58話 謎の声
俺に何が出来るんだ……!!
なんでみんな俺のことをそんなに信用してくれるんだよ……!!
ルシアもプルフラもエラルドもウィリアムもカイも!!!
どうしてこんな俺なんかを!!!
『君は本当にその程度の人間なのかい?』
聞き覚えのない声が頭の中に聞こえてきた。
「だれだ……」
『ふふ。僕は君がこの世界に来てからずっと見てきた。君こそ僕がずっと探し求めてきた存在だと思ったのになぁ~』
「何の話だ……?」
『でも、この程度で躓くようなら僕の見当違いなのかもなぁ~』
「……どうせ俺は大切な仲間すら守れなかった非力な存在さ」
『本当にそうなのかい?まだ助けられる可能性があるのに君は自分の自信が折られたことに凹んでいるだけに見えるけど?』
「……」
『やれやれ、だんまりか。君の力は万物を創造する力だろう?』
「お前……どうしてそれを……。……でも人を呼び出したり仲間の元へ飛んでいけるような便利な能力じゃない何かを作るだけの力さ」
『君は何か勘違いしているようだね』
「勘違い?」
『君の能力に不可能なんて存在しない』
「じゃあ仲間を今すぐ救える力があるって言うのかよ!!!」
『直接的には無理だけど、その力を完全に引き出して、うまく使えるようになればどんなことでもできるはずだよ。これ以上は僕の口からは言えない。今回の件を解決出来たらまた話をすることもあるだろう。じゃあ頑張ってみてね~』
「まて!お前はいったい……」
不可能なんて存在しないってどういうことなんだ……。
転移魔法はリンしか会得出来なかった。
そのリンは囚われているし念話は遮断されてる。
敵の情報がなければこちらからはどうすることも……。
……。
そうか……!
情報を探れる能力を作り出せれば……。
しかし見知った能力でなければ、どんなスキルがあるのかを知らないから付与を試すことも出来ない……。
そんな試行を巡らせているとルナから念話が来た。
「ハ……様……ハル……ト様」
「!??。ルナか!?聞こえるか!?今どこに居るんだ!?」
「わ……たちは……じょうぶです……」
「ルナ!!よく聞こえない!!」
「ハル……様……無事で……よかった……です」
「ルナ!!」
「……」
ここで念話は途絶えた。
自分たちのことよりも俺の心配をするなんて……
バカ野郎……。
布団を握りしめてこんなところで腐っていた自分の情けなさを痛感した。
ハルトはルナの声を聴いてようやく目が覚めた。
両手で頬を強くたたく。
「攫われたルナから心配されてたんじゃ情けない。俺が皆を助けないと!!」
ハルトは立ち上がるとルシアとプルフラに直ぐに連絡を取った。
「2人ともごめん。目が覚めたよ」




