42不良聖女とM商人
【失踪聖女リリ視点】
なんて破壊力なの。
元はただの奴隷商人。
腕の一振で洞窟を崩壊させる力を持たせるなんて。
前に死にかけのディーナーに止めを刺したけどハルクはこんなにヤバイやつと戦ってたんだ。
「ハルグ! ハルグ!」
「あーしの彼ピッピには2度とあわせないよ。ここで世話になったお礼をたっぷりしてあげるわ!」
とはいっても、あーしの攻撃が通用する相手じゃないことくらい見ればわかる。
聖女の力を全開にするしかない。
むやみやたらに暴れまわる奴隷商人を目端に置いて集中する。
3年ぶりに全力全開!
あーしの体から白い光が溢れだし、瞬く間に洞窟内にひろがった。
光は質量をもったように奴隷商人を圧迫する。
「ワジハ、コンナドコロデ……」
「人を踏みにじるあんたにお似合いの死に方ね」
圧倒的パワーを誇っていた奴隷商人だが聖女の力の前では無力。
悪しき力をもったものは耐えられない。
その強大な力ゆえに解放すれば隠しきれなくなる。
「マダダ、ドレイドモ!」
商人の一声によって僅かに残った洞窟の通路から奴隷が這い出てくる。
奴隷契約に物理的な強制力はないのに。
「可哀想な人たち。もう考えることもできなくなっちゃんたんだね」
なんて不完全。
あーしはそんな彼らを殺せない。
不完全さは可能性だから。
彼らにはまだ未来がある。
痩せ細った体で剣をひきずりながらあーしを目指す彼らに微笑む。
絶対助けてあげる。
不完全さを求めたあーしが助けてもらったように。
救いの手を。
愛の鉄拳を。
拳に吐息を吹きかけ上から下へ右から左へ振り切り、あわれで愛しい奴隷たちをひとりずつ黙らせていく。
背を向けるものもいたが救いは平等に。
「ひいっ、やめっ」
「ソレがセイジョのオコナイか!?」
化け物となった奴隷商人が化け物をみる目で震えた声をあげる。
あーしは笑う。
「あーし、不良聖女なの」
地を揺るがすほどの衝撃と音を響かせ伏した奴隷商人。
体内に滞留する薬の効果もすべて浄化させてついでに性格がマシになることを祈る。
そんな効果はないんだけどね。
「ぅう」
「さあ心の準備はできた?」
「リリ様ぁっ! もっと! もっと!」
お仕置きのつもりだったんだけど変なテンションになっちゃったな。
商人は殴られるほどに頬を染め懇願する。
プライドを砕かれておかしくなったのかな。
「リリ様ぁっ!」
「あーはいはい。また今度ね」
「焦らされるのもこれはこれでっ」
全然音がしないけどハルクは大丈夫かな?
崩れた壁に視線をむけても反応はない。
それにしても聖女の力使っちゃったなぁ。
「もう街にはいられないか……」
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