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虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~  作者: すなる
1章 第二部 王都ベルセリア編

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49話 騎士団長ウィリアム

ブランドに連れられて中庭に向かうと、そこでは多くの騎士達が訓練の最中だった。


「護衛任務お疲れさん」


ブランド達が来たのに気が付いて、ひとりの大柄な騎士が声をかけながら近づいてきた。

その男は金髪青目の整った顔立ち、年はハルトと変わらないか少し若いくらいの見た目だった。


「わざわざこんなところに来なくても報告が済んだら詰め所に戻って休めばいいだろうに、どうしたんだ?」

男は不思議そうにブランド達に声をかけた。


「実は―――」

ブランド達はブレードウルフの出現の件。

ハルト達の助力がなければ護衛対象を守り切れなかったことを隠さずにすべて伝えた。


「そうか…………。感謝する!」

と一言だけ発すると男はハルトを正面からじっと見つめた。そして急に男は頭を下げた。

王国騎士団の団長ともあろう者が見ず知らずの自分たちにいきなりとった行動にハルト達は驚いた。


「頭をあげてください!俺たちはそんな特別なことはしていませんって!」

慌てて手を振りハルトは団長に頭を下げるのをやめさせた。


「にわかには信じがたいが……。ブレードウルフの群れなんて騎士団本体が相手にするほどのものだ。それを護衛隊を無傷で守りきれたのはあなた方のおかげです。ありがとう」


この人偉い立場にあっても真面目な人なんだなぁ。

年も俺と同じくらい?かな?

この若さで騎士団長ってことはよほど腕が立つんだろうな。


「もう気にしないでください。自分たちの身を守る為でもあったわけですから」



ハルトの言葉を聞いて頭をあげると騎士団長は自己紹介を始めた。


「挨拶が遅くなったな、俺はウィリアム。もう分かっていると思うがこのベルセリアの騎士団長を務めている。……いきなりなんだが。お前ら騎士団に入らないか?」


ウィリアムはハルトの両肩を掴んでにこりと笑いながら勧誘を始めた。

ウィリアムの発言を聞いて訓練中だった騎士達が騒がしくなった。


「え?入りませんよ」


ハルトは即答した。

ハルトの返事を聞いて騎士達が更にざわついている。


「おい!なんで勧誘断っただけでざわざわしてるの?もしかして断ったらまずいことなの?」


ハルトは横に居たカイに小声で確認する。


「えーとですね……。王国騎士団は、士官学校で上位の成績を収めた優秀な者しか基本的には入団を認められておらず、騎士団長が自ら勧誘など異例でして……。更に断る方も……」


なるほど、かなり狭き門でエリートしか所属できないってことか。

でも俺は王国民じゃないし、というかむしろこの世界の人間じゃないしなぁ。


「うん。やっぱ無理です。ごめんなさい」


ハルトは改めて頭を下げながら丁寧に断りを入れた。


断られると思っていなかったようでウィリアムは驚いた顔をして固まっていた。



「あのー?」


ハルトがウィリアムの顔の前で手を振ると、ウィリアムは我に帰り口を開いた。


「まさか栄誉ある王国騎士団への勧誘を断られるとはな……」


「俺は王都の住人でも貴族でもありませんし、冒険者ですので騎士団なんてとてもじゃないですけど務まりませんよ」


って言っとけばいいかな……。

ホントはさっさと話を終えてフォーレンシアの情報を集めに行きたいんだけども。


「そうか……。ブランドも認めるその強さはおしいが、無理強もできないな……。だが……このまま帰すのもおしい!おい!ちょっとあれを持ってこい!」


そう言うとウィリアムは右手をあげて近くの騎士に剣を2本持ってくるように指示を出した。


嫌な予感がする。こういうときって……。


「今から俺と立ち会ってくれないか?」


そう言いながらウィリアムは剣を1本ハルトに投げ渡した。


やっぱこうなるのかぁ……。

なんで強さに自信を持ってる人って直ぐに戦いたがるの!?

ベンゼルの時もそうだったけどさ!?

……ていうかこの剣、木剣じゃなくて金属剣じゃん?

こういうのって木剣を使った練習試合じゃないの?


「これって鉄の剣ですよね?」


「問題ない。刃は潰してある。よほど当たり所が悪くない限りは致命傷にはならないぞ」


いや、鉄の剣が当たったらどこに当たっても致命傷でしょうよ!

そっちは全身金属鎧着てるけど俺は軽鎧だし、ほぼ生身なんですけど……。



「団長と冒険者の一騎打ちだ!」


外野の騎士達は盛り上がっていた。


仲間達が止めてくれるのではないかと期待してチラッと後ろを見たが、皆止める気配はさらさらなく。

観戦する気満々でワクワクした様子だった。

プルフラまでニコニコしながら眺めている。


「ご主人様ならどんな男にも負けるはずがありません!頑張ってくださいね!」


ルナが目をキラキラさせながら声援を送る。


「はぁ……。やるしかないのか」


仕方なくハルトは剣を構えた。



そんなハルトの立ち姿を見てウィリアムは不思議そうな顔をした。


ふむ、剣はそこまで得意ではないのか?

構えはほとんど素人ではないか。

……だがうかつに踏み込むと切り伏せられる。

そんな予感がするな。

ふふふ、面白い奴を見つけてきたもんだブランドめ!!


「ブランド!開戦の合図を頼む!」


「わかりました。ではこのベルを鳴らすとしましょうか」

そういうとブランドは懐から呼び鈴のような物を取り出した。


二人は向かい合って互いに意識を集中している。

ブランドがベルを持った手を上に挙げた。

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