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虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~  作者: すなる
1章 第二部 王都ベルセリア編

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47話 私兵勧誘

夜中にユキが何かを感じたようで皆を起こした。

「皆様。周囲に何かの気配を感じますお気を付けを」


騎士達は四方を見張っているようだが皆は特段慌てている様子はなかった。


皆が周囲を警戒する中、急にカイの叫び声が響いた。

「あれはっ!皆さん起きてください!」


皆は眠い目をこすりながら声のする方向を見た。

事前にリンが危機を察していたので、ハルト達は警戒態勢と取る。


カイの前に現れたのは頭に鋭利な刃物のような角を携えた大型の狼。

騎士たちはすぐにカイが警戒していた方へ集まった。


「ブレードウルフか!!!なぜこんなところに!!」


「それも3体……」


騎士達はそう言うとかなり警戒した様子で身構えた。



カイが慌てた様子で叫んだ。

「こいつらは集団で狩りをすると聞きます!皆さん他方の警戒を!」


「ブレードウルフはここいらの魔物じゃない!フォーレンシアの樹海に生息する魔物のはず!こいつらは逸れた個体だろう!警戒よりも殲滅が先だ!」


先輩と思われる騎士たちは、新人であるカイの言葉に耳を傾けず目の前にいる3匹に集中していた。



護衛の騎士達が正面のウルフに集中したそのとき、背後から叫び声が聞こえた。


「く、くるな!誰か私を助けろ!!」


ボーゼスの前にも数体のブレードウルフ。


「うわあああ!」


多方から上がる叫び声。

ハルト達が周囲を見渡すと、他の場所にもブレードウルフが現れていた。

気が付けば野営地はいつの間にか計15体のブレードウルフに囲われた形になっていた。


「ルナは騎士の方を、ルシアは東、プルフラとリンは西を、ユキは万が一に備えていつでも結界を張れるように待機。俺はボーゼスさんの方を助けに行く」


4方に散って皆が参戦すると直ぐにブレードウルフの殲滅は成功した。

ルナは爪牙のスキルで一掃。

ハルトは刀で狼のブレードごと一刀両断。

プルフラとユキは魔法を使うまでもなく、手に持った武器で騎士達が足止めしていたウルフたちを瞬く間に仕留めて行った。

ルシアは魔王覇気で敵を一瞬で昏倒。

ついでに商隊も数名気絶……。

余波で気絶した商人たちを守るために仕方なくユキは小規模の結界を展開。


騎士や商人の皆はブレードウルフのことをかなり警戒していたが、ハルト達にかかれば特に事故もなく一瞬で片が付いた。



「使えない騎士どもめ!このことは王都へ戻ったら報告させてもらうからな!」

ことが落ち着くと、ボーゼスは偉そうに騎士達に苦言を発していた。

騎士たちはただ黙って頭を下げていた。



その後、ボーゼスがハルト達に話しかけてきた。


「お前達。そこの騎士達よりもよほど腕が立つと見える。我が私兵になる気はないか?騎士団よりもいい待遇を約束するぞ?」

髭を撫でながら偉そうな態度でボーゼスがハルト達に勧誘をしかけてきた。


「申し訳ありません。我々は一つ所に留まることは出来ませんので」


ハルトがそういうとボーゼスは眉間に皺を寄せてあからさまに怪訝な顔を示した。

その様子を見ていた日中隣で話していた商人がハルトに近寄って小声で耳打ちしてきた。


「ボーゼスに目を付けられるのはまずいですよ!彼は大店の商人ですし!商人の傍ら、奴隷商も営んでいます!良くない噂も沢山耳にしますので、逆らうとよくないことが……」


この男!

私の提案を跳ねのけるなど愚かな!

男の隣に立つキャトランの娘は昼間の……?

王都の騎士すらもこの娘の戦闘を見て目を丸くしていたところを見ると、なかなかの強者。

それに……。


「お前はもういい!ではそこの娘!」

ハルトの勧誘をあきらめ、ルナを指さしてボーゼスが言った。


「お前の言い値で買おう。先ほどの動き、ただ物ではあるまい?それに……」

ボーゼスがルナの体をいやらしい目つきで舐めまわすように見つめた。


ルナはその視線を感じて両手で体をかばってハルトの陰に隠れた。


「ルナは俺の大切な仲間です。売るなんてとんでもない」


ハルトはボーゼスを睨みつけながら言い切った。


「……ふん。まあいい。お前たち、また魔物が出たら私を真っ先に守るのだぞ!そこの騎士達よりもお前達の方がましだろうからな」

ボーゼスは騎士達を睨みな偉そうな態度でそう言うと一人馬車へと入って行った。



このときは、ボーゼスは案外簡単にハルト達の勧誘を諦めたかに思えていたが実は違った。


馬車に入ったボーゼスは笑みを浮かべて一人良からぬ計画を企んでいた。


ふふ、あの黒髪の男とその仲間の女共、なかなか使えそうだ。

特にあの女共はいい……。

腕前もそうだが、全員なかなかの器量をしておる。

そんな女共をあの冴えない男の元においておくなど勿体ない。

ぐふふふ。



この後は騎士達と混ざりハルト達も警護に当たることで王都まで被害を出すことなく到着することが出来た。

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