勝負は一瞬で決した。

ハルトよりも早い接近にケビンは回避もガードも間に合わず。

腹への強烈なパンチ一撃でケビンは悶絶し暫く立ち上がることも出来なかった。


「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか……!?軽くたたいたつもりだったんですけど……」


ルナは尻尾を下げ、おろおろしながらケビンの周りをまわっていた。


ケビンは暫くダメそうなのでレイラの魔法を先にマーレがチェックすることに。


「次は私ですね」


レイラは右手を前に出し目を閉じ集中する。

すると手をかざしたところに、人の頭大はある大きな火球を作り出し木人に向けて放った。

木人は火球が当たるとバラバラに砕け、破片はそのまま燃え尽きてしまった。


「はぁ。合格。備品を壊さないように加減してほしかった。私達が怒られる」


「はっ!私ったら。つい……」


レイラはわざとらしく口に手を当て、しまったという表情を見せていた。


そうこうしているうちにケビンがダメージから回復しようやく立ち上がった。


「ま、まぁいい。3人とも……冒険者ギルドに行ってカードを受け取るとよかろう……。鑑定結果をマーレがギルドに報告してくれる……」


ケビンはまだお腹を押さえながらふらふらしている。

ひとまずこれで街へ入る許可とギルドへの登録は無事完了出来そうだ。


「あ。カードの再発行と登録に1人銀貨8枚準備しといてくれよー」


え?ギルド登録するのにお金いるの!?金なんか持ってないんだけど……どうしよう。


まだ街にすら入っていないのに前途多難のハルト達であった。

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