62話 救出劇3
ハルト達は教会裏の地下へ続く階段を下っていた。
「ルシア、どうだ?」
「ううん。やっぱりだめ。魔力が阻害されてるみたい」
「そうか、とりあえず考えるのは後だ。しらみつぶしに調べていくぞ!」
「りょうかい」
「ええ。わかりました」
3人が階段を下りきると、真っすぐと奥まで続く長い地下通路が現れた。
そして通路を見回っていた賊数名と鉢合わせすることとなった。
「貴様ら!何者だ!?」
賊が叫んでハルト達に武器を向けようとするが、ハルトは正面の敵の懐に即座に入り込むと一切の躊躇をせずに壁に向かって突き飛ばした。
加減なしにハルト身体能力を乗せた一撃を受け一瞬で意識を失い賊の一人はその場に倒れ込んだ。
それを見てハルト達の危険度を察知した残りの者たちが警戒のレベルを一気に上げて叫び声をあげた。
「敵襲ー!教会入口から侵入者三人だ!!」
狭い地下通路なので叫び声は遠くまで響き渡った。
「ちっ!」
ハルト達はすぐさま目の前の賊を殲滅したが、叫び声を聞いた賊が奥からわらわらと集まってきた。10分ほどその場で敵の相手をし、30人ほど倒したところでようやく追撃の手がとまったので3人は奥へ向けて再び走り始めた。
通路をそのまま走って行くと、途中左右にいくつもの部屋があり。
手前の方の部屋はそのほとんどが食糧庫や資材置き場になっていた。
元々は安置所だったのだろう。
均等感覚で作られた部屋はどれもそれほど大きな部屋ではなく、探索にはそれほど時間がかからなかった。
「この辺りの部屋はすべて外れか……」
「思ったよりも広いですね……。このまましらみつぶしに探索を進めますか?」
「……いや。一つ試してみようと思う」
そういうと、ハルトは目を閉じて集中し始めた。
謎の声は言っていた。
この力に出来ないことはないと。
だったら、ルシアの力を阻害している何かを無力化できれば……。
そしてハルトは本日2度目の創造神の加護の力を発動した。
『一定距離内に存在する魔道具の無力化 成功しました』
「よし。ルシアもう一度たのむ」
「わかった。感覚が澄み渡った気がするから今度は出来る」
ルシアは魔力探知でルナたちの魔力を追跡した。
通路の奥をへひたすらまっすく進んだ先、突き当りを右に向かった部屋。
そこでルナたち3人の魔力を探知することに成功した。
「見つけた。ずっとまっすぐ行った先を右の部屋」
「よし!でかした!すぐに向かうぞ!!」
すぐに駆けだしたハルトを追いかけ二人も走り始める。
そしてルシアはハルトに一つ注意を促した。
「ハルト様気を付けて」
「ん?」
「ルナたちの近くに強い魔力を持った存在が2人……それと少し離れたところにもう1人いる」
「全部で3人か。1人は例の魔族か?」
しかしルシアはハルトの言葉に首を振った。
「どれも昨日の魔族じゃない。昨日の魔族の魔力はこの建物の中では感じない」
「1人は何となく予想が出来るけど……。他は賊のだれかか?」
「それと、この奥で沢山の魔力の残滓を感じる」
「魔力の残滓……?」
「うん。たぶん沢山の人が殺されてる」
「「!?」」
ルシアの言葉を聞き、ハルトとプルフラは驚いた。
さっきから一切追っ手がかからない理由はそれが原因か?
仲間割れ……?
いや、いくらなんでもおかしい。
人質を皆殺しに?
奴隷売買に絡んでいる組織がそんなことをするとは思えない。
一体何が起こってる?
「魔眼を使って昨日の魔族が今どこにいるか調べることはできるか?」
「魔族なら魔眼で探せる。やってみる」
ルシアは立ち止り目の力を開放して町全体の魔力を確認した。
するとある場所に昨日の魔族と同じ魔力を見つけることが出来た。
「いた」
「どこにいる?」
「魔族の反応みつけた。街の中央付近。この辺りは一昨日行った騎士団の場所より北?でもたぶん地上じゃない。地面の下?」
「……わかった。ここに居ないなら先を急ごう」




